2008年5月 1日

shoyo01.gif  皆様、ご無沙汰しております。 ここ数ヶ月の間「禅僧の台所」を更新できず、ご心配をおかけいたしました。 これからは、気を取り直しまして、毎月1日と15日を目安に更新していく予定です。

 さて、久々の更新で皆様にご紹介しますのは、「タケノコご飯」です。タケノコは種類にもよりますが、3月下旬ぐらいから出回り始め、6月頃まで食べられる、まさに旬を感じさせてくれる食材です。 それでは、タケノコ料理の定番「タケノコご飯」をシンプルかつ美味しくいただきましょう。


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【 レシピ 】 <4人分>
・タケノコ・・・1/3本(下の硬めの部分)
・薄揚げ・・・1枚
・きぬさや・・・4枚
・米・・・3合(450g)

<合わせだし汁>
・昆布だし・・・460g
・薄口醤油・・・大さじ1
・酒・・・大さじ1
・塩・・・小さじ1

【 作り方 】 出来上がりTIME 20分
 <下準備>
・ タケノコは、下ゆでしてあるものを使用。 → 生のタケノコの処理の仕方
・ 昆布だしは、あらかじめ用意しておく。 → 昆布だしの取り方
・米は研ぎ、5分~10分ほどザルにあげた後、炊飯器で<合わせだし汁>に50分ほど浸しておく。 → お米の炊き方
・1本のタケノコの下から1/3部分を、一口大に切る。
・薄揚げは、両面を弱火のフライパンで薄い焦げ目が付く程度に焼き、さいの目切りにする。
・きぬさやは、塩茹でした後、3つに切り分ける。
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(1) 炊飯器にタケノコと薄揚げを入れ、炊く。
(2) 炊きあがり、蒸らしも終わったら、しゃもじで切るように混ぜる。
(3) 茶碗に盛ったら、きぬさやを飾って完成。


作り方のポイント
 ・ 油揚げは油抜きしません。そのまま表面に火を入れることで、ご飯に香ばしさとコクを付け加えます。


ひとこと
shoyo01.gifタケノコご飯には、タケノコの硬めの部分を使いましょう。炊飯の際にじっくりと火が入るので、十分柔らかくなります。 今回使わなかった柔らかい部分は、煮物や和え物などに使用しましょう。
 
 
 
 
 
禅僧の知恵袋

【 美味しいお米の炊き方 】

○ お米を研ぐ
 お米の研ぎ方には諸説ありますが、ここでは私のやり方をご紹介します。
okome-zaruage.jpg(1) ボウルにお米と少量の水を入れ、手の平の付け根部分で押すようにして、お米同士をこすり合わせるイメージで手早く研ぐ。
(2) ボウルの水が白く濁ったところに、米ぬかの泡が立つように水を勢いよく注ぎ、溢れる直前に水勢を弱め、表面に浮かぶ泡を残らないように流す。
(3) (1)と(2)を数回繰り返し、水の濁りが比較的透明になったら、ザルに5~10分程度あげておく。

○ お米を炊く
(4) ザルの米を炊飯器に移し、50分ほど水に浸した後、炊く。

○ 炊きあがり
(5) 炊きあがり、蒸らしも終わったら、しゃもじで手早く切るように混ぜ合わせ、完成。
(6) お櫃(おひつ)がある場合は、お櫃に移して完成。お櫃に移した米は、余分な水分がなくなり、うっすらと木の良い香りを漂わせるのでオススメ。


【 炊飯の水の量 】
白米」を炊くときの水分量の基本は、「洗米に生米1.2~1.4倍分の重さ(g)の水を加え、50分ほど浸した後、炊く」です。
 ※ 1.2倍なら硬め、1.4倍なら柔らかめになります。

計算の目安
  生米1合=重量150g=体積180cc
   (このレシピでは、紛らわしくないように、重量<g>で統一しています)

炊き込みご飯」の場合は、「洗米に生米1.1倍分の重さ(g)の合わせだし汁と適量の具材を加え、50分ほど浸した後、炊く」になります。 具材に含まれる水分を考慮し、水分量を少なくしています。


お米豆知識
 洗米するだけで、生米10%ほどの重さの水分が吸収されます。
 つまり、1合で計算すると、
  洗米1合の重量(g)=生米1合×吸水率=150×1.1=165g

 洗米後、50分ほど水につけておくと、生米25%ほどの重さの水分が吸収されます。
  浸水米1合の重量(g)=生米1合×吸水率=150×1.25=187.5g

shoyo01.gif  ここでご紹介したやり方は、1つの目安でしかなく、必ず美味しくなるな方法というわけではありません。 新米・古米の違いによっても異なりますし、お米の銘柄によっても、炊飯用具(炊飯器・鍋)の種類によっても変わってくるはずです。 使用するお米や道具にあったやり方を、是非ご自分で見つけてください。

2007年6月20日

shoyo01.gif  明治時代に入って食用にされるようになったアスパラガス。 当然、道元禅師の生きていた鎌倉時代には食べられてはいませんでした。 時代を経て、道元禅師が口にしていない食べ物を、道元禅師の考え方に沿っていただく。 私としては、なんだか感慨深いものがあります。
さて、アスパラですがまだまだ美味しい季節です。 今回は、アスパラそのものの食感と甘みを味わってほしいと思い、このレシピをご紹介します。 ちなみに美味しいアスパラを見分けるポイントは、根元を触るとやわらかい、穂先が曲がっていない、穂先が開いていない、の3点ですので、目安にしてください。


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【 レシピ 】 <2人分>
・アスパラガス・・・2本
・もめん豆腐・・・1/3丁
・糸こんにゃく(白)・・・1/3袋
・しめじ・・・1/3パック
・白胡麻・・・小さじ1/2

・薄口醤油・・・小さじ1
・みりん・・・小さじ1
・塩・・・小さじ1

【 作り方 】 出来上がりTIME 20分
asuparashiraae.gif <下準備>
・ もめん豆腐に2時間ほど重しを乗せ、よく水を切る。
・ 白胡麻は、フライパンで軽く煎ったあと、すり鉢で細かくする。
・ アスパラガスはピーラーで、根元のすじを削る。
・ しめじは房をほぐし、糸こんにゃくは食べやすい大きさに刻む。

(1) アスパラガス、糸こんにゃく、しめじを、順に沸騰したお湯でゆで、ザルにあげる。
(2) (1)のアスパラガスは、少し冷ました後、縦半分に切り、さらに3㎝幅で切る。
(3) もめん豆腐は、裏ごし器でこす。
(4) ボウルに、(1)(2)(3)、薄口醤油、みりんを混ぜ合わせ、塩で味を調える。 最後に盛りつけて、白胡麻をふりかけ出来上がり。


作り方のポイント
 ・ アスパラガスは、沸騰したお湯に根本を先に入れ、色が鮮やかになるまで約50秒ゆでる。
 ・ もめん豆腐の裏ごしは、裏ごし器を使用することで、なめらかな食感になる。


ひとこと
shoyo01.gif白和えを作るときは、豆腐を荒めにつぶして使用する方が一般的ですが、「裏ごし」という一手間を加えるだけで、全く異なる食感を味わうことができます。 また、しめじの代わりに水でもどした干し椎茸を使用すると、風味ががらりと変わってこれまた美味です。 2人分では、椎茸1つを短冊切りにして具として使い、戻し汁は捨てずに椎茸だしとして他の料理に利用しましょう。
 

2007年2月18日

eiheiji05.jpg  今年の冬は、お腹にくるタチの悪い風邪が流行っています。 皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 実はかく言う私も、先日風邪で寝込んでおりまして、食欲が全く湧かなくて大変でした。 ですが、そんな体調でも、お粥ならば食べられてしまうのが不思議です。

  風邪を引いた時にしかほとんど口にしないお粥ですが、私にとっては非常になじみ深い食べ物で、永平寺で修行していた2年2ヶ月間、毎朝の食事でこのお粥を食べていました。

  因みに、永平寺では お粥 (おかゆ) とは言わず、粥 (しゅく) もしくは、浄粥 (じょうしゅく) と呼んでいます。

(写真 : 永平寺僧堂前の廊下。 左側の柵は雪囲い)

  曹洞宗の宗祖である道元禅師は、僧堂に赴(おもむ)いて朝食の粥や昼食の飯を頂く作法を 『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』 という著書に示しました。 その中には、禅宗の寺院における食事作法の根本意義をはじめ、実際の作法についてこと細かに順を追って説明がなされていますが、今回のテーマである 「粥」 についても面白い記述が見られます。

   粥有十利 (しゅうゆうじり) … 粥には十の功徳がある。

  この「粥有十利」は、道元禅師自身が 『僧祇律(そうぎりつ)』 という仏典から引用していて、次にあげる十項目を指します。

   一、血色を良くする
   二、力を得る
   三、寿命を延ばす
   四、苦痛がない
   五、言葉がはっきりする
   六、胸のつかえが治る
   七、風邪が治る
   八、空腹が癒える
   九、のどの渇きが消える
   十、大小便の通じが良くなる

  仏の教えの中にお粥について細かく述べられているというのは、何だか不思議なものですが、それだけ 「粥」 を食べるということが、仏教者にとって重要な行為なのだと分かります。 そんな粥を永平寺の修行僧が毎朝必ず食べるのは、粥のありがたいパワーによって生かしていただき、身体を整え、その生命の上で仏道修行に励むためです。

  食べられる側の存在なくしては、食べる側の存在はあり得ません。 己自身と、目の前の料理との関係をよくよく理解して食べることが、重要なのだと思います。


参考文献
道元 『典座教訓・赴粥飯法』 全訳注:中村璋八・石川力山・中村信幸 講談社 一九九一年

生活そのものが修行であるとする曹洞宗の大本山永平寺では、修行僧が料理を作ります。料理を作ることも、食べることも、坐禅をすることと同様に仏道修行そのものなのです。 その永平寺で本場の精進料理と出会った吉村昇洋が、分かりやすく且ついい感じに、精進料理とその背景を紹介していきます。 見やすく分かりやすいレシピ付き!
吉村昇洋
広島の曹洞宗寺院副住職。 1977年生まれ。駒沢大学大学院仏教学専攻修士課程修了後、学問の世界から飛び出して実践の場を求め、曹洞宗大本山永平寺にて2年2ヶ月間の修行生活を送り、現在に至る。