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2007年9月 アーカイブ

2007年9月27日

A.あります。

お寺の引っ越し、ということですが、やっぱりあります。ウチのお寺も、興った頃は今の町とは違う所にあって、どういうわけがあったかは定かではないですが、今から250年位前に今の場所へと移ってきたと言われています。と言っても、その時に本堂の建物を移動したわけではなく、新しくお寺を建てたわけですけれども。

また近年では、ダムが作られて、村が沈むからということで、町の方へと移ったお寺があるとも聞いたことがありますし、過疎の地域のお寺では、だんだんと檀家さんが都会へ移ってしまったということで、街に移ったという話も聞いたことがあります。やっぱり人あってのお寺ですからね。ということで、お寺の引っ越しという事も、全く無いわけではないし、これからの時代、ちょくちょく聞くようになるのかもしれません。

また、最近の技術では、お寺の本堂をジャッキアップして移動するという、曳屋(ひきや)工事という事もできるようですので、お寺が動いて引っ越し、なんてこともあるかもしれませんね。

2007年9月27日

A.よいです。

お寺といえば、世襲制で、お寺の子どもがお寺を継いでいかねばならない、というイメージがあるかと思いますが、必ずそうでなければならない、というわけではありません。お寺の生まれであっても、お坊さんになってない人もおられますし、以前「有名人で実はお坊さんって人いますか?」という質問で答えさせていただいたように、お寺生まれでも、お寺以外のお仕事をされておられる方も、たくさんおられます。

同じように、お寺の後継ぎとなるべき嫡子であっても、どうしてもお寺を継ぎたくなく、他の仕事をしたい、と思われれば、お寺を出る選択肢も無いわけではありません。お寺や檀家さんの今後の事をしっかりと考えるのが、お寺に生まれ、檀家さんのお布施によって育った者としては大事なことなのですが、やはり個人の意思や気持ちも大切ですからね。

ただその場合は、キチンと住職や檀家さんと話し合うのはもちろん、二度とお寺を継がない決意と、約束がなければならないかと思います。でなければ、いつか帰ってきてくれるかもしれないという淡い期待を住職に持たせて、お寺の次の後継者を決める事ができないこともあるでしょうし、養子をもらったり、他のお坊さんに入寺してもらったりして後継者を立てても、その後で出て行ってたお寺の嫡子がお寺に帰ってきて「継ぎたい」なんて言い出した日には、必ずもめますから。

ですから、もし、もうお寺には帰らないぐらいの不退の覚悟があるのならば、お寺の跡継ぎさんであっても、他の生きる道を見つけても良いのかなと思います。

2007年9月20日

A.ちゃんと税金、払ってます。

「お坊さんって、税金払わなくていいって、ホント?」これは、お坊さんと初めて会うような人に、必ずと言っていいほど聞かれる質問なんですが、答えは「NO」です。お坊さんも、ちゃーんと税金払ってますよ。ちょっと前、住民税の大幅増税が話題になりましたが、その住民税、私たちお坊さんも、払っております。もちろん私も納めております。

そして、お坊さんの収入というは、実はお寺からのお給料なんです。ですから、その収入に対する所得税も、きちんと納めなければなりませんし、その他の消費税などの細々とした税金も、たいていのものは納めております。

ではなぜ、お坊さんは税金払わなくて良い、なんてことが真しやかに囁かれるのか。それは、お寺という「宗教法人」は公益法人とみなされ、一部の税金が免除、あるいは軽減されているということにあるかと思います。どういうことかと申しますと、宗教法人としての活動、つまりお寺としての宗教活動によって得られるお布施等の収入は、課税が免除され、お寺の土地などにかかる固定資産税も免除されるということです。

ただし、お寺が宗教活動以外によって収入を得る場合、例えば、土地や駐車場を貸したり、製造・販売など収益事業から生ずる所得に対しては、一般事業の税率より軽減されて課税されます。ですから、お寺が全く税金を払わなくても良いというわけではないんです。

でも、お寺は住職が運営しているんだから、結局全部が収入みたいなもので、給料制にしなければ、所得税納めなくてもいいのでは?とも考えられるのですが、そんなことをすれば、税務署が黙ってはいません。ちゃんと宗教法人としての会計と、私生活に必要なお金を分けていないと、必ずチェックに入ります。また、檀家 さんによる会計監査もありますし。ですから、お寺の会計と、個人の収入支出は、きちんと分けて管理してますし、お坊さんもちゃんと税金を納めているんですよ。当然と言えば、当然のことなんですけどね。

2007年9月20日

A.正確な割合まではわかりませんが・・・

確かに、学校の中には、稀にお寺の子っていましたよね。私はその「稀に」の方の人間で、まあ珍しがられたりしましたが、ごくごくフツーの小学生でした。一つ困ったことと言えば、生活調査?のようなものがあった時、親の職業を選ぶ項目に「僧侶」という選択肢が無くて、どうすれば良いのか、悩んだ事くらいでしょうか。結局先生に相談して、「その他」のところにチェックしたのですが、その時初めて、お坊さんという存在の稀さに気づいた気がします。

ただ、私の通っていた小学校には、私と、私の一つ上にはお寺の娘さんがいましたし、私の弟2人もいた時期がありますから、一つの小学校に4人いた計算になります。田舎の、一学年2クラスくらいの人数の小学校なので、これは結構割合的には高いかもしれません。

まあ、これはウチのお寺の子どもが3人もいたわけで、ちょっと特殊な例だと思いますが、大抵の学校に、一人か二人は、お寺の子がいてもおかしくないのかな、とは思います。

2007年9月13日

A.それはデマです。

えー、私もそう言うことを初めて聞いたので、本当かどうか、アデランスさんにお電話して聞いてみました。すると「そんなことはありませんよ」というご返答をいただきましたので、どうやらこの噂はデマのようですね。

でもよく考えれば、基本的には坊主頭にするのがお坊さんなのに、髪の毛が少なくなってきたからと言って、増毛したり、隠そうとしたりすると言うのも、おかしな話ですよね。まあ私は髪の毛伸ばしてますが、いざと言う時は、坊主頭にしたって何の支障も無いわけですから。

じゃあなぜこんな噂があるのかな?と思ってググってみると、どうも「坊主丸儲け」ということと関わりがあるようで、ナマグサな、お金のことばかり考えるような強欲な坊さんが目に付く、というところからきた噂のようです。

そういうお坊さんがいることは同じ僧侶として、情けなく思うことですが、お坊さんがみんな強欲な人たちばかりではありません。真面目にやっていらっしゃる方のほうが多いのですが、どうしても、そう言う派手なほうが目立ってしまうので、こういう噂も出てきたのでしょうね。

この噂はデマでしたが、僧侶としては、一つの戒めとして受けとらなければなりませんね。それと、アデランスさん。妙な質問にもご丁寧にご返答いただきまして、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。

2007年9月13日

A.パッと見で、宗派まで見分けるのは、難しいです。

街でお坊さんを見かけて、その人がどこの宗派のお坊さんかを見分けるのは、お坊さんからしても、結構難しいんです。というのも、基本的には衣やお袈裟というのは、どの宗派もほとんど同じような形をしているからです。

もちろん宗派によってお袈裟の色や刺繍されている紋が違っていたり、衣も細かなところで違いはあるので、法要などで同席する時などは「自分と違う宗派だな」ということはわかります。その時にもし、それぞれの宗派の衣やお袈裟の特徴を知っているならば、宗派までもわかるかもしれません。

もう一つ、お坊さんを見分けるポイントに「頭髪」があるんですけれど、浄土真宗では、坊主頭にしなくてもいいということになっていますので、有髪のお坊さんがいれば浄土真宗の可能性は高いでしょう。ただ、それ以外の宗派のお坊さんは、坊主頭にされている事が多いので、やはり宗派を特定するのは難しいと思います。

あと、お坊さんが私服の場合、その人がお坊さんかどうかを見た目で判断するのは頭髪しかヒントがないのですが、坊主頭の方がみんなお坊さんとは限りませんので、あとはその人の雰囲気から判断するしかないでしょうね。

2007年9月 6日

A.衣は着れますが、着物は・・・

お坊さんと言えば、衣、つまり着物に近い物を着ていますよね。あれはもちろん、自分で着ております。でも衣は、女性の着物のように帯の結びや形こだわったり、武士のように袴や裃をつけたりするわけでもないので、実はすごく簡単なんです。

ただ一つ「七条袈裟」というお袈裟だけは、大きくて着け方もちょっと複雑なので、手伝ってくれる人がいると助かります。

まあ、衣を毎日着るといってもその程度ですので、私はちゃんとしたと言うか、ちょっと小粋な帯の絞め方も知りませんし、まして女性の着物の着付けができるわけでもありません。おそらく、今の若いお坊さんのほとんどは、衣を着ける事はできても、一般的な着物を、キチンと帯を結んで着ることができる人は、そんなに多くないのではないかな、と思います。

2007年9月 6日

A.私は(たぶん)ありません。

寝言でお経、は、今のところ私は経験したことないですね。まあ、もしかすると寝言でお経となえた事あるのかもしれませんが、寝言は自分じゃわからないので・・・

ただ、お経を称えている時に、意識がボーっとして、気づいたら終わっている、ということはあります。あ、誤解なきよう一応言っておきますが、寝てませんよ。ちゃんと目開けて、経典読んでるんですから。

あと、これはウチの祖父の話なんですが、脳梗塞になったことがあって、一時期言葉が出にくくなった事があるんです。でも、日課にしてるお経は本も見ずに、称えてました。きっと、泳ぎや自転車と同じで、頭で覚えているのではなくて、体に染み込んで、身に付いてるものなのかもしれません。

ですから、お坊さんの中には寝言でお経を称えた事がある方も、もしかするといらっしゃるかもしれませんね。

アニメ一休さんで、お坊さん同士が「そもさん、せっぱ!」と問答を掛け合うシーンがありますね。この連載では、ふだん聞きたくてもなかなか聞けないお寺や仏教への素朴な疑問に、お坊さんがわかりやすく答えます。読者のみなさんからの質問も、お待ちしています!
(なおご質問は、メールでinfo@higan.netにお送りください。みなさまからいただいたご質問の中からいくつかを取り上げさせていただきます。)
ケンユウ
石川県のとある温泉街に住む僧侶。みなさんからの質問に、わかりやすく答えます。
→著者 公式サイト