【レポート】梶田真章(法然院住職)×松本紹圭(未来の住職塾塾長)の対談

【レポート】梶田真章(法然院住職)×松本紹圭(未来の住職塾塾長)の対談
11月26日、京都鹿ヶ谷の法然院にて善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)が開催され、梶田真章住職と松本紹圭さん(未来の住職塾塾長)の対談を拝聴してきましたので、ご報告致します。

京都は秋の観光シーズン真っただ中。道路は観光バスなどで大渋滞、寺社近くは観光客で溢れ、どちらも大変賑わっていました。私も車で京都市内を北上し鹿ヶ谷を目指したのですが渋滞に捕まり、特に南禅寺参道前を通る際にはピクリとも動かず、遅刻しそうで心配しました。

なんとか鹿ヶ谷に到着し観光客で溢れる哲学の道を通り抜けて辿り着いた法然院は、紅葉のピークで木々が色とりどりに美しく、多くの参詣者も目を奪われていました。多くの参詣者が訪れているものの境内は少し奥まっているので閑静ですし、お寺らしい雰囲気に満ちていました。 法然院本坊で始まった善気山念佛会、今回はなんと第200回を数えます。それを記念して梶田住職と松本さんの対談が企画されました。その名も『お寺の未来』、まさに松本さんのための企画です。対談に先立ちまずは梶田住職を導師としておつとめをしました。漢文のお経を和文に訳した分かりやすいもので、みんなが一緒に声を出してお唱えすることができました。

その後に始まった対談ですが、ご住職の人柄そのままにアットホームな雰囲気の中で進み、ご住職と松本さんが普段から懇意にしているお陰か、話し手も聞き手も非常にリラックスして集中できました。

対談というよりは梶田住職が松本さんにインタビューする形式となりました。松本さんを知らない方もよく分かるように松本さんの生い立ちから話は展開し、生まれや大学生活で仏教に興味を持ったこと、神谷町光明寺に入ってからの様々な取り組み、インド留学の意義、お寺の住職塾の展望などをお話しくださいました。順を追って丁寧にその時その時の思索を辿るように話は進んでいくので、松本さんが単なるイベントを仕掛けているだけではないことがよく伝わりました。松本さんの描く「お寺の未来」が仏教界だけを変革するのではなく、「日本の未来」を見据えていることが言外に感じられました。

興味深い点は多々ありましたが、特に聴衆が湧いたのは梶田住職が法然院の跡継ぎについて「松本さんのような人に継いでもらいたい。松本さんとは言わないけどね。松本さんのような人」と仰ったことです。聴衆からも歓迎するような声が聞こえましたが、松本さんは「今のところ、どこかの住職になるという発想はないです(笑)」と返されました。

そこから松本さんが今後の展望についてもお話しされました。「住職塾の効果や影響が確かなものになるのであれば、その方法論を海外の仏教界にも持っていけるのではないか。例えば東南アジアの仏教国には受け入れられる風土があるかも知れない」(要約)とお話しされ、どこまでもスケールの大きい視点に聴衆一同が感心しました。

時間を忘れる濃密な対談が終わり、気づけば外は真っ暗になっていました。みんな足早に家路を急ぎつつ、松本さんの話を胸の中で反芻しているように見えました。秋の深まりとともに非常に深い学びとなりました。 合掌

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桂 浄薫 (かつら じょうくん)
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