【レポート】本当はクリエイティブな禅 〜禅のデザインを学ぶ〜

【レポート】本当はクリエイティブな禅 〜禅のデザインを学ぶ〜


「禅」とは何か? その問いに答えられる人が、お坊さんがどれだけいるでしょうか? 今その答えを語るに最もふさわしい人、松山大耕さんが六本木で講演されました。聴講した「未来の住職塾」二期生の向井真人さんがレポートしてくださいましたので、禅をするような落ち着いた気持ちでじっくりお読みください。


▼ 日本の魅力、再発見:Discover Japan
本当はクリエイティブな禅 〜禅のデザインを学ぶ〜 アカデミーヒルズ
http://www.academyhills.com/school/artcollege/detail/115608_discoverjapan20140212.html


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=====【レポート】=====


2014年2月12日、六本木アカデミーヒルズにて六本木アートカレッジセミナー「本当はクリエイティブな禅 〜禅のデザインを学ぶ〜」が行われました。講師は、グラフィックデザイナー・アートディレクターの北川一成氏と、妙心寺塔頭退蔵院の松山大耕師。定員300人が満員ということで、会場は熱気につつまれていました!


▼ 自分の役割を"育てる"人/退蔵院 副住職 松山大耕さん(上)
http://www.higan.net/bouzu/2009/05/matsuyama-1.html

▼ 自分の役割を"育てる"人/退蔵院 副住職 松山大耕さん(下)
http://www.higan.net/bouzu/2009/06/matsuyama-2.html

▼【番外編】自分の役割を"育てる"人/退蔵院 副住職 松山大耕さん
http://www.higan.net/bouzu/2009/06/matsuyama-extra.html


イチローやスティーブジョブズ、世界の成功者は「禅」に夢中になる。たしかにそんな話を聞いたことがあるけれど、そもそも「禅」とはなんなのでしょうか?


デザインの世界でも大きな影響を与えているという「禅」。「禅」とはなにか? 禅のデザインから得られる気づきとは? お二人のトークショーを聞いてきました。


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はじめに妙心寺塔頭退蔵院の松山大耕師から、「禅」についてのお話しがありました。


「禅」とはなにか? 一言であらわすことはできないけれども、あえて一言で言うならば「禅」の漢字の通りである。「示」す偏に「単」で「禅」、つまりシンプルであるということ。


なぜ禅僧は修行をするのか。枯山水、墨跡や精進料理など、長い歴史のなかで現代まで生き残っているその理由とは。すべての答えは「禅」、シンプルであることに通じます。ただし・・・シンプルには奥深い意味があったのです。シンプルだからこそ奥深く、奥深いものこそシンプルである。松山師の禅の根底を見つめる鋭さはすばらしかったです。


つぎにグラフィックデザイナー・アートディレクターの北川一成氏が登壇。お二人のトークセッションは多いに盛り上がりました。


松山師、北川氏のお話それぞれに共通していたことは、実践からの言葉でした。公演中、色々な方の言葉を引用されるのですが、しっかりと自分の言葉でトークセッションをされていました。


とくに直感のおはなし。


どうにかしてやろうという気持ちでいるよりも、ただ目の前のことだけに集中しつくす。考えて考えて空っぽになる。長く愛されるものには空があるそうです。北川氏の妙心寺退蔵院を訪れた際のエピソードや、デザインでの余白や間の取り方。セオリーでは絶対にしない、みんなから反対された提案が通ったお話。また、北川氏の息子さんの名前にたくした想いへと話はうつり、「禅」のシンプルの奥深さへとつながっていきました。


練りに練ったあとの開放、目の前にみえる無駄をはぶいていった先の空っぽ。「禅」のシンプルの奥深さには、型やぶりのための型の大切さがあったのです。


質疑応答では、「禅は世界的に注目されていますが、もしCOOL JAPAN大使になったら何を伝えたいですか?」「直感が鈍っている日本人について」といった質問がとびだしました。


直感を養うための方法の一つとして、感動することだと松山師は答えます。彼が托鉢をしながら京都へと帰っていたとき、台風に襲われます。はげしい雨風と寒さ、心身ともに疲れた松山師。一晩だけやすませてくださいと頼んだお寺さんで、厚いおもてなしを受けたそうです。見ず知らずの坊さんへの心遣いにも感動した松山師ですが、あたたかいお風呂に、ふかふかのお布団にも感動するのでした。


わたしたちにとっては普通のお風呂と、普通のお布団です。ですが、そこに感動を見出す。その感動とは、あって当たり前すぎて考える余地を与えないものに気付いた瞬間でした。


当たり前のものをちょっとだけ無くしてみる。すると普通のものでも有ることが難しいことだと知り、感動する。意識からはずしたものに気付く直感を養えるでしょうとお話していました。


実践としての仏教、無意識の意識にフォーカスする禅。ただシンプルであること、の強さや意味。


松山師の禅に対しての様々な切り口、北川氏のデザイナー・個人体験からの鋭い視点。リアルを土台に語る内容に、会場300名は聞き入っていました。無意識の意識、見えないものを見る。禅とデザインにはかなり深い部分で共通点があるようです! それはもちろん、私たち"普通の人"にもある。直感・直観のお話に深く肯いている私たちがいたのでした。


とても素敵なトークショーだったわけですが、退蔵院の松山師が登壇されるイベントが4月に東京であるんです!


それは、今年2014年4月29日(火・祝)増上寺でおこなわれる寺社フェス「向源」! トークショー登壇者は脳科学者・中野信子先生、そして松山大耕師です。いったいどんな内容になるのか? とても楽しみですね! 彼岸寺サイト内で、つぎつぎに2014年寺社フェス「向源」の情報が発表されています。トークショーについての情報も乞うご期待!


▼ 2014年 向源 第一弾発表!! | 向源への道 | 彼岸寺
http://www.higan.net/kohgen/2014/02/kohgen2014.html


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向井 真人(未来の住職塾 本科 第二期 東京クラス)
1985年 東京生まれ。明治学院大学卒業。
2010年 円覚寺専門道場から、深川 陽岳寺にうつる。同年、副住職となる。


桂 浄薫 (かつら じょうくん)
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