ダメだ。年が明けてからあっという間にひと月が過ぎ、お正月に何をしたかも記憶が危うくなってきました。そこをどうにか掘り起こして、我が家のお正月についてご紹介します。
除夜の鐘が鳴り終わり、午前0時になると住職夫妻の部屋に「あけましておめでとうございます」と挨拶に行きます。いや、別にそんな三つ指ついてとかではないんですが、紅白も終わり、「スーパーマン・リターンズ」も見終わったらちょうどいい時間だったので。いちおう年越し蕎麦を食べ終わって各自部屋に戻るときに「おやすみなさい」「よいお年を」とは言ってくるのですが、毎年なんだかんだいって0時ちょうどに挨拶しています。今年は赤ちゃんを起こして挨拶に行ったら、「何してるんだ、早く寝ろー」と叱られてしまいました・・・。
さて、新年最初はもちろんお雑煮!我が家は、鰹ダシにほうれん草、里芋、鳴門といったラインナップ。去年までは義母が住職好みのしっかり味で仕込んでくれたのですが、年明けから赤ちゃんの離乳食を始める計画だったため、ご存知料理坊主・KAKUが、今年からお雑煮係で張り切っています。ちなみにおダシは、野菜を中心に鶏がらや貝柱などを使った10種類くらいの素材でとっています。何日も前から丁寧につくったおかげで、元旦の朝には、金色に光るような、澄んだきれいないダシが完成していました。そして、おとそとお雑煮とおせち、最後は福茶でしめて、新年最初の食事を終えます。このとき、各人が自分の干支をあしらった箸を使うのですが、このお箸、三賀日と七草粥、15日の小豆粥を食べるまで洗わないんですよ!一回食べ終わるごとに福茶でゆすいで乾かし、また箸袋にしまっておくんです。不思議な習慣ですよね!?どういう謂れがあるのかはわからないのですが、とにかくそうなんです。カビないようにしっかり乾かすのにけっこう気を使います・・・。それともうひとつ、お雑煮に入れるお餅は、日を追うごとに数を増やさなくてはいけないんです。例えば、KAKUは元旦はお餅3つ、二日目は5つ、三日目は7つ。まぁ、本当に7つもお餅を食べるわけではなくて、ひとつのお餅を二つに割ったりして、数を増やした”つもり”ということにしているのですが。ちなみに住職は、若い頃には本当に10個くらいお餅を食べていたそうです。あの細身のお体からは想像もできません!
朝ごはんのあとは、軽く身支度を整えて西東京の支坊に向けて出発します。支坊には三賀日の間は毎日通います。普段、連日で行くときには泊まってしまうことが多いのですが、三賀日は家族そろって朝ごはんにお雑煮を頂かなくてはいけないので、毎朝の「通勤」となるのです。浅草を出発するのはだいたい7時過ぎ。元旦、この時間の都内は道路もガラガラで、運転するのにはとっても気持ちがいいですよ!そして8時前には支坊に到着し、何はなくともまずはお経、次に山門を開け、湯を沸かしてからひと段落。コタツに入って箱根駅伝を応援しました。
二日目と三日目も、元旦と同じような感じで過ごします。今年は二日目の支坊のお勤めは、両親が変わってくれました。支坊は浅草よりも気温が低いうえに、建物の構造上でもすごく冷えているので、赤ちゃんの体を心配してくれたようです。
三賀日で他にすることと言えば、二日の夜のことがあります。「永き夜のとおの眠りの皆目覚め、波乗り船の音のよき哉」。これ、皆さまご存知ですか?ひらがなに直してみましょう。「なかきよの とおのねむりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」。お分かりですか?前から読んでも後ろから読んでも同じ文句。そう、回文歌なんです。これを枕の下において寝ます。なんでかな?今度聞いてみます。
七日目には七草粥ですよね。嫁いで最初のお正月、義母が「七草を細かく刻むのが大変なのよねー」
と言っていたので、「お義母さん、そういうときこそフードプロセッサーですよ!!」と張り切って機械にかけたら、一瞬で見事なみじん切りに。よしよし、とそれをお粥に混ぜると・・・みるみるうちにお粥が緑色の液体に!七草が細かすぎて、お粥全体がドロドロで真緑色の気持ち悪い物体になってしまったんです。その年は、当時は健在だった祖父母が食べやすいようにとあえて細かくしようとしたのが裏目に出てしまいました。今年は残念ながら祖父はすでに亡なく、祖母も入院中だったため、ザク切り程度の刻み方でよく、色合いも鮮やかなおいしい七草粥になりましたが、横着したらいけない、ってことですね。
それから十五日には小豆粥。皆さまのご家庭では小豆粥は召し上がりますか?おしるこを召し上がる方も多いですよね。我が家は小豆粥なんですが、わたしはこれが大好きです。お米と小豆の風味って、よく合いますよねー。そこにほんのりと甘みが加わって、朝ごはんにこれが出てくると、とっても幸せな気分になります。が、我が家ではわたし以外の全員がアンチ小豆粥なので、これを食べられるのは年に一回、また一年お預けです。そうだ、赤ちゃんを小豆粥党に育てて、ふたりでしょっちゅう食べればいいんだ!
・・・なんて、気がつくと、あれ?食べ物の話ばっかりですね(笑)。まぁ、食は命の基本ですから、お正月からおいしく楽しく、家族みんなで食卓を囲むことは大切ですよね。
このログも、出産以来はかなり滞りがちな更新ですが、新たに気合を入れなおしてスタートしようと思います。今年もまた、「お寺に嫁ぐということ」をよろしくお願いします!
コメント (5)
そりゃー、おじいちゃんとしては、良く解かります。正月の挨拶より、孫の健康の方が、先だってば。。。孫が命って、気分だからね。おじいちゃんって。。。
投稿者: ほり | 2007年2月 7日 07:45
日時: 2007年2月 7日 07:45
地方によって、違うと思いますが、3、5、7日の行事、1日、15日の行事、2日すなわち、初めての夜の行事など、すべて、数えで、数えたり、今世、来世の節目だったり、非常に、宗教に起源のあることや時節なので、是非、みちこさんに、しっかり、引き継いでもらいたいものですね。1日、15日は、神様が、戻られると言うし、357、は、生まれれば七五三ですし、亡くなれば、法事ですよね。とっても、意味深く、小豆は、長生きだとか、庶民信仰もたくさんありながら、最近は、若い人に、継承されないことが、多すぎますので、、、私も、地方ごとで、違うので、是非、関東のしきたりを、教えていただきたいですね。昔、お通夜で、大皿で、お刺身を食べると言う風習に、びっくりしました。東海地区では、無い風習なので。。。
投稿者: ほり | 2007年2月 8日 07:11
日時: 2007年2月 8日 07:11
はじめまして。来週の日曜日、お坊さんと結婚することになり、昨日式のリハーサルでした。
お寺のこと、子育て大変だと思いますが、更新楽しみにしてます~
投稿者: pukuyou | 2007年2月12日 07:57
日時: 2007年2月12日 07:57
前回、長々コメントをしたにも関わらず、お返事のお礼も申し上げずすみません。あれ以来、色々と自分の気持ちを整理していました。そして、気分も落ち着いたころ、プロポーズを受け、結婚する事になりました。(^^)
「霞を食べて生きている仙人ではない」、いろんなしがらみのなかでお坊さんとして生かされている・・という言葉は、ドキッとさせられました。私を大事にしてくれている彼に、私はどうしてそのように考えてあげれなかったのだろう、とても自分本位だったなあ・・と。何にも考えてない人でなければきっと僧侶として生きることに対して色々な思いで皆さん暮らしていますよね。不躾な相談に本当にありがたいお返事を頂いたと思っております。なかなかこういった内容の相談は、友人には出来ないので嬉しいです。
今回のブログ、とても勉強になるお話盛りだくさんでした。私の実家は あまりこの日にはこれを食べる!という習慣がなく、あまり知らずに生きてきてしまったので、小豆粥などは聞き慣れないものでした。これからも楽しく読ませて頂きます、そしてこれからは「お寺の嫁」の先輩として勉強させてもらいます!
投稿者: めい | 2007年2月14日 22:54
日時: 2007年2月14日 22:54
>ほりさま
こんにちは!節句というか、季節ごとの習慣は、それぞれの背景がわかると受け入れやすく、楽しいものですよね。面倒だな、って思うこともありますが・・・。
ただ、旧暦と時期がずれていたり、最近は天候もすごく変で、節句で季節を感じるどころか、極めて季節外れな感じがしたり、旬のもののはずなのに手に入りにくかったりすることも多くて残念ですね。
>pukuyouさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
いよいよ明日がお式なんですね!とっても緊張すると思いますが、今日はよく休んで、きれいな花嫁さんになって下さい。
ちなみに、わたしたちは自坊(自分のところの寺)で結婚式をしたので、特に新郎側の家族には極めて緊張感がなく、よく言えば和やか、悪く言えば騒がしい一部始終でした・・・。
>めいさま
こんにちは。お久しぶりですね!
ご結婚決まったのですね、おめでとうございます!
さてさて、これまでにもいろいろお悩みはあったと思いますが、結婚が正式に決まったこれからは、ますます現実的な問題に直面する場面が多くなると思います。どんなときも彼としっかり心を通わせ、お互いの家族を大事に、力を合わせて頑張って下さいね。何か不安に思うことがあれば、いつでも気軽にメール下さい。力にはなれずとも、同じような境遇の者同士、打ち明けるだけでも気が晴れるものですよー!
投稿者: みちこ | 2007年2月17日 13:25
日時: 2007年2月17日 13:25