さきほど、買い物の帰り。赤ちゃんを左手に抱き、右手に買い物袋を抱えて、タクシー乗り場へ向かっていました。あと少しで乗り場に着くというとき、向こうから和服姿のお坊さんが、やはりタクシー乗り場をめがけて走ってきました。このまま行けばわたしのほうが先に着くけれど、どうしよう、譲ったほうがいいかしらと一瞬悩んだとき、そのお坊さんと目が合いました。すると、彼はそのままタクシー乗り場を通り越し、乗り場に並ぶよりも先にタクシーをつかまえられる場所まで走っていったのです。そして、すぐにやってきたタクシーに乗り込むと、乗り場の先頭に並んだわたしの前を走り去っていきました。
わたしのすぐ後ろに並んでいたおじさん二人組が、「坊さんが先に乗っちゃったね。あなたのほうが早く並んでたのに。」「ロクでもねぇ坊さんだな。」と、声をかけてきました、わたしも、さすがに今のは感じ悪いよね、と苦笑いしつつ、「でも、お坊さんが遅刻すると大変ですからね」と、返事をすると、「そりゃそうだよなぁ!」「師も走るってのは、まさにこのことだなぁ!」と、おじさんたちも笑っていました。
あのお坊さん、そのときの格好や時刻からして、たぶんお通夜の席へ向かうところだったのだと思います。だとすると、たしかにお坊さんが遅れると大変です。これがお通夜ではなく葬儀だったりすると、火葬の時刻にも影響しますから、どちらのお坊さんも、通夜・葬儀のときには時間に相当の余裕を持って移動するようにしていると思います。あんまり時間ギリギリでも、着物では大股でダッシュしたりできませんからね。
それなのに、そんなお坊さんが小走りに駆け、ちょっとマナーの悪い行動に出てしまうのは、なるほどこれが「師走」といわれる所以。何とはなしに気忙しい年末の一コマでした。