偏りのない世界を

偏りのない世界を


おはようございます。松島靖朗です。


光栄なことに、メディアの方が奈良の田舎のお寺まで足を運んでくださる機会があります。本堂にお詣りいただき、畳一畳に座布団を二枚敷いて、向かい合いながらあれこれとお話するのが僕のお寺のお・も・て・な・し、おもてなしです。あれこれとお話しながら、油断をしていると、いったいぜんたい「あなたは何を考えているんですか?」とインタビューのプロは聞いてこられます。


(えらい直球やな〜、まいったな〜、なんにも考えてないよ・・・)なんて思いつつ、あれやこれやとやってきたこと、いまやっていること、これからやろうとしていることをお話していると不思議なもんで、「僕はこんなことを考えていたんだなぁ」と頭の中が整理されてきます。


自分のことを人に伝えるはずが、自分が自分に気付くという時間になっています。


インターネットに関わりながら僕がやろうとしていたことは、「情報と人」・「人と人」・「モノとカネ」をつなげることで付加価値を創造することでした。価値そのものを提供する場合もあれば、価値を生み出す場を運営することもありました。


お寺に戻り仏道生活を過ごしていますが、自分がやっていることといえば...つまるところ、仏の教えと人をつなげることで安心という付加価値を生み出すということです。


そのように考えれれば場所は変われど、髪型は変われど(笑)考えていること、やっていることは何も変わっていないのです。



この夏、彼岸寺発の東北支援活動として、古本勧進をスタートしました。きっかけはご遺族から寄進いただいた蔵書をどうしたものか...という個人的な悩みからでしたが、多くの方にご賛同、ご支援いただき全国展開に向けての段取りが整ってきています。


古本勧進のご報告 〜東北の子どもたちへ〜
http://www.higan.net/news/2013/10/post-36.html


そして今は次の種を蒔いている最中です。シングルマザーを支援する取り組みでこちらも古本勧進同様、全国のお寺さんにご賛同頂ける活動になればと企画中です。


お寺を中心にその周りを取り巻く生活圏・経済圏を見渡してみると、お寺には社会問題を解決するソリューションがまだまだたくさん眠っています。徳川埋蔵金は掘っても掘っても出てきませんが、(また糸井さんやってくれないかなw)お寺には課題解決のための資源やネタがゴロゴロ転がっているのです。


こうして改めて自分がやっていることを棚卸してみると、世の中にある偏り、あるところには沢山あり、あるところには全くない、そのようなヒト・モノ・カネの偏りをなくしていくことに集約されます。まさにこれが僕のやりたいことなのかもしれません。


悲しいかな経済状況を中心に格差社会はこれからもあちこちで問題が出てくることでしょう。格差の原因を突き止める、格差の生まれない社会を作ろう!というアプローチはあまり現実的ではないと思います。そうではなくて、生まれた格差、偏りを知り、把握し、どう修正していくか、そこに着眼していくことが大切でしょう。


やや後付の発想ですが、仏教では偏らない考え、行動という意味の中道(ちゅうどう)を説きます。中道には苦しみの原因となる執着がないのです。中道がどこなのかは僕自身まったくもってわかりませんが、偏りのない世界を作ることが、中道を目指す修行になるのではないかと感じる今日このごろです。今後とも彼岸寺発の社会問題解決企画にご期待ください。


今日も彼岸寺にようお参りくださいました。合掌 南無阿弥陀佛 松島靖朗拝



松島靖朗 (まつしま せいろう)
>>プロフィールを読む 浄土宗法性山専求院安養寺副住職。1975年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、9年間のITビジネスマン生活を経て奈良県にある実家のお寺に戻り浄土宗僧侶として修行の日々を送る。旅行・登山・サーフィン・温泉・美味しい物が好きで毎朝読経のあとの日経新聞が欠かせません。