2004年10月 8日

contents_totsugu_8.jpg::::::::寺入り娘より::::::::

はい。K&M(M)です。
大変ご無沙汰をし、失礼いたしました。
結婚式が近づくにつれ、本当に忙しく、結婚以外の作業に手をつけることが全くできませんでした。
当日を迎えるまでのさまざまな出来事もご紹介したいのですが、記憶も新たなうちに、まずは結婚式そのものについてお話したいと思います。

式以前に寺への引越しを済ませていたので、お興し入れの仕度には新郎宅から出かけることになりました。白無垢の着付けは近所のホテルにお願いしていました。寺へは歩いて5分ほどの場所です。式が10時から、9時半には集合でしたので、9時の仕上がりでお願いしたところ、余裕をみても、着付け、鬘、化粧すべて込みでホテルへは8時に行けばよいとのこと。早いのはありがたいですが、少し味気ない気持ちがしました。とはいえ、わたしの親族は皆浜松から、前日なり当日の早朝に上京し、いっせいに着付けに入るので着付け部屋は大忙しです。

化粧を終え鬘を戴き、いよいよ白無垢に袖を通します。実は事前に衣装合わせをしていましたので、白無垢を着るのは初めてではありませんでした。正直、衣装合わせで袖を通したときのほうが感慨深いものがありましたね。また、ウェディングドレスよりもはるかに身の引き締まる思い、神聖な気持ちになりました。

余談ですが、白無垢を着付けた後は、新婦には必ず介添の人がつきます。着慣れない衣装で動きが不便なためか、あるいは女にはひとり立ちさせないためなのか、とにかく新婦は誰かに手を引かれないでは動いてはいけないとのこと。角隠し、綿帽子にしても、どうも女性には納得のいかない風習が多いものですね。もっとも、結局のところそんなことどうでもいいじゃないか、お望みでしたら如何様にでも、という強さが女性にはあるから、現在でも続いているのかもしれませんね。
ちなみに寺での挙式は綿帽子、神社でなら角隠し、というのが本来ですが、最近ではあまりうるさくないようです。わたしは昔からの憧れもあり、迷わず綿帽子を選びました。その綿帽子にしても昔とはだいぶちがってきているようで、本当の意味でなら、綿帽子は新婦の顔がすっぽり隠れる大きさ、視界は足元しかないようなものですが、わたしがお借りしたものは顔は全開で鬘の前髪部分まで見えている有様。もっと本格的なものはないかとたずねても、そのほうが写真写りがいいですよと言われる始末でした。

さて、いくら徒歩5分の距離といっても、新婦が白無垢で歩いていくのはとても困難なこと。しかもタクシーのような乗用車では車高が低く鬘が通らないため、通常はハイエースのようなワゴンタイプの車で移動することが多いそうです。けれどそれではいかにも風情がありません。せっかく浅草に住んでいるのだからと、人力車を手配しました。歩いて5分、人力車ではものの3,4分で到着してしまう距離ですが、出発のときにはホテルの従業員の方々や居合わせた外国人観光客、近くの鰻屋の女将さんまでが見送ってくれ、とても思い出深いシーンになりました。

母とふたり人力車に揺られ、道中いろんな人に手を振られながら寺に近づいていくと、雅楽が聞こえ、寺の半被を着た人や隣保のお寺の方々の姿が見えます。以前見せてもらった、新郎ご両親の結婚式の写真と同じ光景に、胸が熱くなりました。こうやってわたしも寺の歴史を受け継いでいくのだわと、感無量です。白無垢を着たときよりも式に臨んだときよりも、このお輿入れの光景が、わたしはにいちばん印象に残っています。

こうして無事お輿入れがすみ、いよいよ新郎の待つ本堂へ。
かなり長くなりましたので、実際の式様子はまた改めてにさせていただきたいと思います。


::::::::寺継ぎ坊主より::::::::

結婚しました。

新婦に同じく、大変ご無沙汰いたしました。K&M(K)です。
報告が遅くなりましたが、先日10月2日に私たち、結婚いたしました。式はもちろん仏前の結婚式。どんなことをするのか知らない方がほとんどでしょうからここでざっと紹介させていただきます。

朝6時30分、新郎新婦ともに起きて支度を開始しました。晴れの日なのにゆっくりと寝ていられるのも自宅で結婚式を挙げる強みですね。

7時ころになると花嫁様は着付けに出発。服装はもちろん白無垢です。
新郎はこのころいつ自分の部屋にお客様が来るのかわからないので、布団をきれいにしたり床にクイックルワイパーをかけたりしていました。

8時にはカメラマン、ビデオその他結婚式にかかわるスタッフが続々と集まってきます。ここで新郎自らご挨拶と打ち合わせ。両親である住職たちはこのころ集まってくるお坊さんたちの接待をしています。

一通り打ち合わせを済ますと今度は新郎が準備。急いで結婚式用の着物に着替えます。結婚式用の衣装については後日お話したいと思います。

着物が着終わったころ、玄関口で「ぷわ~ん」という雅楽の音が聞こえてきました。雅楽の音にあわせて人力車に乗った花嫁様のお輿入れです。
近所の人も見守る中、静々と花嫁が人力車から降り、お寺に入ってきます。

新郎新婦がそろっていよいよ結婚式の準備が整いました。

(つづく)

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寺とは縁もゆかりもなかった女の子がお坊さんと恋をして、お寺に嫁ぐ。このケース、実は最近けっこう多いんです。このコーナーでは実際にお寺に嫁いだ寺嫁(てらよめ)の視点から、恋愛・結婚・出産・子育てなど、お寺での生活について現在進行形で体験レポートしていきます。
みちこ
ふつうのOLから思いがけず浅草のお寺に嫁ぐ。子どもと旦那(お坊さん)の世話に追われながらお寺を切り盛りする忙しい日々。