空の鳩(靖朗さんへ)

空の鳩(靖朗さんへ)


靖朗さん、ご返信感謝します!無事戻ったベルリン、和食作りのお手伝いを頼まれ「僕らは頻繁に食べないんだけどな」と思いながらSUSHIの人気っぷりを感じています。(ちなみにこの素敵なお寿司は勿論、別の方が作ったものです)


その道すがら目を閉じて横たわっている一羽の鳩がいました。脚下照顧を自戒。


先日は東京でお会いできて嬉しかったです。短い時間でしたが今回も色々と学びのある時間でした。ここ数年はお会いする度に少しお痩せになられている(絞ってきてるなぁ!という感じです)お姿をお見受けしますが、ご精進の現れでしょうね。次回の帰国も楽しみにしております。


久しぶりの再会、楽しい時間、こちらこそありがとうございました。身体についてはおかげさまで順調な変化、表現しにくいのですが今の状態まで10年ほど、感覚通りに滞りなくなるまでこれからもう数年この方向かな、という塩梅です。





Q:靖朗さんは世俗の仕組みから「圏外」になりたいと思うのですか?


A:ここはいろいろ思うところがありますね。まず圏外になりたいと思う理由は、修行者としての欲なのかもしれません。少し変な言い方ですが、修行道場での生活は圏外を体験できる時間です。いまは住職としての生活がありますからなかなかまとまった期間、道場に入るということができませんから、余計にそういう時間のありがたさを感じます。


けど、よくよく考えてみると道場生活っていうのは本当の修行ではないんですよね。修行道場の門を出てから、娑婆の苦しみに己が身をおいてそこから本当の修行が始まるわけです。だから僕が圏外になりたいというのはただの逃げ、なのかもしれません。きっとそうだな。


いつもながら興趣の尽きぬ回答、ありがとうございます。気になった事をいくつか質問させて下さい!

1、「道場生活」と「住職生活」の違いはどういったものなのですか?




「お金を稼ぐ行為に参加することが当たり前の行動規範」たしかにその傾向はありますね。資本主義社会であり、消費経済社会です。お金を稼ぐ行為は決して悪いことだとは思いません。お金のやりとりを通じて何らかの付加価値が生まれていると思いますし、お金で解決できることも数多くあります。いずれにせよ行き過ぎるとダメですね。がんじがらめになって抜け出せないという状態であるならば、それは行き過ぎということでしょう。


2、なるほど、「行き過ぎるとダメ」というのはなかなか難しいものです。

靖朗さんはお金を稼ぐ行為は悪いことだと誰かに言われたことがあるのですか?

また現在の御自身の状況、またはどなたかの置かれている状況を「行き過ぎ」と感じたことはありますか?



では、僕たちのような僧侶が、この世を生きる人、苦しみを抱える人に提示できるオルタナティブはなんでしょう。


3、奥の深い問いですね。「オルタナティブ」とは「代替」という意味でしょうか。「僧侶が提示できるオルタナティブ」があるとして(さらにその答えにもいろいろあるとして)それらは「何を」代替するものなのでしょうか?




この記事も色々と思うところがあって書きました。ぶっちゃけてお話すると(笑)念仏を残すことで、篤信者が増え、お布施が回り出すんだから、まずなによりも念仏を残すんだということなんです。念仏を伝えていくために必要な念仏道場という寺院装置の維持にお金が必要です。また頂いた浄財をご縁のある人々とともに社会福祉活動に回していくということにも活用できるわけです。だから日本銀行券はいらないということではないんですね。


4、ここでいう「お布施」、「お金」、「浄財」は同じものを示しているのでしょうか?また、寺院装置の維持にお金が必要なのはなぜですか?


以上一読して興味深く感じたこと・・・勢いで的外れな愚問ばかりと思いますが御海容頂き、お時間あるときにでもご返信下されば幸いです。


最近奈良に何かとご縁があり、近い将来奈奈良での再会を願っています。どうぞ御身体にお気をつけて、好い一週間に致しましょう!


星覚九拝


これまでのやりとりはこちらからご覧ください。

禅と念仏〜直感と圏外と〜(星覚さんへ) http://www.higan.net/bizplan/2015/06/zen-nenbutsu.html


うたごえ(靖朗さんへ) http://www.higan.net/unsui/2015/04/post-75.html


禅と念仏〜直感について〜(星覚さんへ)http://www.higan.net/bizplan/2015/04/zen-nenbutsu-inspiration.html


共棲(靖朗さんへ)http://www.higan.net/unsui/2015/03/post-70.html


禅と念仏〜南無阿弥陀佛〜(星覚さんへ)http://www.higan.net/bizplan/2015/02/20150226-zen-nenbutsu.html.html


救(靖朗さんへ)http://www.higan.net/unsui/2015/02/post-68.html


「禅と念仏」星覚さんへ http://www.higan.net/bizplan/2015/02/20150214-zen-nenbutsu.html


つながり(靖朗師へ)http://www.higan.net/unsui/2015/01/post-67.html


星覚 (せいがく)
>>プロフィールを読む 雲水。1981年鳥取県出身。大学卒業後、大本山永平寺にて修行を積む。多くの海外道場に参禅し、現在はベルリンでの坐禅を中心に禅を世界に伝えている。著書に「坐ればわかる」(文春新書)など。