東本願寺・井上雄彦氏の描く屏風「親鸞」

東本願寺・井上雄彦氏の描く屏風「親鸞」 初夏の爽やかな風の吹く5月18日、京都は東本願寺に、井上雄彦氏の描いた屏風絵、「親鸞」を見に行ってまいりました。この屏風は、東本願寺が「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」を記念して井上氏に依頼したもので、期間限定で東本願寺にて無料公開されており、この日が公開第二期の最終日でした。

東本願寺の御影堂門をくぐり、境内に入ると早速整理券を受け取って、屏風が展示されている「大寝殿(おおしんでん)」へ。公開第一期には二万人もの人が訪れたと聞いておりましたが、この日は平日ということもあり、それほど人は多くありませんでした。それでも、修学旅行と思しき制服を着た学生たちが来ていたりと、井上氏の影響力の大きさを感じました。

「大寝殿」という建物は、通常は公式行事や儀式に使用され、現在でも報恩講のお斎(とき)の接待に用いられる、格式ある建築物。その広い広いお座敷の一角に、まだ真新しさを感じる屏風が飾られてありました。

大寝殿に入り、屏風に近づいていきますとまずその大きさに驚かされます。六曲一双という、二隻の屏風から成るこの「親鸞」という作品。墨で描かれるその作品は、まさに大胆かつ繊細。一般に見られる水墨画とは、また違った独特の雰囲気が感じられます。

その一対の屏風のうち、右隻には、川、あるいは泥の中をもがくように進む人々を導くように歩む若き親鸞聖人が描かれております。人々と共に泥の中を歩むそのお姿は、様々な苦悩に喘ぐ人々をどうにかして救いたい、けれど自らもまた迷いの中にあり、必死に真理を追い求めている姿のようでした。もう一つの左隻には、凛とした涼やかな佇まいの親鸞聖人が描かれております。その涼やかなお姿は、念仏の教えに出遇い、迷いの晴れた表情に見て取れました。実際に、井上氏がどのような場面をイメージされたのかは定かではありませんが、いろいろな物語を感じることができる、素晴らしい作品でした。

現段階では、次の公開があるかなどの発表はありませんが、5月19日より5月28日まで、
「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」の第3期の法要がお勤まりです。境内のおみやげコーナーでは、屏風「親鸞」のポスターやポストカードなどの関連グッズも販売されておりますので、ぜひ一度この機会に、東本願寺にお参りされてはいかがでしょうか。

なお、屏風「親鸞」の関連グッズの収益金は、すべて東日本大震災の被災者支援の義援金として日本赤十字社に寄付されるそうです。

【関連リンク】
東本願寺 http://www.higashihonganji.or.jp/
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日下賢裕 (くさか けんゆう)
>>プロフィールを読む 1979年、石川県生まれ。浄土真宗本願寺派の僧侶、布教使。 広島大学人文学部東洋史学科卒業後、本願寺派の教育機関である中央仏教学院、伝道院にて仏教を学ぶ。 現在は故郷の山中温泉にて、本願寺派の若手僧侶が作るサイト「メリシャカ」や「彼岸寺」との関わりを通して、仏教を外に発信するとともに、地元の人たちに愛されるお寺作りに挑戦中。