「今を生ききる」ってどうやるの? ー今年の向源に向けてー

「今を生ききる」ってどうやるの? ー今年の向源に向けてー 彼岸寺をお参りの皆様、お久しぶりです。
年に一度「向源(コウゲン)」 という寺社フェスを主催している天台宗僧侶の友光雅臣(トモミツガシン)です。
滅多にブログを更新しないのではじめましての方も居るかもしれません。
また覚えてくれている人がいたら嬉しいです。ほんとにご無沙汰していました。

日差しが温かい日も増え春の訪れを少しずつ感じるようになってきました。春とともに5年目となる向源の季節が近づいてきました。
今年からこの彼岸寺での連載に加え、アメリカ発のウェブメディア「ハフィントンポスト」でも連載を持たせていただくようになりました。今年の向源に向ける思いや、そもそも何故僕が向源を始めたのか、向源で伝えたい思いはどんなものなのかについて、初めましての方が多いハフィントンポストに投稿させていただきました。なのではじめましての皆様には是非このハフィントンポストの記事をご覧頂けたら嬉しいです。

前編 向源――それは超宗教・超宗派な日本ならではの寺社フェスです

後編 未来はあなたの手の中に――寺社フェス「向源」のテーマ

さて、今年の向源のテーマは「未来はあなたの手の中に」です。

去年の「過去に学び、未来を信じ、今を生きる」というテーマでの向源は大成功でした。
50本近い様々な伝統を体験するワークショップ、トークショー、お経のライブを通して、来場者の皆様に日本の文化、精神性、価値観を体験していただく事が出来ました。1000名という目標に対して2000名以上の来場を頂き、当日券が次々に売り切れてしまって、体験したい!という皆様の熱意に応えきれない事態になりました。そこで今年は二日間開催にし、より多くの方々に向けて気付きの体験を提供させていただきます。
二日間の目標は5000名。でも一つ一つのワークショップは10名、30名という小規模なものです。一人一人がしっかりと歴史に培われた本質を噛み締める事が出来るようにしています。

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「未来はあなたの手の中に」

仏教は今を生きる事を何より大切にしています。変えようの無い過去よりも、どんなに思い悩んだって先回りできない未来よりも、今をしっかり生きよう。地に足つけて今をしっかり生ききれば、過去も未来も自然とうまく回るさ。仏教はそんな風に僕の背中を押してきてくれました。だから本当は「今を生ききる」と宣言した方がお坊さんらしく、仏教らしいのかもしれません。

でも、「今を生ききる」ってどうやるの?

朝から晩まで無茶苦茶働けば良いの?効率化しまくって生産性を上げれば良いの?山にこもって修行すればいいの?
今を生ききるってシンプルに言うけど、分かりづらい。

で、僕は考えたんです。まず僕は今を生ききっているのかと。過去に学び、未来を信じ、今を生きているのかと。答えはYES。理由は今の僕は今と過去と未来がスパッと一直線になっていて、あとはもうやるだけっていうマインドに入っているから。でもなんでそうなったのか。色々な文章でそれを説明する事が出来るのですが、友達とのチャットで一番気付かされたことがあったのでそれをそのまま引用します。チャットのままなので発想を思いつくままにやり取りしていて分かりづらい部分も有るかもしれませんがご了承ください。

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友人(以降A):向源の音楽コンテンツ、大トリはやっぱ声明だと思うよ。
       そこまでどうヒートアップさせるかが ええんでないかな。DJ的に考えてさ。
       声明ってメッセージ性とか都度変わんの?
友光:意義は都度変えれるね
A:怒りとかも表現したりすんの?
友光 :種類的には、お願いか、懺悔か、誓いか。あとは感謝や修行のため。
A:ヒップホップやね
友光 :お経は感情表現ではないね。
A:万人が分かる歌詞とかあるわけでもないしなー。昨年てなんかテーマあったの?
友光 :過去に学び、未来を信じ、今を生きる。
A:そーかそれか。じゃあ今年は未来は君らの手の中よー、って感じか
友光 :そう、一人一人が主役なんだぞってとこに絞った。
   昔の人ってすごいねーってイベントじゃないよって
A:どういう人間が未来に希望持ちたいんだろうね。
  わし、独身やから割と焦りある。あんま考えないけどさ。
  子どもいると未来のこと真面目に考えられるじゃん。
  子ども作りなさい、というテーマとして受け止めるか
友光 :それはほんとそう、俺もそれで変わった。
    子供生まれて一ヶ月で震災とかそりゃ未来について考えるよ
A:凄いタイミングやな。タイミング大事
友光 :これくらいのほうがシンプルかもね。向源をやる理由。
A:それはええかもしんないね。そこかもしんないね。
      家族作ろうってメッセージ言ってる人、意外と少ないな、福山雅治くらいか
友光:家族と子供が刺さってるね。
A:独身だからね。結婚したら地獄というのが定説化してるけどね。
     年老いたらもっと地獄なんだけどね。んじゃ、向源それでよろしく
友光:産めや増やせや
A:恋をしようよ、で!声明ラブソングだよ。
友光:うん、おやすみw
A:意外と本質かも。おやすみなさい(そこを狙って仏前結婚式か...)

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なんとなく伝わったでしょうか?


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お釈迦様が生きていた時代。苦行を貫いて悟った修行者たちは皆、たった一人の弟子にそっとその悟りの境地を伝えて自殺していったのだそうです。悟りを得た以上、もはやこの世に生きる理由なんて無いと思ったのかもしれません。また、その悟りは万人に理解される事は無いだろうと思ったようです。お釈迦様も菩提樹の下で悟りを開いたとき、これは誰にも理解されないだろうと考えました。しかし梵天からどうか説法してくださいと言われ、とってもとっても悩んだ後に、人々に説き、教団を作りました。こうして「仏」様から語り継がれてきた「教」えが「仏教」になりました。その仏教のお経の中で僕が凄く好きな言葉が有ります。それは「我が滅後」(私が死んだ後に)という言葉です。これは教えの前置きとしてお釈迦様が言う言葉で、深い意味は別に有りません。文字の通りです。

例えばこんな風に使われます。

「私が死んだ後に」こんなトラブルがあったら、
「私が死んだ後に」こんな悩みがあったら、
「私が死んだ後に」こんな困難が訪れるだろうから、
「私が死んだ後に」。。。
「私が死んだ後に」。。
「私が死んだ後に」。

お釈迦様も、未来のことを考えていました。
今だけじゃなく、未来も救おう、自分が死んだ後の世界も救おうと。
自分が生まれ死ぬまでだけでなく、未来の世界にも責任や役割を感じた。
だから人に説いた。「私が死んだ後に」と切なる言葉を残した。

生ききってる。

自分が死んだ後の世界の事も考えて今を生きる。僕も子供を持ち、震災に遭ったときに"人生"のリーチが広がりました。この子が見る今の世界と、この子が子供を育てる未来を少しでも良くしたい。そう感じるようになりました。お金の使い方も変わったし、良いと思う物も変わりました。嬉しいと感じる事も変わりました。それまでが生ききっていないとは言わないけど、"人生"が変わりました。
お釈迦様が誰かの悟りと、滅後の世界をイメージしたとき"説法"が生まれたように、子供と震災が、僕に向源を与えてくれた。そして向源で伝えたいのは、そんな感じのこと。未来を信じ、未来を掴む為に、今を生ききろう。その為のビジョンとか、方法を一緒に考えよう、身につけよう。それが仏教でなくても、神道でも、日本の伝統でもいい。どれも多くの事を与えてくれるけど、僕らはそれらの良さを知らなさすぎるから、まずやってみよう。ストレートに言うとこれが今年の向源です。

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3月中旬にチケットの発売を開始する予定です。また近日中にボランティアスタッフの募集を始めさせていただきます。また今年から向源にご協力いただけるお坊さんも募集します。今までは僕と直接縁のあるお坊さんにご協力をいただいていましたが、向源を共に運営していく中にはそれぞれのお寺や地域活性に活かせるノウハウが沢山詰まっていると思います。そういう意味で運営スタッフとしてイベント経験ゼロからでも挑もうというお坊さん、またお坊さんと話そうブースで来場者様と心のこもったお話をしてくれるお坊さんを募らせていただきます。向源には日本中から魅力的なお坊さん、神主さん、クリエイター、作家さんが集合してくれています。是非この祭りに参加していただき、このムーブメントを各地へ拡散していただける事が僕らの最高の喜びです。

未来はあなたの手の中に。

今年も向源が動き始めました。ゴールデンウィークの二日間、皆様のご来場とお手伝いを心からお待ちしています。
また関東圏にお住まいでない方も、向源の情報拡散をお手伝いいただけないでしょうか?日本各地に、世界中に、生まれ育ったその街を、この世界を良くしたいと思っている若者が居ます。そんなまだ見ぬ仲間と向源を出会わせるは、向源を遠く感じている皆様にこそ出来る事です。広報にかけるお金があまり無いというのもあるのですが、、、なにとぞ情報拡散をお手伝いください!

彼岸寺へお参りの皆様、僕と僕の仲間とで今年も頑張ります。
これからこんな感じで、もし今日僕が死んでも、誰かが意志を継いでくれるような切実な言葉を僕なりの精一杯で残し続けていこうと思います。それが生ききるということかなと、今は感じています。向源まであと60日とちょっと。たかだか二日間、仲間と遊び場を作るだけの事です。でも、これだけの思いと覚悟がなきゃ、遊び場一つ満足に作れない世の中です。だからこそ二日間だけでも、そんな世の中を変えたいと思ってます。応援してください。お願いします。頑張ります。


今日の一曲
Moderatで "Bad Kingdom - DJ Koze Remix"です。
去年の11月8日〜17日までイタリアのローマとトルコのイスタンブールへ一人で旅に出ていました。ローマとバチカンではキリスト教のカソリックとプロテスタントの歴史。イスタンブールではギリシャ正教、カソリック、イスラム教へと宗教と文化の主権が変化していくさまと、急速な資本主義による心の変化を感じました。さて、そんな旅のイスタンブールでの最高の思い出はガラタサライスタジアムで観たトルコ代表VSブラジル代表のサッカーの試合とクラブで踊った夜です。なかでもindigoでROBAG WRUHMEがかけたこの曲が最高でした。超歌ったし超踊った。良い曲です。



「向源 ー未来はあなたの手の中にー」

■日 時 2015年5月2日~3日(土日) 11時~21時 
■場 所  浄土宗大本山 増上寺(東京 芝大門)
■向源公式HP http://kohgen.org 
  FacebookPage http://www.facebook.com/kohgen.jp  
  Twitter https://twitter.com/kohgenorg
  Instagram https://instagram.com/kohgen2011/

■主 催  一般社団法人 向源 
■共 催  浄土宗東京教区青年会
■料 金 ¥1000~(向源HPにて3月中旬よりチケット発売予定!)


お坊さんも怖がるお化け屋敷を作りたい!クラウドファンディング実施中!(3月31日まで!)
https://readyfor.jp/projects/obake_kohgen

ハフィントンポストでも向源ブログ連載中!
http://www.huffingtonpost.jp/kohgen/



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友光雅臣 (ともみつ がしん)
>>プロフィールを読む 1983年生。大正大学卒。2008年天台宗比叡山での修行を終え、東京・常行寺の僧侶になる。2011年より音楽を軸とした仏教総合イベント『向源』2012年に対話イベント『お寺で対話する夜』神職と僧侶の勉強会『神仏和合』を開催。