【感想レポート】4/29(祝)マインドフルネス講演会「幸せへの道はない、幸せこそが道だから」

【感想レポート】4/29(祝)マインドフルネス講演会「幸せへの道はない、幸せこそが道だから」



去る429日(祝)、東京・文京シビックホールにて、ティク・ナット・ハン師のお弟子さん数名による、「マインドフルネス講演会」が開催されました。

 

ティク・ナット・ハン師ご自身は、病気療養中のため、今回の来日は叶いませんでしたが、師の放つエネルギーは、檀上のお弟子さんたちのあたたかなほほえみや、ゆったりとしたたたずまいを通して、確実に私たちのこころに届けられていました。

 

本当に、素晴らしい空間でした。

 

簡単ではありますが、以下に感想をまとめます。

 

 

 

愛知専門尼僧堂堂長・青山俊董老師による「歓迎のことば」、東京大学大学院教授・蓑輪顕量さんによる「プラムヴィレッジ(※)来日の意義」のご説明があったのち、あの独特の色彩を持つ僧衣に身を包んだお弟子さんたち約三十名が登壇されました。

 

(※プラムヴィレッジ:ティク・ナット・ハン師が1982年に南フランスのボルドー地方に設立した僧院・瞑想センター。多くの瞑想会が開かれ、世界中から参加者が集まる。)

 

鐘が招かれ、檀上のお坊さんたち全員による「チャンティング(詠唱)」のはじまりです。シンプルな演奏にうつくしい歌声が重なり、会場の雰囲気が一気に厳かなものになっていきます。しかしながら、私たち観客を緊張させるような空気は一切なく、むしろ、とてつもなくやさしく、やわらかなエネルギーを感じたのは、檀上の彼らが、みな一様に、あたたかな笑みを浮かべられていたからでしょうか。

 

チャンティングが終わると、ティク・ナット・ハン師の高弟数名が、リレー形式で法話をされました。今回お話になられたのは、ティク・ファプ・アン(釈真法恩)師、ティク・ヌー・チャン・コン・ニェム(釈尼真空嚴)師、ティク・ヌー・チャン・ユー・ニェム(釈尼真妙嚴)師、ティク・チャン・ファプ・ダン(釈真法燈)師の4名。それぞれに、自分がどのようにマインドフルネスを実践しているか、具体的な例(呼吸に意識を向ける、歩く瞑想、電話に出る前の儀式など......)を織り交ぜて、とても静かに、やさしく、うつくしいことばで語ってくださいました。

 

語られる内容としては、ティク・ナット・ハン師のご著書に記述があるようなものばかりなのですが、それを、毎秒、毎瞬、ただひたすらに「実践」(みなさん「practice」という単語をお使いになっていました)されているお弟子さんたちの説得力にはすさまじいものがありました。

 

彼らは決して強いことばを使いません。派手なパフォーマンスがあるわけでもありません。ただ、やわらかなほほえみを浮かべて静かに檀上に座り、ひとつひとつのことばを丁寧に紡いでいくだけ。それでも、なんというか、彼らの存在そのものが「祝福」に満ちているのです。おひとりおひとりが、「幸せ」と一心同体となって、というか「幸せ」そのものとして、ただただ、ひたすらに、「いま」「ここ」に「在る」といった感じなのです。

 

 

 

今回の講演会のテーマはHappiness Is The Way 幸せへの道はない、幸せこそが道だから」というものでした。

 

「幸せ」は、どこか遠くにあるわけではない。

「幸せ」は、いつだって、「いま」「ここ」に。

 

とは言え、それは、決して、「身の回りの"当たり前"の幸せを数えましょう」といったキャンペーン(住む家がある幸せ、食べることに困らない幸せ、目が見える幸せ、耳が聴こえる幸せ、歩くことができる幸せ、などなど。いや、もちろん、そういった種類の「個別の幸せ」も、とても大切ではありますが......)などではなく、なんというか、もっともっともっと果てしなく大きな、決して数値で置き換えることのできないような、それこそ世界をまるごと包み込んでしまうようなタイプの「幸せ」のことであり......というか、世界まるごとをも含んだ「私」という存在の本質が、すでに「幸せ」そのものなのであり、それこそ、私たちは、ほんとうは、「幸せ」そのものでできている(!)のであり、だからこそ、私たちは、いつ何時でも「幸せ」なのであり、「幸せ」でない瞬間などないのであり......それに気づく第一歩が、「呼吸」と「ほほえみ」なのですよ、と......

 

檀上のお弟子さんたちは、彼らの存在そのものをもって、私たちに、その"究極の真実"を、全力で伝えてくださったように思うのです。

 

「ほんとうの幸せ」の在り処を示してくださったプラムヴィレッジのお坊さんたちに、そしてティク・ナット・ハン師に、こころからの感謝を捧げます。

 

本当に、ありがとうございました。

 

 

 

さて、「ティク・ナット・ハン&プラムヴィレッジ僧侶団 来日ツアー2015はまだまだ続きます!

 

==============================================================-

 

5/2(土)‐ 5/6(水) 45日富士山麓リトリート

 

5/9(土) ビジネス業界向け一日瞑想会

 

5/10(日) 医療・心理関係者のためのマインドフルネス研修会

 

5/10(日) マインドフルネス・アワー どこかで誰かとマインドフルネス

 

5/11(月) ティク・ナット・ハンvs日本の青年僧100 対話会

 

5/12(火) ベトナム・デー

 

==============================================================-

 

ほとんどの催しがすでに定員に達しているようですが、5/10(日)の「マインドフルネス・アワー」などは、どなたでも、世界中のどこからでも(!)参加できるようです。

 

くわしくは以下のサイトをご覧くださいませ!

 

ティク・ナット・ハン2015来日招聘委員会 http://tnhjapan.org/info/

 

 

 


小出遥子 (こいで ようこ)
>>プロフィールを読む 1984年生まれ。新潟県出身。早稲田大学第一文学部日本文学専修卒業。編集プロダクション、美術系専門図書館勤務を経て、現在はフリーランスの編集者・文筆家として、仏教系テキストを中心とした編集・執筆活動を行っている。 いのちからはじまる対話の場「Temple」主宰。http://temple-web.net/