お坊さん×アイドル?究極の異業種コラボ、NMB48との共演が話題の天野高雄さんインタビュー

お坊さん×アイドル?究極の異業種コラボ、NMB48との共演が話題の天野高雄さんインタビュー (写真提供・岡山放送)

 倉敷・高蔵寺住職の天野高雄さんと大阪・なんばを拠点にした秋元康氏プロデュースのアイドルグループNMB48メンバーが岡山、香川県下の寺社や門前町をめぐり歩く岡山放送制作「エブリのまち」の企画コーナー「もんぜんまっぷ」。開始から約1年、僧侶とアイドルという異色の共演がこれまで仏教に縁のなかった若者たちの間で話題となっています。
 FM番組「拝、ボーズ!!」、仏画・陶芸作家、うたかたり〜法話ライブなど、幅広い活動を展開する天野さんに制作にまつわるお話しをうかがいました。

......「もんぜんまっぷ」出演のきっかけは? 

天野 もともと、この番組以前に同局で情報番組のコメンテーターを務めていました。その流れで「旅番組」という企画をいただきまして。私は坊さんなので、ただの街ブラより門前にしようと提案したんです。エリアが岡山と香川なので古刹も多いからね。

......僧侶ゆえのご苦労もあったのでは?

天野 これまでは私自身がプロデュースすること多かったので、布教色を全面に出せました。でも今回は民放でスポンサーもいる。かなりニュートラルじゃないといけないし、制作サイドはバラエティ畑の人が多く「面白ければいい」と割り切っている。そこをどう中和させて盛り上げようかと、かなり悩みました。

......アイドルたちもお坊さんとの共演は初めてだったわけですが。

天野 いつもはグループで仕事をなさっているでしょう。うちではピン(1人)だから責任がある。それぞれが本気でぶつかってきます。でも「ウケはいらないから」と伝えています。あと何も知らないことを畏れるなと。「おバカじゃなく、まだ無知なだけだから堂々とね」と先に諭しています。

......彼女たちの宗教観やお寺・僧侶に対する意識はどうですか?

天野 彼女たちには、それぞれにアイドルとしてのキャラクターが演出されています。それは壊しちゃいけません。でも彼女たちにもお婆ちゃんがいたり、お墓参りしたりという思い出はあるわけで、そこを上手く引き出すことを心掛けています。宗教観は「反省・感謝・礼節」だけでじゅうぶん。お寺や僧侶には素直な「?」をぶつけてもらうようにしています。

......寺社での作法や仏教の教えに触れる場面もありますね。

天野 あの年代にはまだ深いことは無理ですし、「教科書に出てた!」ってくらいの知識ですから、学校の延長は避けたいなぁと。彼女たちがわかる例え話で、例えば「お釈迦さま」を「秋元康さん」にたとえたりね。そこから興味を引っ張る。その先にはファンの方々もいるわけですから。

......地方局の番組なのが残念です。

天野 大きな声では言えませんが、ネットで「もんぜんまっぷ」と検索していただいたら......(笑)

......ファンからも反響があるようですね。

天野 それには正直驚いています。ものすごい反響で。中には心ない中傷もありますが、そんなのはこれまでの活動からいえば1ミクロンです(笑)それ以上に応援や賛同、感謝が届いています。握手会とかで「もんぜんまっぷ見てます!」が合い言葉だとか。

......ファンとの接点もあるのですか?

天野 ネットで相談されたり、縁日にファンの人がお参りしてくれたり、嬉しいですよね。ファンという世界はある意味マニアックで、自分を顕わにしにくい部分を持っていると思うんです。でもそこを共有したうえで、仏教を「生きるヒント」にしてもらえたらいいんじゃないかと。

......実際にお寺に足を運んでくれるのはうれしい反応ですね。

天野 私たちの想像を超えた部分での化学反応は確実にあると思います。ギャップを楽しめばいいんです。

......お寺側からすれば、これをきっかけに仏教やお寺に興味をもってくれればと思うのですが欲張りすぎでしょうか?

天野 欲張るべきでしょう。もう日本仏教界は、ほとんどの世代にアピールし尽くしている。でもこの部分は未開拓ですからね。

......青年僧侶を中心に情報発信の方法にも変化が起きています。

天野 まだまだ坊さんが俗に降りて発信しようとしている。もうそんな時代じゃないと思います。それは世間のニーズからいうと完全に後手でしょう。坊さんらしさの中に非日常を感じたり、寺らしさの中に異空間を味わったり。そこに気づくべきですよ。実践においてもムーブメントにすることは案外簡単です。大事なのは単発で終わらないことと、軸を見失わないことです。ムーブメントより、ムーブし続けるって大変ですよ。布教ってお祭り騒ぎの手段じゃないですからね。やるならやっぱり単独で手の届くことをひたすら続けるほうが賢明ですよ。自腹でね(笑)

......最後に、一言お願いします。

天野 この番組を見て、お孫さん(中高生)が祖父母を誘って週末に門前をブラリする。お参りしたり、カフェ巡りをしたり......。世代を超えて話題になるような展開はこれまでになかったと思いますので、その辺りのお役に立てたら最高ですね。

......これからも楽しみにしています、有難うございました。


プロフィール

天野高雄/あまのこうゆう
1968年、岡山・倉敷生まれ。15歳より高野山へ入る。祖父の跡を継ぎ、第16代高蔵寺(倉敷中島)の住職となる。高野山本山布教師として全国にて講演活動を展開。歌手・小林啓子さんとの法話イベント『うたかたり』も好評。また、作家として仏画「ほほえみほとけ」を制作、各地で個展を開催、目で見る法話として喜ばれている。FM倉敷「拝、ボーズ!!」(第 40回ギャラクシー賞・最優秀賞受賞)「きくへんろ。」パーソナリティー、ニュースコメンテーター、執筆家、作詞家としても活躍。布教映画『高野山への道』の演出も手がけた。プロレスラーの公式サイト『新崎人生同行記』も運営。倉敷美観地区には、家族全員が作家という特徴の雑貨屋『倉敷クラシカ』をプロデュース。あらゆる角度から密教を説きたいと願う。


天野高雄さんの最近の活動

◎ 拝、ボーズ in 歌舞伎町 2014 -NO HAIBO,NO LIFE?-
 
伝説のバラエティ法話番組・FMくらしきの『拝、ボーズ!!』がトークの聖地に今年も降臨!!
歌舞伎町であの2人の坊主が大暴れ!!番組の雰囲気そのままに本音&激辛法話の公開収録!!!

 ・日 時  2014年6月1日(日)19:00開演(会場18:00)
 ・場 所  新宿ロフトプラスワン
 ・料 金  前売¥2,100 / 当日¥2,600(税込・要1オーダー500円以上)
 ・出 演  桂 米裕(岡山県矢掛町圀勝寺住職/落語家/高野山真言宗本山布教師)
       天野こうゆう(岡山県倉敷市高蔵寺住職/画家/高野山真言宗本山布教師)
       いのうえエヴァ子(アシスタント)
       M・前澤(ディレクター)
 ・サイト  http://www.haibozu.com/
 
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彼岸寺編集部 (ひがんじへんしゅうぶ)
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