2004年7月16日

::::::::寺入り娘より::::::::

 いつものようにお寺に行くと、彼が"お宝おこし"を半紙に包んでいました。春のお彼岸のときにもしていた作業なので察しがつきます。お盆やお彼岸で、いつもよりお客様が多くなるので、あらかじめお土産をたくさん用意しておくためです。お宝おこしは、白、ピンク、緑など6色があり、そのうち3つをセットにして一枚の半紙に包みます。

 ただ包むといっても、折り紙の教本のように包み方が決まっていて、きれいに仕上げるためにはコツも必要です。わたしは前回のお彼岸のときに初めて教わったのですが、最初はいくつ作っても形よくまとまらず、何回も彼にダメ出しをされてしまいました。彼は小学生のときにこの作業を始めてお手伝いしたそうですが、上手に折れないわたしを見て、「(自分の小学生時代が)懐かしいなぁ」なんて言っていました。年ばかりとっていても、寺に勤める者としては小学生以下か・・・って、ちょっぴり悔しく思いながらも、だんだんコツがつかめてくると、思ったより楽しい作業です。
 この時期は湿度が高いので、仕上がった包みは缶や大きなタッパーに入れて保管しておきます。何百も出来上がった様を見ると、家内作業ならではの達成感が感じられて、なんだか非常に満足。
 半紙に包んだお宝おこしなんて妙にレトロなお土産ですが、それを楽しみに来てくださるお客様も多く、嬉しいかぎりです。

::::::::寺継ぎ坊主より::::::::

 お盆が近づくとお寺は家内制手工場ならぬ寺内制手工場となります。門徒(お檀家)さんに配るお菓子を半紙に包み、しきびを手ごろな大きさに切って、お墓の花立に挿しやすいようにし、冷たい麦茶を用意します。この、お菓子も麦茶も20年以上まったく変わってないのが自慢なんです。昔ながらのものを昔ながらの手作業で作る。こういうのにこだわるってこと、好きです。私も一時期はアウトソーシングだ、コストダウンだ、経営効率化だと反発もしました。新しいものを取り入れて時代についていくことが現代人のリスクマネジメントだ、なんて本気で思ったりもしていました。
 でも、「去年と同じものだから安心」とか、「毎年楽しみにしています」なんていう声をもらったら、うれしくなっちゃうじゃない。だからここのところはもっぱら、同じ物だけど、去年よりきれいに、丁寧に包む、花を切りそろえる。そんなことしかできない自分にもどかしがる。というようなことをしています。
 レトロな重み、大事にするところはするし、新しいものは取り入れる。バランスが大事ですね。

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寺とは縁もゆかりもなかった女の子がお坊さんと恋をして、お寺に嫁ぐ。このケース、実は最近けっこう多いんです。このコーナーでは実際にお寺に嫁いだ寺嫁(てらよめ)の視点から、恋愛・結婚・出産・子育てなど、お寺での生活について現在進行形で体験レポートしていきます。
みちこ
ふつうのOLから思いがけず浅草のお寺に嫁ぐ。子どもと旦那(お坊さん)の世話に追われながらお寺を切り盛りする忙しい日々。