うちの寺は浅草にあります。土地柄、観光客など不特定多数の人の往来が激しく、飲み屋街が近いため、酔っ払いやホームレスの姿も非常に目立ちます。寺と、寺に隣接する墓地を安全に保つためには、常に施錠しておくことが欠かせません。しかし、お墓参りにいらっしゃる方からすれば、自分の家のお墓なのにいつも鍵がかかっていて、寺に声をかけなければお参りできないというのは、おそらくとても不便・理不尽に感じられると思います。先日も、一年ほど前にご主人を亡くされた方がお参りに見え、「いちいちお寺さんに断りを入れなくちゃお参りできないなんてひどいなんじゃない?前は墓地へも自由に出入りできたのに・・・」とおっしゃっていました。わたしも、まったくそのとおりだと思います。
でもこの墓地の施錠管理、実は地元警察からの指導なんです。
墓地はお酒や食べ物などのお供え物があがっているうえに人目もあまりないので、ちょっとした隙に酔っ払いやホームレスが入り込んでいることがよくあるのです。実際、うちの寺でも夜中のうちにホームレスが入り込んで、数人で焚き火をしていたことがありました。もし植木に火がまわって火事にでもなったら一大事ですし、そうでなくても大切な預かりものである墓地が、関係ない人々の溜まり場になることは、とても具合が悪いです。
また、記憶に新しい仏像ドロボウ。奈良の法隆寺に忍び込んだ犯人は、浅草・浅草寺と上野・寛永寺でも犯行に及んでいました。そのような大きな観光寺院は毎日ものすごい数の人々が出入りしていますから、防犯対策にも気が抜けないところでしょうが、そんな人がウロついているのは、浅草にある寺にとっては同じ問題。そんなわけで、この界隈のお寺はどこも墓地には鍵をかけているのが常なんです。うっかり開けたままにしておくと警察に叱られます。
一方で、光明寺・神谷町オープンテラスのように境内を開放して成功した寺もあります。しかし光明寺の場合は、やはり神谷町という土地柄の風紀の良さが成功の鍵だったのだと思います。
それぞれの寺の置かれた環境をよく理解し、どんなふうにしたら、お檀家さんや地域の人々に安心して親しんでいただける寺づくりができるか、時代の流れの中で柔軟に考え、対応していかなくてはいけないところだなと感じています。
さて、この墓地の施錠、わたしたち寺の人間にしても厄介です。わたしたちは5階に住んでいるので、お参りの方がインターホンを鳴らすと、ダッシュで玄関まで下りていき、お線香に火をつけ墓地の鍵を開けます。そして5階に戻ってきたとたんまたチャイムが鳴るということもよくあります。これを何回か繰り返すと、顔を真っ赤にして肩で息をハァハァしながら玄関の戸を開けるので、一瞬ギョッとされることもしばしば。お寺といえば、広い土地と広い庭に、平屋作りの見通しの良いお堂と庫裏というのが一般的なイメージだと思いますが、この辺りは、日本で一番、一件あたりの面積の小さなお寺が集まっている地区です。土地がないので境内と呼べるようなスペースもなく、その中でお堂もホールも住居もまかなうためには、縦に伸びるしかなかったというわけです。
繁華街の寺ならではの悩みの種ですね。
コメント (8)
実は、うちも、県庁のすぐとなりですから。高層ビル(でもないか?8階くらいです)に、囲まれております。
ですから、売ってしまって、郊外へ行くか、あるいは、外観が、やはり寺らしい感じで、ビル形式になってしまいますね。で、どうやっても、この庇の長い形状が本堂らしいとか、木造が、本堂らしいという概念があるのですが、消防法で、防火構造にしなくてはなりません。デザインも、いっそパコダ型にするかなど、結構考えちゃいます。
で、お墓も同じで。、本来は、今の時代、墓石のカロートごとに、鍵がいるだの、大変なことになってしまいます。
枯れた供華など、燃やそうものなら、ダイオキシンがどうの、洗濯物にすすが、、、って苦情ですし、除夜の鐘ではないですが、毎朝6時に、鐘をたたいたら、非難の電話がかかってきたり。。。
世の中、昔と、変わってきて大変ですよね。機械警備の防犯システムなんかも、当たり前になったのですが、境内に人がいる以上、意味が夜間以外にありません。
ブロンズ製賽銭箱が、午前9時に、参詣者が、10数人いる前で、賽銭箱ごと、盗難にあいますもの。。。住職さん今日は、大工事で、大変ですなあ!
え?って感じでした。
で、最近、わが、境内には、ミニ豚のりぼんちゃんが、見張り役で、ございまする。別に豚が、見張りするわけでは、ないですが、珍しいので、いろいろ人が出入りして、写メのモデル役なんです。
こどもや若い女性に、人気があります。
うちの子では、ありませんが、23日(木)のテレビチャンピオンに出るトム君ににて黒いです。良かったら見てくださいね。犬よりおもしろい豚ですから、三蔵法師の家来ですもの、寺に居てもかまわないでしょ。
でも、不審者は、多くなりましたね。困ったものです。
投稿者: 堀 | 2006年2月21日 15:31
日時: 2006年2月21日 15:31
>お参りの方がインターホンを鳴らすと、ダッシュで玄関まで下りていき、お線香に火をつけ墓地の鍵を開けます。そして5階に戻ってきたとたんまたチャイムが鳴るということもよくあります。
これは大変だ!
聞いて見なきゃ解らない苦労がいろいろあるんだね。
だからと言って暗くなる人では無いんでKAKUさんもいいお嫁さんが来てくれたと・・・、ねっ!
投稿者: ☆machikoちゃん | 2006年2月21日 16:26
日時: 2006年2月21日 16:26
>堀様
ミニ豚がうろうろするお寺もステキですね。思わず写真を取りたくなるのも納得です。人の目を増やすことがセキュリティになるのかどうかはケースバイケースですが、お寺に人が集まることは何を始めるにしても第一歩ですね。
>三蔵法師の家来ですもの、寺に居てもかまわないでしょ。
なるほど、この発想には思わずうなってしまいました。
>まちこちゃん。
ホント、良い人が来てくれましたよ。相変わらず人のボケには突っ込んでくれませんが、仲良くやっています。
お土産に頂戴したクサヤ、いただきました。美味しかったです。どうもご馳走様でした。
あ、そういえば写真撮り忘れた・・・・
投稿者: KAKU | 2006年2月21日 17:31
日時: 2006年2月21日 17:31
初めましてTV関係のお仕事をしております豪太です。
突然のメッセージになりますが、今、『お引越し』をテーマとするドキュメンタリー番組の
制作に携わっています。
そこで、みちこサンのブログを拝見し、『お寺に嫁ぐ』という面白いエピソードに驚きと感激を覚え、
当企画において、是非、一度お話しを伺えたらと勝手ながら思っております。
大変厚かましい次第でありますが、当企画の詳細等をお伝えしいしたいので、
一度メールの方に御連絡頂けたら大変有難いです。
お手数かけますが、
何卒、宜しくお願いします。
でわ、御連絡お持ちしております。
投稿者: 豪太 | 2006年2月22日 05:55
日時: 2006年2月22日 05:55
「お寺に嫁ぐということ」でコメントを残させていただいた、きさです。
あれから色々考えながら、彼と一緒にいます。
コメントの返事、ありがとうございました。
ちょくちょく立ち寄らせていただきますので、これからも宜しくお願いいたします。
しかし防犯対策、大変なんですね!
投稿者: きさ | 2006年2月25日 01:58
日時: 2006年2月25日 01:58
KAKUさん、テレビで、豚の頭の良さを見てもらえたでしょうか?
犬より、利口でしょ。
水泳もするし、ジャンプもするし。。。
さすが、三蔵法師の家来でしょ。
投稿者: 堀 | 2006年2月25日 07:53
日時: 2006年2月25日 07:53
すみません、うちにはテレビが無いので、というかビデオしか見られなくなっていますので、その番組は見られませんでした。
普段はテレビが無くても問題は無いのですが、この時期はオリンピックだけ、なんとか両親の部屋で応援しています。祝荒川選手金メダル。
投稿者: KAKU | 2006年2月26日 19:22
日時: 2006年2月26日 19:22
>きささま
こんにちは。コメントありがとうございます!
日本昔ばなしの世界なら、お寺で防犯対策なんて思いつきもしなかったのでしょうが、現実の社会はなかなか厳しいです・・・。
これからも、気軽にコメント&メールくださいね!
投稿者: みちこ | 2006年2月26日 21:41
日時: 2006年2月26日 21:41