2008年11月16日

今、子育て系のテレビ番組の取材を受けているのですが、その中でこんな質問がありました。

「幼稚園などで、将来お子さんが『お父さんのお仕事はなんですか?』って聞かれたら、どう答えるように教えますか?」

これには、KAKUもわたしも一瞬固まってしまいました。
うちの子はまだ2歳なのでそういう場面に出くわしたことはないのですが、いずれ必ず通る道ですよね。それでとっさにあれこれ考えたのですが、いい答えが見つかりません。「お父さんのお仕事は?」に対しては、「お坊さんだよ」とすぐに言えるのですが、「お坊さんて何する人なの?」と聞かれたら、どう答えたらいいのかわかりません。

少し前に、KAKUがお坊さん仲間とそんな話をしたことがあるらしく、そのときちょうど幼稚園くらいのお年頃の子を持つお坊さんが、「いろいろ考えた結果、お坊さんは『ポクポクチン(お経のときの木魚などの音)する人だよ』ということになった」と言ったそうです。ところが、その場にいた他のお坊さん達からは、「いくらなんでもそれはないだろう!」と一斉ブーイング。でも、そうは言っても、誰もお坊さんの仕事を幼い子に分かりやすく説明できる言葉を、他に見つけられません。

お坊さんの仕事って、何なんでしょう?
特に浄土真宗では、お坊さんにとって最大にして唯一の務めは、お経(念仏)を唱えることだと言えます。でも、けしてそれだけしているわけではないですよね。お寺やお墓の維持・管理もするし、宗派や近隣のお寺との会合もあるし、法事や葬儀の際にご門徒さんの食事の手配をしたり、片づけをしたり、個人的な相談を受けたりもする。
でも、よく考えれば、それはお坊さんがしていることであると同時に、お坊さんの家族がしていることでもある。
また、お寺や僧侶であるのとは全く関係ない場面での言動であっても、その根底にあるのは自らがお坊さんであることによる意識だったりする。
この彼岸寺の活動だって、お坊さんであるからこそのものだし、その中でメディアの取材を受けるのだって、お坊さんでなければあり得ないことですよね。
「お坊さんの仕事」というのは、なんだかつかみどころのないもののような気がしてきました。お坊さんにオンとオフがないことと関連しているのかもしれませんね。

そこで、この場をお借りして皆さまに公開質問!

お坊さんへ。
「お坊さんて、何をする人ですか?」

お坊さん以外の方へ。
「お坊さんて、何をする人だと思いますか?どんな説明がわかりやすいですか?」

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コメント (8)

青江 美智子様

手を合わせる仕事だと思います。
小さなお子さんの言葉でいうなれば「まんまんちゃん、あん」ということではないでしょうか。

どんなことが起きようとも、全てはご縁(禍福共に)のなせる事として、全てに感謝の心を持つ仕事だと思います。
誰でもでき、誰でもわかっている事です。しかし、頭でわかっていてもなかなか実行できない。しかし、それを旨として一所懸命に歩んでいくのがお坊さんの仕事だと思います。
その行いが大地となり、有縁無縁の方々との関わりという山河草木への還元ではないでしょうか。
山河草木は大地がなければ育ちません。また、山河草木がなければ、大地は大地として存在できません。しかし、草木は生きることをきそいます。しかし、大地は分け隔てなく、命を育みます。
お坊さんは、分け隔てのない縁への感謝という手を合わせる仕事だとおもいます。

智修房拝

坂本州栄:

年配の方がおっしゃっていたのですが、ある集まりの時に「最後にお坊さんの方から一言」という場面があったそうです。そのお坊さんはまだ若く、その場所には世間で言う偉い人もいたのですが、最後の言葉はお坊さん。
その言葉を言うために普段暮らしていらっしゃるような気がします。
失礼な言い方をすれば無内容な言葉でもかまいません。
「一言」が必要な場面は暮らしているとしょっちゅうあるのです。

JJ:

在家から浄土真宗のお寺に嫁いだ者です。
私もよく主人と「お坊さん」の仕事、立場、意義etc.. を話します。それと同時に、お寺の奥さんのあり方についても。
みちこさんの質問について考えてみましたが・・わかりません。まだお寺に嫁いで8か月。いつかわかる日がくるでしょうか。
余談かもしれませんが、お寺の奥さんの仕事についても考えてしまいます。奥さんの仕事は法要の手伝い、庭掃除、庫裡の掃除、来客対応、電話番、留守番、お金の管理などなどたくさんありますが、会社勤めのようなはっきりした「仕事」ではないところもあるので専業主婦扱いなのかな??と考えてしまったりします。専業主婦になりたいと思ったことは今までに一度もないので、もやもやした想いもあります。

最後になりますが、みちこさんお体に気をつけて。ブログの再開を待ち望んでいました!

まや:

はじめまして。
初めてコメントさせていただきます。

たまにこちらにお邪魔させていただいておりました。

我が家も浄土宗のお寺です。
子供たちは上が中学生、下は幼児までと3人おります。

先日、中学生の子供にお坊さんってなにをしてると思う?と聞いたところ
「お葬式したり、法要したりすること?」
というような返事が返ってきました。

なるほど、子供たちに見えているのはそれだけかもしれません。
普段は学校に行っているので、檀家さんたちとお話しているところや、活動も内容も知らないのです。
あわてて説明をしたのですが、ピンとこなかったようです。

お坊さんってオンもオフもないと言ったところで、普段は普通のパパとして遊んだり、話したり、はしゃいだりしているので、中学生といえどもよく理解していなかったようです。

主人は笑っていましたが、将来もしかしたら僧侶になるかもしれない息子には理解してほしいな~と思ってしまう欲張りな母です。

初対面な上に、長文失礼しました。
これからもお邪魔させていただきます。よろしくお願いします。

蓮誓:

お坊さんの仕事は、仏様のお言葉を人々に伝え、生きる指針にしていただくことです。
浄土真宗の布教使さんが、法話のとき、「お取次ぎをさせていただきます」と言われるのは、このことです。

何のためにお経を読んでいるか。仏様のお言葉だからです。
仏様をこの世で一番大切な方とあがめ、仏様にいいわけできない生き方はしないと、人々に伝えることが何より大切です。
仏様に見守られている安心感を人々に伝えることが一番の仕事です。
仏様のお言葉を伝えるのは、むずかしいことです。だから、得度習礼のとき、一生勉学に励むようにと、言われるのです。

お寺は住職個人のものではありません。門信徒すべての方のものです。
住職一家は、いわば別荘番のようなものです。だから、onもoffもなく、家族全員で御門徒のお世話をするのです。

みちこ:

>コメントくださった皆さま

”子供を相手に”お坊さんの仕事を説明するのって、本当に難しいですよね。手を合わせること、仏様の言葉を伝えることなど、いずれもそれが事実だし、真理です。
でも、例えば学校の先生が幼稚園くらいの子共に自分の仕事を説明するとき、「お父さんは中学校で理科を教えているんだよ」とは言っても、教育者としての理想や理念を語ったりすることはないでしょう。これが、農業や製造業のように形に残って目に見えるものに携わる仕事だと、もっと伝えやすいのですが・・・。
余談ですが、わたしが結婚前に勤めていた保険会社の上司は、「転職するならメーカーに行きたい!」と言っていました。金融という漠然としたものではなく、手で触れられるものを扱う仕事に憧れていたそうです。

そもそもオンとオフがなく、”業務”という考え方からも外れることの多い「お坊さんの仕事」を一言で表すこと自体がナンセンスなのかもしれません。でも、そういう性質を子供達が肌で感じ取れるほどに成長するまでは、何かわかりやすい言葉にして伝えてあげなくてはいけない場面に出会うことがあると思います。

お坊さんの仕事を子供に説明する。
これは、しばらく我が家の課題になりそうです。

蓮誓:

仕事というものが目に見えて、分かりやすいものだけしか、子供には分からないというのは、違うと思いますよ。
子供といっても、どの年齢かにもよりますが。
お父さんの仕事という意味が分かる年齢だと、子供は思ったより理解力があります。
そして、しっかり大人の行動を見ています。
学校の先生で、理科(ほかの教科でもいいですが)を教えている人がお父さんだと、生活のうえでも、教育理念はおのずから出てきています。

お寺のお子さんなら、両親が毎朝きちんとおつとめをし、仏様をうやまって生活しているのかどうかをしっかり見ています。
朝晩のおつとめをし、勉強し、檀家の方のお世話を誠実につとめている姿を見て、お坊さんとはどういうことかを学んでいくと思いますよ。

さやか:

初めてコメントさせていただきます。
結婚前から拝見させていただき本も読ませていただきました。

私は曹洞宗の庵寺に嫁に入りました。

「お坊さんは何をする人ですか?」

私は「宗教家」だと思います。
宗教はいろいろありますが、総じて布教活動をしています。仏教はそうゆう活動が目立たなく、「お坊さん=葬儀」のイメージが強いと思います。

私の夫も僧侶ですが、自分の仕事を葬儀の仕事だといいました。

その意見に私は反対ですが・・・

宗教家として仏教をとおして「人に教えを説く」のが仕事だと思います。

9月に出産し、現在2か月の男の子を育てています。
みちこさんお体大切に、無事元気な赤ちゃんが生まれますように。

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みちこ
ふつうのOLから思いがけず浅草のお寺に嫁ぐ。子どもと旦那(お坊さん)の世話に追われながらお寺を切り盛りする忙しい日々。