仏さまを彫る、仏さまをポンと押す!「諸行無常ズ」初の著書「消しゴム仏はんこ。」を読んで。

仏さまを彫る、仏さまをポンと押す!「諸行無常ズ」初の著書「消しゴム仏はんこ。」を読んで。

新潟・小千谷の麻田弘潤さんから「消しゴム仏はんこ。」を送っていただきました。この本は、麻田さんと消しゴムはんこ作家の津久井智子さんによる、仏教×消しゴムはんこユニット「諸行無常ズ」が初めて出版したもの。消しゴムはんこと仏教というふたつの世界の入り口の、どちらから入ってもどちらの世界も楽しめる。まるで「諸行無常ズ」そのもののような本です。
 

本の冒頭、「消しゴムはんこ。で仏様を彫るということ」と題して、こんなことが書かれています。消しゴムに写された小さな仏様を一新に見つめて彫る作業には、日常の慌ただしさを離れて心を落ち着かせる良さがある、と。

「そのような落ち着いた状態で仏様を彫るからこそ、普段は見逃している自己の内面と外面のズレに気づかされたりします」。
 
な、なるほど......。消しゴムを彫るという道も、このように自らの気づきを重ねることによって仏道になってゆくのですね。

本の構成は、「消しゴム仏はんこ。の作品集」「消しゴムはんこのはじめ方」と「図版集」から成っています。

「作品集」は、お釈迦さまや阿弥陀さま、阿修羅や千手観音など、お寺でよく見る仏像をモチーフにしたもの、降兜率(ごうとそつ)から入涅槃まで、お釈迦さまの一生を8つの美しい消しゴム版画で表現したものなどがあります。また、仏像やお釈迦さまの一生について、わかりやすい言葉で説明が添えられており、気軽な仏像・仏教入門としてもお薦めです。

消しゴム仏はんこ。
消しゴム仏はんこ。
 
消しゴムはんこ作家の津久井智子さんは、消しゴムはんこ界を代表する作家さん。世界トップクラスと言っても過言ではない技を、この本から教わることもできるというぜいたくさ。消しゴムはんこ。入門としてもベストチョイスです。

そして、各章の間には「仏はんこ法話」と題した小さな法話も差し込まれています。「自利利他」の法話では、「はんこを作る楽しみが誰かの喜びにつながる」とサラリと書かれていますが、実のところこのシンプルな思いのやりとりこそが「自利利他」の本質ではないか、とハッとさせられました。

麻田さんとお話していると、麻田さんの言葉の土台にはどっしりと仏教があるのを感じます。よく鍛えた仏の足腰を持っておられるからこそ、これほどに簡潔な言葉ですっきりと法話を書ききってしまうことができるのでしょう。

今年、麻田さんはいよいよ極楽寺のご住職を継職。4月22日には、一年ぶりの「極楽パンチ」の開催も予定されています。この本をご縁に、多くの方と出会い、次の大きなステージへと向かっていかれることを願ってやみません。

ちなみに、実は「お坊さんといっしょ」のバナーも、麻田さんの消しゴムはんこ。で作っていただいたもの。「連載一覧」に掲載する画像には、「聞法能不忘 見敬得大慶 則我善親友」と、「仏説無量寿経」の言葉を書いてくださいました。
 
お坊さんといっしょ。
「法を聞きてよく忘れず、見て敬ひ得て大きに慶ばば、すなはちわが善き親友なり」。

「お釈迦さまは『法を求めるものは良き友』と説きました。恭子さんがお坊さんと一緒になにかすることも、僧俗関係なく、上下ではなく横のつながりですることだと思う。仏教に関わる人が手を取り合っている姿が、この経文にぴったりだなと思ってこの言葉を書きました」と麻田さん。

ほんまに、こんなことを言ってくれるお坊さんが、友人にいてくれることが、ただただ、ありがたいなあと思うのです。

諸行無常ズの本「消しゴム仏はんこ。」を読んでいただけば、きっと麻田さんの仏教にふわりと触れることができると思います。みなさんも、まずは書店などでお手にとってご覧ください、



諸行無常ズ(Facebookページ)

 

杉本恭子 (すぎもと きょうこ)
>>プロフィールを読む 大阪生まれ東京経由京都在住のライター。同志社大学文学部社会学科新聞学専攻卒業。お寺取材を経験するうちに「お坊さん」に興味を持ちインタビューを始める。