【レポート】メリシャカLIVE 2013(前編:ワークショップ、読経・法話)

【レポート】メリシャカLIVE 2013(前編:ワークショップ、読経・法話)

12月15日、大阪・相愛大学にて開催されました「メリシャカLIVE 2013」に参加してきました。このイベントは、浄土真宗本願寺派若手僧侶によるコミュニティ「メリシャカ」が主催するもので、これまでにも仏教と音楽を「生」で体験できるイベントとして京都で開催されてきました。5回目となる今回は、相愛大学との共催という形で、これまでの京都から大阪へと会場を移し、さらにはより仏教を体を通して感じてもらえるように、ということから、ワークショップなども企画され、これまで以上に盛りだくさんの内容となっておりました。今回はそんな「メリシャカLIVE 2013」の模様を、前後編に分けてお届けしたいと思います。

◯仏教ワークショップ
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今回、相愛大学との共催ということで、会場の大きさが広がったことや、学生スタッフの協力もあり、開演前の時間を利用してワークショップブースが展開されていました。行われていたワークショップは、「腕輪念珠づくり」、「写経体験」に「お香体験」、そして「グチコレ」。

腕輪念珠づくりでは、実際にその場でオリジナルの腕輪念珠が作れるというもの。浄土真宗のお坊さんの中には、自分で念珠を編んだり、お手製の念珠を持っておられる方もおられるそうですが、念珠が自分で作れるということはやはり意外だったようでした。実際に作るときには、少しコツのいる部分もありますが、スタッフの丁寧な手ほどきを受けながら、皆さん上手にオリジナルの腕輪念珠を作っておられました。

写経体験では、「南無阿弥陀仏」と、「仏説無量寿経」というお経の中でも最も大切とされる一節の写経を体験。カラフルな筆ペンや、メリシャカメンバーでもある平野正信さんが消しゴムはんこを準備して下さり、写経をより楽しく体験できるように工夫されていました。そしてなんと平野さんが特別に今回のライブ出演者のイラストも彫ってこられており、Twitterで事前に披露したところ、後藤正文さんのリツイートもあって大反響!会場でも多くの方がこのワークショップに参加され、イベントの素敵な記念となったようです。

お香体験では、お香の香り比べや、高級な沈香の香りを楽しむことが出来たり、浄土真宗本願寺派のお焼香作法のレクチャーもあり、普段あまり身近ではないお香を親しみやすく感じることのできたワークショップでした。会場にもお香の良い香りが行き渡っており、イベントの空間演出にも一役買っていたように思います。

そして「グチコレ」は、なんと「愚痴」を聞いてもらえるという不思議なワークショップ。「グチコレ」とは「グチコレクション」の略で、京都で仏教を学ぶ学生を主体とした有志のグループによって行われ、街行く人々の愚痴を聞いていこうという活動なのだとか。マンツーマンで愚痴を聞いてもらえるという機会は日常にはあまりないこともあってか、男女問わず多くの人が日頃の悩みや不安を吐露していました。愚痴はともすれば弱音とも受け取られ、仏教的にもあまり良いものだとはされませんが、愚痴をポジティブに捉え、気軽に愚痴を言えたり聞いてもらえるという場は、ストレスフルな生活をおくる私たちにとって必要なものなのかもしれません。

その他にも、彼岸寺でもお馴染み「フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン」の池口龍法さんが奥さまと共にフードコーナーで温かいスープを販売しておられました。このスープも、自分で好みの具材や味付けができるという体験型のもの。皆さんそれぞれに好みの味付けにして、冬の寒さで冷えた身体を温めていました。さらに「フリスタ」や「ののさま」といった仏教フリーペーパーも来場者に配布されており、お坊さんや仏教に関わる人たちによる様々な工夫や手だてによって、新しい仏縁が生まれていく気配が感じられました。


◯読経・法話
今回のイベントは相愛大学の講堂を舞台に行われたましたが、この講堂が素晴らしい空間でした。ステージ上には大きなパイブオルガンがそびえ、その前にお釈迦様が説法されることを表現した「法輪」を本尊として安置してあり、お寺とはまた違った荘厳な雰囲気を帯びていました。そして開演とともにお勤めがスタート。なんとパイプオルガンの演奏とともにお坊さん、そして女性の聖歌隊(!)が登場。賛美歌を思わせる敬礼文・三帰依文に続き、短いお勤めを挟んで、再び歌のような念仏と恩徳讃がお坊さんと聖歌隊によって勤まりました。音楽礼拝と呼ばれる今回の読経は、従来の読経から感じられる厳粛さとはまた違った崇高さがあり、一般的なイメージとは違う読経に、来場者の皆さんも驚かれているようでした。

読経に続いて、浄土真宗本願寺派の布教使、宮部誓雅さんの法話も大変やさしいお話でした。日頃私たちはいろんな人からの視線や評価を気にしながら生きていますが、それが息苦しさや生き難さを生み出しています。けれど、一切点数をつけることなく、そのままの私を受けとめてくださる存在=阿弥陀仏(あみだぶつ)がいてくださる。仏さまの前に座るということやお念仏することは、そういう常に評価されているという状態から離れて、私を受け止めてくれる存在の中に身をおけることなんですよーーこのお話を聞いたとき、心がちょっと軽くなったような気がしました。努力することや失敗しないことが求められる社会の中にあって、心をすり減らしてしまいがちですが、私を抱きとってくれる存在がいてくれることによって、息苦しさや生き難さから少し離れていくことができるのかもしれません。


(後編では、釈徹宗氏と後藤正文氏の対談、そしてライブの模様をお届けします!)


「メリシャカ!」http://www.merry-shaka.com/
「グチコレ」http://tarikihongwan.net/category/collection
「フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン」http://www.freemonk.net/


日下賢裕 (くさか けんゆう)
>>プロフィールを読む 1979年、石川県生まれ。浄土真宗本願寺派の僧侶、布教使。 広島大学人文学部東洋史学科卒業後、本願寺派の教育機関である中央仏教学院、伝道院にて仏教を学ぶ。 現在は故郷の山中温泉にて、本願寺派の若手僧侶が作るサイト「メリシャカ」や「彼岸寺」との関わりを通して、仏教を外に発信するとともに、地元の人たちに愛されるお寺作りに挑戦中。