【レポート】「神仏和合― 今、知りたい神道 仏教のこと」@神田明神

【レポート】「神仏和合― 今、知りたい神道 仏教のこと」@神田明神


2012年8月22日、東京・神田明神にて「神仏和合― 今、知りたい神道 仏教のこと」を開催しました。当日は、神職12名、僧侶18名が参加し、笑い声の絶えない和やかな雰囲気で、活発な情報交換が行われました。この会を主催した友光雅臣さん(常行寺、『向源』主催)より、イベントリポートを寄稿いただきました。



神道と仏教が積み上げてきた歴史を"知る"

神仏和合@神田明神 巫女舞
まずはじめに、主催者友光より「子供が生まれたらお宮参り、七五三で神社へ行って写真撮って、お盆に実家帰ってお墓参りがあって、地元のお祭りの太鼓の練習して友達作って、神輿担いで親父の背中を追い抜いて、新年は初詣行って、親が亡くなったら葬式に坊さん呼んでお経上げてもらう。そうやって地域とのつながりや親との付き合い、先祖とのつながりを作ってきたのが今の日本人と信仰、心の姿だと思います。お互いが長い間積み上げてきた歴史を知ることで、今後の個々の活動に活かせる視点やアイディアを持ち帰って下さい」という旨の挨拶の後、手水をとり、神田明神本殿にて正式参拝を行いました。

 
お祓いと共に雅楽の演奏と巫女舞を奉納していただき、神社での参拝作法として玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法を教えていただきました。

参拝の後は、神田明神の権宮司である清水さんによる「神社概説セミナー」です。近代における神道、神社本庁の成り立ちや、神社と寺院の数の比較、神職と僧侶の数の比較などが示され、全国のコンビニの総数が四万店ある一方、八万社を持つ神道と七万七千の寺院を持つ仏教で協力関係を作れれば、それは日本にとって大きな力になるという前向きなご意見をいただきました。


お坊さんが神職さんに聞きたいことは?

 神仏和合@神田明神 グループディスカッション
グループディスカッション(テーマを決めて班毎に意見をまとめるというものではなく班に分かれて僧侶から神職の方への自由な質問タイム)では、40分という短い時間でしたが、各版からふだんは聞けないような突っ込んだ質問が行われていました。

・神道では亡くなられた方の魂がどこへ行くのか?
・廃寺になるお寺がありますが、廃神社はありますか?
・神職の方の階級の差や見分け方を教えて下さい。
・神職の方も世襲が多いのでしょうか?
・女性の宮司さんは居ますか?
・グリーフケアなどに神道はどういう関わり方をされていますか?
・全ての神社に共通する教義はありますか?
・悩みを持った参拝者の方に対してどういった話し、働きかけをしていますか?

共通する気づきとしては、お互いが勝手な思い込みでお互いを定義付けしていただけで、実際に顔をあわせて話をしてみると遠いようで近く、また多くの違いがありました。

たとえば仏教では、宗派により異なりますが「亡くなられた方の魂は浄土へ行かれる」「悪いことをしたり戒律を破ればさまざまな地獄がある」「六道輪廻から抜け出せない」などと言われています。しかし神道では良い人も悪い人もみな「私達が居るこの世界で神様になっている」「前世や来世の観念もないし、善悪で違う神様になることもない」とのことでした。

また、「教義や経典のない中で、悩みや苦しみを抱えてお参りに来た方へは神道ではどういった言葉をかけていますか?」との質問には、「仏教が死や苦しみに寄り沿うとするならば、神道は生や喜びをわかちあう場所。だから悩み相談やグリーフケアに積極的に対応はしていません。お宮にお詣りいただき、自然の風景やお宮の姿から癒しや落ち着きを取り戻してもらえればいいですね」と、僧侶側からするととても意外な回答も。

仏教が経典や開祖をルーツとし「言葉や教義」によって人々と接していくのに対して、神道は「お祭りや自然の営みの中で感覚的」に癒しや人とのつながりを発生させているという点に違いの根源があるように感じました。


次回は「神職さんからお坊さんへ」の質問を予定

 神仏和合@神田明神
その後の懇親会でも話し足りない神職と僧侶が賑やかに話し合っていました。
今後継続開催していく中で、今までの日本にはなかった新しい神道と仏教のアクションを生み出していけそうな、多くの可能性が見えた第一回「神仏和合」でした。

次回は寺院で神職からの質問に答えます。仏教では宗派による見解の違いなどありますが、あえて最大公約数的な意見に終始せず、「うちの宗派ではこう言っている」「その上で私はこのように解釈し、檀家さんにはこう伝えています」といったように個人個人がいかに教義を受け止め、実践しているのかを神職の皆さんにお見せ出来れば、多少遠回りであっても、より深い理解と気づきが得れるのではと期待しています。


今後の神仏和合にご期待ください!



彼岸寺編集部 (ひがんじへんしゅうぶ)
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