2004年10月12日

contents_totsugu_9.jpg喚鐘(かんしょう)と呼ばれる鐘の音が聞こえてくると結婚式が始まる合図になります。
カーン カーン カーン・・・ 皆さん結婚式が始まりますよー 本堂に集まってください。
そういう意味合いです。

喚鐘が鳴り終わると厳かな司会の声が響きます。
「これより、お二人の結婚式を始めます」

どきどき・・・生涯で一番自分が注目されるときです。否が応でも緊張感が高まります。
・・・といいたいところですが、実は気分はいつもの法事、葬儀と一緒でした。
葬式、結婚式。どちらも人生の大事な「式」という意味では一緒なんだなぁとぼんやり考えながら、本堂中央の新郎新婦席まで進みます。。。

新郎新婦が席に着くと、司婚(しこん)と呼ばれる、キリスト教式の結婚式で言う神父さんが入ってきます。

「先請弥陀入道場~」 伽陀(かだ)と呼ばれるお経にあわせて司婚者がゆっくりと入ってきます。そして、司婚者がお焼香をします。伽羅のいい香りがぽわーんとしてきます。普段なかなか使う機会のないとっておきのお香も、今日のこのときは惜しげもなく使わせていただきます。

司婚者がお焼香を終えると、表白(ひょうびゃく)が始まります。表白とは、式の趣旨を述べる朗読文のことです。口語で読まれるので一般の人でも聞き取りやすいのが特徴ですね。ここでは
「新たに夫婦の約を結び長(とこ)しえに偕老の契を誓う・・・」と司婚者がお話をされました。

表白に続いて司婚者が司婚の詞を読み上げます。
「新郎に告ぐ 自信教人信の金言を体得し・・・終生佛祖崇敬門徒教導に力を尽くせんことをここに誓うべし」と言われ。「はい」と答えます。
儀礼上「はい」と答えないことには進まないのですが、それにしても大層な誓いを立てたもんだ。普段なら「どこまでできるがわかりませんが、全力を尽くします」なんて逃げ道を打つところですが、そんなことはできません。改めて「誓い」というものの重さを考えさせられます。

「新婦に告ぐ 愛に伴うの敬を以ってよく坊守たるの本分を尽くすことを誓うべし」
「はい」と頷く新婦。これにて新夫婦が出来上がり。

そしていよいよお数珠の交換です。このお数珠の交換というのはチャペルでの結婚式のように夫婦間で何かを交換するのではなく、今まで使っていた古いお数珠と新しいお数珠を交換します。新婦のほうは今までお坊さんだったわけではないので、古いお数珠を持っていません。そこで、新婦に対してはお数珠の授与。でも、古いお数珠と新しいお数珠を交換する意味は何なのだろう?

後は雄蝶、雌蝶(親戚の中から男の子と女の子を選んでお酒を注いでもらう人)が新郎新婦固めの杯(三々九度)を行います。小杯を新郎・新婦・新郎と飲み、中杯を新婦・新郎・新婦と飲み、大杯をまた新郎・新婦・新郎と飲みます。まぁ、本当に気持ち程度のお酒しか入っていないから酔っ払う心配もないんですけれどもね。

新郎新婦が飲んだ後には親族そろって乾杯です。ここで新郎新婦、向き直って、ご本尊に背を向けます。こうすることで、本堂の右の方に新郎の親族、左の方に新婦の親族、ご本尊に近いところに新郎新婦、本堂の入り口のほうに仲人さん(私たちの場合は仲人を立てませんでしたが)と、みんなが輪になります。輪になったところで乾杯。再びお酒を飲みます。これにてめでたく結婚式が円上する。といった流れになりました。

普段なかなか目にすることのない仏式結婚式を紹介しました。いかがでしょうか。

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コメント (4)

23:

真宗大谷派では女性住職が90年代になってからやっと認められるようになりましたが、坊守は依然として女性でなければなりません。女性住職と男が結婚するときは「新郎に告ぐ 愛に伴うの敬を以ってよく坊守たるの本分を尽くすことを誓うべし」とは言われることはないのでしょうね。寺における女性の差別問題について三条教区のHPの教区たよりの最新号をご覧ください。

KAKU:

23さま、こんにちは。KAKUです。

女性住職の考え方、坊守の考え方は宗派によっても様々ですね。
本願寺派では女性住職に対して男性坊守も認められているという話を伺ったことがあります。
どちらにしても住職・坊守というポジションにとらわれずに僧侶・仏教者としてどう生きていくかを大事にしていきたいと思います。

23:

 kaku様、ご返事ありがとうございます。
 kaku様は、浄土真宗の何派なのでしょうか。よろしければ教えていただけないでしょうか。

KAKU:

23様

私の所属している寺院は浄土真宗・東本願寺派という宗派です。法的には独立寺院ということになります。
また、この彼岸寺の中では、宗派を代表した宗派の僧侶としてよりもむしろ彼岸寺という場に集ういち僧侶として発言をしているということをご理解いただけると光栄です。

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ふつうのOLから思いがけず浅草のお寺に嫁ぐ。子どもと旦那(お坊さん)の世話に追われながらお寺を切り盛りする忙しい日々。