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2008年6月 アーカイブ

2008年6月15日

shoyo01.gif  冬の瓜と書くので、一見冬が旬の食材のように思いますが、冬瓜は実を言うと夏が旬です。 これは冬瓜が保存に適していて、夏に収穫後、冷暗所で実をそのまま置いておいても冬まで保つ、ということから「冬瓜」の字があてられたと言われています。

 ちなみに、私は永平寺に行くまで冬瓜を食べたことがなくて、初めて食べたときには、「何だ、これは?」と思いました。 とてもみずみずしくて、今まで食べたことのない不思議な食感。 今でも鮮明に覚えています。

 さて、そんな冬瓜ですが、今回は相性の良い梅干しと合わせて、さっぱりといただきます。 夏バテにはもってこいですよ!!


tougan-sapparini.jpg


【 レシピ 】 <2人分>
・冬瓜・・・1/8個
・梅干し・・・1個
・新生姜・・・少々

<水溶き片栗粉>・・・合わせて20分以上置いたもの。
・片栗粉・・・大さじ1
・水・・・大さじ1

<合わせだし>
・昆布だし・・・400cc
・薄口醤油・・・大さじ1
・酒・・・大さじ1
・みりん・・・小さじ2
・塩・・・小さじ1


【 作り方 】 出来上がりTIME 60分
 <下準備>
・ 昆布だしは、あらかじめ用意しておく。 → 昆布だしの取り方
・ 片栗粉と水を合わせ、水溶き片栗粉の状態にして20分以上置いておく。
・ 冬瓜は、一口大に切っておく。
・ 梅干しは、梅肉と種に分け、梅肉は細かく刻んで叩いておき、種は捨てずに取っておく。
・ 新生姜は良く洗い、皮を剥かずに摺り下ろしておく。

tougan.jpg(1) <合わせだし>とダシを取った昆布、刻んだ冬瓜、梅干しの種を鍋に入れ、40分ほど中弱火にかける。 その間、アクが出たら丁寧に取り除く。

(2) 時間が来たら、火を止め、鍋から冬瓜・昆布・梅干しの種をあげ、残ったダシに刻んだ梅肉と新生姜を入れる。

(3) (2)をさっと沸騰させて、水溶き片栗粉を入れ、粘りのコシが弱くなるまで混ぜ続け、あんかけを作る。

(4) (2)の冬瓜を器に盛り、(3)のあんかけを回しかければ完成。


作り方のポイント
・ 冬瓜は柔らかくなるまで煮込んだほうが、食感を楽しめます。
・ 水溶き片栗粉であんかけを作るときの分量は<片栗粉:水=1:1>です。 そして、もう1つのポイントは、粘りのコシが弱くなるまで混ぜ続けることで、大体1分以上はかけてください。
・ 梅干しの種からは美味しいダシが取れますので、捨てずに利用しましょう。


ひとこと
shoyo01.gif
 今日は、ダシで使った昆布の再利用の1つをご紹介します。

konnbu-tukudani.jpg 今回は、ちょうどあんかけがありますので、ダシを取った昆布を2センチ角に刻み、残ったあんかけの中に投入し、火にかけます。 少し濃いめの味付けが良いと思いますので、薄口醤油大さじ1を加えます。 新生姜を薄い千切りにして入れても良いでしょう。 それらを、5分ほど煮詰めれば完成です。 

2008年6月 1日

shoyo01.gif  信田 ( しのだ ) 巻き。 面白い響きです。 語源を知らない人には、なぜこの食べ物が "信田" と呼ばれるのか、想像がつかないでしょう。 答えを言ってしまえば、"信田" とは現在の大阪府和泉市にある地名から来ていて、もともと "信太" と呼ばれていました。 その地に "葛の葉 ( くずのは )" という女狐の有名な伝説がありまして、そこから連想的に 【 信太 → 葛の葉(狐) → 狐の好物が油揚げ 】 となったのです。

 そこからさらに連想すると、狐を使役する神に稲荷大明神がいますが、油揚げの中に酢飯を入れた食べ物を 「 いなり寿司 」 と呼ぶことも、とても興味深いですね。

 さて、そんな信田巻きですが、今回は今がまさに旬の 「新牛蒡 ( しんごぼう ) 」 と 「 アスパラガス 」 を巻き、そこへ葛ペーストを加えて煮るという新発想でお送り致します。


shinngobou-shinodamaki.jpg


【 レシピ 】 <2人分>
・新牛蒡(ゴボウ)・・・1/2本
・アスパラガス・・・1本
・薄揚げ・・・1枚
・新生姜・・・適量

<新牛蒡下ごしらえ用>
・ごま油・・・小さじ1
・薄口醤油・・・小さじ1

<葛ペースト>
・吉野本葛・・・10g
・昆布だし・・・120g
・薄口醤油・・・小さじ2
・酒・・・小さじ2

<合わせだし>
・昆布だし・・・300cc
・薄口醤油・・・大さじ1
・酒・・・大さじ1
・塩・・・小さじ1


【 作り方 】 出来上がりTIME 60分(冷蔵庫での冷却時間は含まない)
 <下準備>
・ 薄揚げは、剥がれやすくするためにすりこぎ棒で軽く叩いておく。 その後、長い一辺を残す形で三方の端を切り、1枚に開いたら数秒ゆでて油抜きをし、ザルに上げておく。
・ 新牛蒡は、皮を剥かず、良く水洗いをしたら薄揚げの長い辺よりも少し短めに切り、太さも合わせるように切っておく。 切り終えたら、フライパンにごま油をひき、弱火で10分ほど炒めて火を通し、薄口醤油を回し入れてさっとからめたら皿に取る。
・ アスパラガスは、新牛蒡の長さ・太さに合わせて切る。
・ 昆布だしは、あらかじめ用意しておく。 → 昆布だしの取り方

shinngobou-shinodamaki.gif(1) <葛ペースト>から薄口醤油を抜いた材料を鍋に入れ、弱火にかける。 固まってきたら手早くまんべんなく混ぜ、焦げ付かないようにする。 粉っぽさが取れたら薄口醤油を加え、混ぜ合わせてから火を止める。

(2) 広げた薄揚げに、炒めた新牛蒡、アスパラガスをのせ、そこに(1)をかけ、強めに巻いて竹串を刺す。 それを冷蔵庫で1時間冷やして葛を固める。

(3) <合わせだし>を入れた鍋に(2)を入れ、落としぶたをして30分ほど弱火で煮る。

(4) 時間が来たら取り出し、粗熱をとってから切り分け、盛りつけて新生姜を散らせば完成。


作り方のポイント
・ 牛蒡は食用油との相性が良いので、一度炒めるなり揚げるなりすると、一段と美味しくなります。
・ 巻くときは、しっかりと強めに巻きましょう。 盛りつけ前に切り崩れた時は、慌てずに巻き直して整形すると良いです。
・ 竹串ではなく「かんぴょう」を使うときは、かんぴょうを水でもどして細めに切り、3カ所ほど強めに巻いてください。


ひとこと
shoyo01.gif 薄揚げを開く際には、冷凍した油揚げを解凍したものだと簡単に広げられます。 また、一度固めた葛を再加熱すると良い感じにゲル化して、何とも素敵な食感になりました。 是非お試しあれ!!

生活そのものが修行であるとする曹洞宗の大本山永平寺では、修行僧が料理を作ります。 料理を作ることも、食べることも、坐禅や掃除と同様に仏道修行そのものなのです。 その永平寺で本場の精進料理と出会った吉村昇洋が、分かりやすく且ついい感じに、精進料理とその背景を紹介していきます。 見やすく分かりやすいレシピ付き! 更新は毎月1日と15日の2回です。
吉村昇洋
広島県内の曹洞宗寺院副住職。 1977年3月生まれ。駒沢大学大学院仏教学専攻修士課程修了後、学問の世界から飛び出して実践の場を求め、曹洞宗大本山永平寺にて2年2ヶ月間の修行生活を送り、現在に至る。