« 2007年10月 | メイン | 2007年12月 »

2007年11月 アーカイブ

2007年11月29日

A. 一般向けに求人はして無いと思います。

お寺に婿入りしたい、ですか、残念ですねー。嫁入りしたい、なら、私のところで受け付けているのですが(笑)
と、リアルな冗談はさておき、お寺に婿入りするためにはどうしたらよいのか、ということだと思いますが、お寺出身ではない一般の方には、ちょっと難しいかもしれません。そもそも婿入り、ということは、単にお寺に勤めるというわけじゃなくて、お寺の娘さんと結婚をするということですから、そのような求人は世間一般に向けてなされてはいないと思います。

もし、どうしてもお寺に婿に入りたいと思われるのでしたら、まずお寺の娘さんと知り合わなければなりません。しかも跡継ぎとなる男の兄弟がいない娘さんでないと、お寺に婿に入る事はできませんから、そう言う女性と知り合って結婚するのは、意識してもなかなかできることではないかなと思います。

さらに、お寺に婿に入る以上は、当然、跡継ぎとしてお寺の法務を勤めることが要求されるでしょう。ですから、僧侶としての資格をとって、ご自身もお坊さんにならなければならない必要性も出てまいります。

ですから、お寺に婿入りしたい、とお考えであれば、お坊さんになってしまわれるのが一番の近道かと思います。お婿さんが欲しい、というお寺は、結構あるかと思いますし、お坊さんとなって、僧侶社会の一員になれば、そう言う情報も得やすい事があると思いますので。そのためには、まずは最寄のお寺さんに行ってみる事から、ですね。

2007年11月29日

A. 大いに関係あるようです。

近年の健康ブームで、ヨガ、流行っていますね。とは言え私はヨガをしたことがあるわけでも、ヨガの専門家でもないのですが、ヨガと仏教、ヨガと座禅との関係に、知っている限りお答えさせていただきます。

そもそもヨガというのは、インドに古くからあり、ウパニシャッドと言われる古代インドの哲学書にも出てくるもので、瞑想や呼吸法、座法などによって心身を鍛える事で、心の動きを抑制する方法として古くから用いられたようです。後に、ヨーガ学派という哲学集団によって、解脱への実践方法として体系化されていったと言われております。
そして仏教においても、このヨガは悟りへの実践方法として用いられ、釈尊も、瞑想によって真理を悟ったと言われますし、「瑜伽(ゆが)行」という修行法として確立されました。

現代のヨガも、もともとはそのインド独特の修行法をアレンジしたものですから、仏教の修行とヨガとは、出発点は同じであると言えるでしょう。違いと言えば、仏教における修行は、さとりを目指す為の方法であり、現代のヨガは、心身の健康維持のためのもの、という点でしょうか。

座禅とヨガとの関係についてですが、ヨガは、座法や呼吸法を盛り込んだ、精神統一の方法でありますし、「禅」といいますのは、「禅定」つまり精神統一をし、真理を観察することであって、「座禅」は座法や呼吸法を用いた「禅定」一つの方法でありますから、根本的な部分で同じ要素を持つものと言えるかと思います。
そう考えますと仏教も、インド古来からあるヨガ無しには生まれなかったものなのかもしれません。

2007年11月22日

A. そうでもありません。

もうすぐ12月ですね。12月といえば、師走。「師走」という言葉の由来は、年末でお坊さんもせわしなく走り回る、というところから来ているという説がありますが、実際に年末お坊さんが忙しいかと言うと、そんなこともないように思います。もちろん年末特有の差し迫った感じはあるのですが、それよりは、お盆やお彼岸のほうが忙しい時期だと言えるような気がします。

まあもちろん、宗派や地域、それぞれのお寺によっても異なっていて、私の住む地域のお寺はお盆はさほど忙しくありませんし、お彼岸も法要が勤まる程度ですが、今の時期、10月から12月にかけては、報恩講という浄土真宗の宗祖親鸞聖人を偲ぶ法要やお参りがあるため、1年で一番忙しい時期になります。
しかし、同じ浄土真宗のお寺でも地域が異なると、お盆やお彼岸は忙しく、今の時期はそれほど忙しくないということもありますから、一概には申し上げることはできません。
しかし、「師走」という言葉が生まれるほど年末になるとお坊さんが一年で一番忙しくなるわけでもないとなりますと、「師走」の語源も考え直してみる必要があるかもしれませんね。

2007年11月22日

A. あります。

仏教にも記念日はあるのかということですけども、もちろんあります。クリスマスが本来、イエスの生誕を祝う行事であるのと同じように、仏教にも、お釈迦様の生誕を祝う「花祭り(灌仏会・かんぶつえ)」という行事が、お釈迦様のお生まれになった4月8日前後に行なわれますので、この日は仏教における記念日であります。
他にも、お釈迦様がさとりをひらかれた日が12月8日だったということから「成道会(じょうどうえ)」という法要が行なわれますし、お釈迦様が亡くなられ、涅槃に入られた2月15日には「涅槃会(ねはんえ)」という法要が勤まります。この3つが、お釈迦様の三大行事と呼ばれるのですが、これらの日は仏教における重要な記念日です。
あとは各宗派ごとでも、その宗派を興された祖師の生誕の日や亡くなられた日などが一つの記念日のようなものになっていて、法要や様々な行事が行なわれます。

ただし、どの行事も今の日本のクリスマスほど、様々な業界を巻き込んで大いに盛り上がるようなイベントではありません。それは、仏教における記念日は何かをお祝いをするという意味よりも、私たちが仏教に触れることができる一つの機会として行なわれるものだからかもしれません。

それでも、キリスト教のクリスマスばかりがもてはやされるのもお坊さんとしては少し残念なので、「メリシャカ!」という活動をしている若いお坊さん達もおります。
何を隠そう、私もその一員で・・・ 仏教も、これから少しずつでも盛り上げていきたいものです。

2007年11月15日

A. 他国への修行、ということは、それほど多くないと思います。

日本のお坊さんが、他の国へ修行へ行くということは、歴史を紐解けば、最澄や空海と言ったお坊さん達が、中国へ仏教を学びに行かれた事などを考えれば、かつてはよくあった事だと言えます。
しかし今では、個人的に外国へ修行に行かれるお坊さんもおられるかと思いますが、その数は、それほど多くないと思います。

と、申しますのも、以前も書きましたが、仏教には、様々なタイプの教えがあります。大きく分けると、「上座部仏教」「大乗仏教」という二つのタイプがあるのですが、東南アジアの方へは上座部仏教が、中国へは大乗仏教が伝わりました。そして、中国から日本へと仏教が伝わり、そして様々な宗派に分化してきました。その各宗派では、それぞれに修行方法や、教えについての解釈が行なわれ、日本独特の仏教が発展してきました。そのため、他の国の仏教とは、趣が少しずつ異なってきているのです。

そう言う風に、各宗派の中で、教義や修行方法がすでに確立しているために、交流などはあっても、外国へと修行をしに行く、ということはあまりないのかもしれません。

ただもちろん、タイプの違う仏教を学ぶ事も大変有意義な事でありますし、タイプが違っていても、その根底にあるものは同じですから、タイなどのお寺に修行に行かれるお坊さんもおられないわけではありません。私も機会があれば、行ってみたい気持ちはありますしね。

2007年11月15日

A. 基本的には、普通に親子、という関係ですが・・・

お寺の人の親子関係についてのご質問ですが、まあ、お寺によって様々かなと思いますが、基本的には、普通に親と子、という関係だと思います。これはウチの場合ですが、子どもの頃、父のことを「住職」と意識して見ていたわけではないですし、父も、私に接するに当たって、住職と言う立場で接する事はありませんでしたので、住職-子と言うような親子関係ではなかったように思います。

ただし、現在の私のように、実家のお寺で法務を勤めておりますと、ただの親子、というわけにはいかなくなります。やはり父はお寺の住職であり、私はその下で法務を勤める、という形になりますので、親子でありながら、上司と部下、という関係でもあるわけです。

それでも、住職を親と思うな、子を子と思うな、というような徹底した上下関係でもないので、親の側、子の側、それぞれにやり易さとやり難さがあって、なかなか一筋縄では行かない関係のような気がします(笑)

で、家族関係で寂しいと思った事、ですが、住職である私の父は、会社員のようにほとんど家にいないというわけではなく、家にいる時間も多く、祖父母も母も家におり、晩御飯は、家族揃っての食事でしたので、家族について寂しさを覚えることは、私は少なかったように思います。

ですから、家族が一緒にいられる時間が持ちやすいと言う点では、お寺の家族関係は良いものかもしれません。もちろん、一概に言えることでは無いですけどね。

2007年11月 8日

A. どういう仏教を学びたいか、にもよります。

仏教を勉強したい、とのことですが、仏教と一くくりに申しましても、禅もあれば、密教に浄土教、お釈迦様当時の原始仏教など、実に様々なタイプの教えがあります。

ですから、どのタイプの仏教に興味があるのかによって、オススメするべき本も変わってくるのですが、私は他宗の仏教書については疎いため、これ!というのは申し上げられませんが、もし浄土真宗について学びたいという方は、西本願寺のご門主、大谷光真氏の『朝には紅顔ありて』は、真宗と仏教の教えが基礎からわかりやすく書かれておりますのでオススメです。

そうではなくて、まだどのタイプの仏教が良いかわからないけど、漠然と仏教に興味があるのなら、一番最初は、仏教の根幹となるところから学ぶのが良いでしょう。

そのオススメの本でとしては、ひろさちや先生の本が良いかもしれません。ひろさちや先生は、彼岸寺が開催する講座「仏になるための仏教講座」でも講演してくださった仏教学者で、仏教を基礎からわかりやすく、またいろんなタイプの仏教について書かれた本を出されておられますから、いろいろ探してみられると良いと思います。

他には、『仏教聖典』という、キリスト教の『聖書』のような位置付けの書が仏教にもありまして、これは少々読み難いかもしれませんが、お釈迦様の言葉に触れる意味で、良い本だと思います。この本は、ホテルに置いてあったり、ネットでも全文を閲覧できます。

また、活字が苦手という方には、手塚治虫氏の『ブッダ』をオススメします。漫画ですが、お釈迦様がなぜさとりを目指されたのかや、大まかですが、仏教の教えのイメージに触れることが出来ますので、ストーリーを楽しむだけでなく、その辺を意識して読めば、入門の入門にはピッタリではないかなと思います。

2007年11月 8日

A. ありません。

お坊さんに定年はありますか、とのご質問ですが、お坊さんはサラリーマンとして会社に雇われているわけではありませんので、基本的には定年はなく、僧侶の資格も、年齢によって失効するものではありません。ですから、80歳でも90歳でも、体さえ元気であれば、お坊さんとしての勤めを果たすことは可能です。

事実、ウチの祖父も、80歳になる前までは、現役でお寺の法務を勤めていましたし、現役引退し、外へお参りへ出る事は無くとも、お寺での日課のお参りはキチンとしておりましたし、かなり年配でも、まだバリバリやっておられる方もおられます。

ただし、法務員と言って、本山などの組織の職員として働かれている方には、定年はあるかと思いますが、それも、その職員としての職を終えるだけで、僧侶を辞めないといけないわけではありませんから、お坊さんには定年というものはないんです。

むしろ、人生経験を経ることによって、より深く仏法を味わえるようになることもあるでしょうから、世間で言う定年の頃が、お坊さんにとっては最も脂ののっている時期かもしれませんね。

2007年11月 1日

A. 個人的には、怪しい人だと思われないことでしょうか。

お坊さんで得をしたこと、ということですが、正直申しまして、パッと思いつきませんでした。それはつまり、おそらく大して得をしたという経験がない、ということなのでしょうけど、私が一つだけ感じるのは、初対面でも怪しい人だと思われない、ということかなと思います。

お坊さんならちゃんとしている、というようなイメージがあるからか、初対面でもそれほど警戒せず、とっつきやすく思ってくださることがありますので、その点ではお坊さんで得したな、と思います。

他には、そうですね、京都のあるタクシー会社のタクシーには、法衣を着ていると1割引になるサービスがあります。ただこれは、着物を着ていれば誰でもそのサービスを受けることができるので、お坊さんだから、というものでもないかもしれません。

あと、これは私も確認したことがないのではっきりとは言えないのですが、京都で拝観料が必要なお寺に入る際、僧侶である事を申し出て、それを証明できれば、拝観料が無料になるお寺もある、と聞いた事があります。これが事実なら、実にありがたいことなのですが、普段私は全く僧侶らしくなく、また僧侶の身分証明証というのもないため、証明するのが難しく、実践にはちょっと勇気が要りそうです。

2007年11月 1日

A. あります。

世の中にはいろんな職業があって、それぞれに、職業病と呼ばれるもの、ありますよね。まあその中には、職業柄の習慣や、体の一部を酷使する事などによって、身体的に異常をきたすなどいろいろあるかと思いますが、お坊さんにもやはり職業病と言うものはあります。

私が自分で職業病だなあ、と感じるのは、いろんな物事に対して、仏教と結び付けたくなる、ということでしょうか。歌を聴いて、本や新聞を読んで、仏教と全く関係なくても、「ああ、これ仏教っぽいな」とか、「法話のネタに使えそうだ」と考えてしまいます。

あとよく聞きますのが、テレビのドラマやワイドショーなどで、お葬式が映されますと、どこの宗派かな?というのが気になったりすると言うもの。確かに私も、テレビからお経が聞こえると、何のお経だろうか?と気になったり、同じ宗派のものと思われるお経が聞こえたりすると、妙に嬉しかったりします。

まあこれらは習慣的なものですが、体に関しての職業病と言うと、正座に関してが多いかもしれません。私も長時間の正座によって、足に「正座ダコ」が出来てますし、人によっては、膝を悪くされる方もおられます。また、これは本当かどうか定かではないのですが、かかとにお尻を乗せ、足がしびれてくると、お尻を動かして足を組替えたりする事が原因で、痔にもなりやすい、なんてことも聞いた事があります。よく見ると「痔」という漢字。病ダレに「寺」ですからね・・・なんだか意味深です。

アニメ一休さんで、お坊さん同士が「そもさん、せっぱ!」と問答を掛け合うシーンがありますね。この連載では、ふだん聞きたくてもなかなか聞けないお寺や仏教への素朴な疑問に、お坊さんがわかりやすく答えます。読者のみなさんからの質問も、お待ちしています!
(なおご質問は、メールでinfo@higan.netにお送りください。みなさまからいただいたご質問の中からいくつかを取り上げさせていただきます。)
ケンユウ
石川県のとある温泉街に住む僧侶。みなさんからの質問に、わかりやすく答えます。
→著者 公式サイト