【レポート&お知らせ】「就活生のための禅講座」で若者を支える

【レポート&お知らせ】「就活生のための禅講座」で若者を支える


昨今、学生の就職活動の大変さがよく伝えられています。企業の景気が回復してきたというニュースが増えてきたように感じますが、それでも内定を得ることは厳しさを増すばかりです。


そんな中で就活に励む学生の助けになればということで「就活生のための禅講座」が開催されます。「曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究部 実行委員会」様から、第1回・第2回のレポートと第3回(2月15日)のお知らせをご寄稿いただきました。


■ 第1回の案内はこちら
【2013/2/16】『就活生のための禅講座 〜就活に役立つ禅の知恵 お坊さんが教えます〜』開催


就活に関わる方もそうでない方も、現代社会のストレスや生きづらさが背景にありますので、どうぞご一読ください。



【レポート&お知らせ】「就活生のための禅講座」で若者を支える


曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究部 就活禅実行委員会


就活禅実行委員会の活動趣旨

「就活生のための禅講座」は、就活生を心身両面からサポートして自死(自殺)を予防しようという立場から、「就活禅実行委員会」(※)によって企画・運営されています。
※曹洞宗総合研究センター教化研修部門研究部所属の研究生6名。以下、実行委員会と略記


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2012年時点、「警視庁によると、昨年は大学生など150人が就活の悩みで自殺しており、2007年の2.5倍に達した」と報じられました(読売新聞2012年6月9日朝刊など)。就職難はもちろん、多大なストレスや孤立しがちな生活環境等、就活生の自死については様々な要因が考えられます。それを踏まえた上で、我々にも何らかの予防策を講じ、健やかな生活の助けとなることはできないのか――と考え、実行委員会を2012年11月に結成しました。


第1回目の開催では対象を大学3〜4年生としていましたが、第2回目以降はより広く「就職活動を行っている方(学生、新卒者、既卒者を問わない)」を対象として取り組んでいます。


就活禅 これまでの活動経緯

プレ・プレイベント(2012年9月8日)、プレイベント(2012年12月8日)という試験段階を経て、2013年2月16日に第1回「就活生のための禅講座」を開催しました。この時は20名の方の応募を頂き、坐禅指導やワークショップを通してストレスや緊張への対処法を学ぶ機会となりました。


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一方、2013年7月20日に開催した「第2回就活生のための禅講座」では、就活でストレスをすでに多く抱えている方の参加が予想された為、ストレスについて考え、理解を深められる内容を盛り込みました。


今回開催する「第3回就活生のための禅講座」では、「坐禅で視点を変える」をテーマに、より実践的なストレスマネジメント方法を学ぶプログラムを予定しています。


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当日の内容

1.ストレスを知るワーク
不安や緊張の感じ方、体の反応などには、その人なりの「クセ」がある――ということを学べる時間を設けています。自分を客観化し、その「クセ」を自ら知る。「クセ」が出てきたら、体の力を抜き、普段のリラックスした状態へ戻す。実際の体験を通して、 これらの技法を学べる内容になっています。


2.坐禅指導
骨格標本とプロジェクターを使用した、坐禅について具体的で視覚的な理解ができるプログラムです。また、柔軟体操を取り入れており、脱力した上で各自がそれぞれの正しい姿勢で坐れるようになれます。


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3.坐禅
プレ・プレイベントの時に「自分が正しい姿勢なのかどうか分からないので、確認して欲しい」との要望を頂きました。そこで坐禅の際には、スタッフが随時坐相(坐禅の姿勢)を正すようにしています。毎回、坐禅の後には、「緊張するかと思ったけど、意外とリラックスできた」という感想を多く頂いています。


4.四威儀のワークショップ
瑩山紹瑾禅師の『坐禅用心記(ざぜんようじんき)』に説かれる「調心(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調身(ちょうしん)」の理念に基づき、「四威儀(しいぎ、行・住・坐・臥)」の各ワークを行っています。

・行(経行を基本として、姿勢と呼吸に配慮しつつ歩く)
・住(リラックスした姿勢で自然に立つ)
・坐(坐禅をベースにして、イスに座る)
・臥(いつでも安眠できるよう、脱力して寝る)

この4つのワークを身につけることで、就活のみならず、日常生活のどの場面でもリラックスできるようになります。


5.数珠作り
数珠作りの時間は、参加者の方同士でリラックスして交流できる時間です。「四威儀」を象徴する四つの珠の他、十数種類用意した珠の中から各自で好きなものを選び、紐を通します。この時には、毎回それぞれの季節に適した飲み物(冬季開催の第1回の時には生姜湯、夏季開催の第2回の時にはジンジャーエール)を供しており、好評を頂いています。


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6.法要
作った数珠は一旦、お仏前にお供えします。法要で般若心経をお唱えした後、数珠はお守りとして参加者さんにお渡ししています。またこの時、 四威儀の要点をまとめたカードを贈り、今後も継続して坐禅や四威儀のワークを行っていって頂けるようにしています。


7.茶話会
一旦散会した後で、自由参加形式の茶話会の時間を設けています。お茶とお菓子を頂きつつ、参加者同士で交流する時間となっています。毎回この時間は、就職活動に臨む若い方々の、率直な心情に触れることのできる貴重な機会となっています。参加者にとっても、普段の仲間同士では話せない事柄を忌憚なく話せる時間になっているようで、毎回ほとんどの方が参加して下さっています。


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参加者の声
「緊張した時に心を安定させられるので、就活で使いたいと思います」(学部2年男子)
「とても久しぶりに落ち着いた、ゆったりした気持ちになれました」(学部4年女子)
「1,000円という金額でこんなにも充実した中身だったので、申し訳なく思ってしまいました。作った数珠を付けて面接に臨みます」(既卒女性)
「自分を客観視する方法や、不安や悲しみに対応することを学びました。とても役立つと思います」(学部4年女子)


就活生を取り巻く状況について
現在の就活は、それに取り組む人々を孤立した状態に陥らせる場合があります。自殺対策支援団体ライフリンクの調べによれば、「就職活動のことで相談できる相手」として学生からの回答で最も多かったものは「大学の知人・友人」で86.0%でした(※)。
※自殺対策支援センターライフリンク『「就職活動に関わる意識調査」分析結果 記者発表資料』(2013年3月29日)
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/130330_shukatsu_01_kekka.pdf
※2013年12月17日現在 p.4


ところが、その「大学の友人・知人」は、同時に「もっともプレッシャーになっている情報源」でもあるのです(121人中62人=51.2%)(前出ライフリンク調べ参照)。したがって、学生にとって「大学の友人・知人」との関係は、信頼できる一方でともすれば不安定にもなりかねない、両面的なものなのだと言えるでしょう。


実際のところ、就活は基本的に「個人プレイの勝ち抜けゲーム」であり、「勝つ(内定をもらう)」までは一人で戦い続けなければなりません。また同時に、それまで親しかった「大学の友人・知人」も同じ就活生として、ライバルとなってしまいます。


2013年1月16日には、駒沢女子大学進路総合センターの御協力の下、就活経験者への聴き取り調査を実施する機会を得ました。その際にも、「就活だけに集中しようとすると、どうしてもそれ以外の活動や人間関係を排除しがちになってしまう」(学部4年 女子)という言葉が聞かれました。つまり、内定が決まらず長期化すればするほど、就活生は周囲から孤立していくのです。


友人に相談しづらいのであれば、家族に相談すれば良いのではないでしょうか? ライフリンクの調査では、就活中の相談相手として占める割合は「家族」が47.9%とあり、「大学の友人・知人」に次いで多いようです。しかし同時に、「就職活動に関して、保護者からの期待や希望を感じている学生は、69.2%」の多くを占めており、家族からのプレッシャーも強く感じていることがわかります(前出ライフリンク調べ参照)。


「大学の友人・知人」の場合と同じく、自分の家庭も学生にとっては信頼できると同時にプレッシャーを受ける場なのかも知れません。場合によっては、家庭であっても常に緊張を強いられていることも考えられます。実際、第2回の参加者の方からは、このようなご意見も頂いています。
「家でゆっくりしているつもりでも、いつの間にか緊張していることがある」(学部4年女子)
「ここで坐禅をして、普段の自分がリラックスしていないことが初めて分かった」(既卒女性)
このように、就活生は自分の状態――緊張とリラックス――を自覚することも困難な、とてもストレスフルな状況にあると言えるでしょう。


この現状を鑑みれば、若者に精神的な避難所を提供していく必要があることは最早や言うまでもありません。そして、われわれ就活禅実行委員会には、それが可能であると感じています。就活禅では、普段の「友人・知人」や家族とは異なる、同じ就活生同士で忌憚なく話し合える場を提供しています。加えて、一緒に坐禅をし、四威儀のワークを行い、数珠作りをすることで、参加者同士でよりスムーズなコミュニケーションが図れているようです。


2014年2月15日開催予定の「第3回 就活生のための禅講座」に向け、現在、着々と準備を進めています。一人でも多くの若者の方の心と体を休めて力づけ、彼らの人生をより豊かで余裕あるものとしていけるよう、今後も継続して活動して行きたいと考えています。


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■「第 3 回就活生のための禅講座」開催概要

開催日時 平成 26 年 2 月 15 日(土) 13:00~16:00 (12:30 受付開始)
会場 東京都港区芝 2-5-2 東京グランドホテル 5 階 曹洞宗総合研究センター
主催 就活禅実行委員会
参加費 1,000 円 (当日会場にて)
参加資格 就職活動中、またはこれから予定している方
定員 20名
応募方法 「就活生のための禅講座」ブログ(メール)または電話
      Blog: http://syukatsuzen.blog.fc2.com/
      Tel: 03-3454-6843
応募期間 平成26年1月15日~


就活禅ツイッターも(ほぼ)毎日更新中 @syukatsuzen


彼岸寺編集部 (ひがんじへんしゅうぶ)
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