第5回 突撃! ひとさじの会の巻(上)

第5回 突撃! ひとさじの会の巻(上)
皆さんはボランティア活動というとどんなことを思い浮かべるでしょうか?
東日本大震災以来、ボランティアという言葉が大変ポピュラーになっています。
ボランティアに参加される方々は「大変なことになっている場所に行って少しでも力になりたい」「少しでも助けたい、力になりたい」そんな思いで参加されていると思います。

しかし、東日本大震災が起こる前から、困っている方々に向き合い、あるいは共に、困難を乗り越えるお手伝いをすべくボランティア活動をしているお寺や団体はあったのです。
今回取材させていただいた「ひとさじの会」も、困難に出会い路上生活を余儀なくされておられる人々に向き合い寄り添ってきた団体の1つです。
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ひとさじの会とは、浄土宗の僧侶たちがつくった団体で、正式名称を社会慈業委員会といいます。「本当に食べることも満足にできず困っている人に、せめてひとさじの重湯でもさしあげたい...」という、人として「いてもたってもいられない思い」が集まってひとつの会となって動き出したような、困った人にあくまで寄り添う態度を主眼に置いた集まりです。

そこには「してあげる」とか「助けてあげる」などという恩着せがましい態度は一切ありませんでした。まるで我がことのように思いながらも、できることの少なさにいら立ちを感じながら、ただ今できることを淡々とさせていただく真摯な人々の姿がありました。

そこに集まる一般のボランティアさんは年齢も職業も国籍もバラバラ。でも、不思議な連帯感があり、和気あいあいとおにぎり作りの作業が進みます。場の雰囲気も大変良く、予想以上の充実感がありました。
もしかしたら、人は自分以外の人の幸せのためにたとえほんの少しでも何かできる時、本当に幸せを感じるのではないか...そんな思いを持ちました。

実はボランティアをする側と受ける側での隔たりをなくす事が、仏教でいう「我執」を離れるということになるのではないだろうか?ボランティアに参加させていただいて、そんな思いが湧いて来ました。

「人のために」と言うより、自分と向き合い相手の中に自分を見ること。私にとってボランティアは、切り離された他者に対するものではないと感じました。


悟東あすか (ごとう あすか)
>>プロフィールを読む 高野山真言宗西禅院徒弟。少年ジャンプサマースペシャル号で「究極!!!受験BOY」でデビュー以来、僧侶の資格を持つ漫画家として様々な媒体に寄稿している。新刊『幸せを呼ぶ仏像めぐり』(二見書房)が発売中。