2006年4月30日

誰そ彼 Vol.08 レポート

春を迎えたとはいえ夕暮れ以降はまだ肌寒さの残る4月22日、第八回目のお寺の音楽会『誰そ彼』を開催致しました。

今回演奏して頂いた一組目は関西で活躍中のギター/ボーカルデュオshiba in carさんです。『誰そ彼』のために遠方遥々来京してくださったのですが、静謐なギターの音色と美しく真っ直ぐな歌声が東京の誰そ彼時にもとてもマッチしていたと思います。ギターの弦の響きが暮れゆく堂内に伝わり、ノスタルジックでいてどこか異郷の香りもするメロディーが耳に飛び込んできます。その“場”の雰囲気とお二人の放つ静かで強い力に引き込まれてしまいました。ライブ終了後にお二人が握手をなさっていたのも印象的で、非日常への旅から帰ってきたような不思議な安堵感を覚えました。

すっかり夜が降りた光明寺テラスでは神谷町オープンテラスの誰そ彼営業という事で提供されるお酒やお茶をお供に色々な輪が広がり賑わっていました。また、『禅僧の台所』のお坊さん達が腕を揮った[精進おにぎり茶漬け]、[永平寺の胡麻豆腐]なども好評で、少し寒いテラスを暖めてくれました。

堂内に再び目を向けると今度は法話タイムです。いつもは光明寺の僧侶の松本が担当していますが、今回は昨年より『誰そ彼』にスタッフ参加している本願寺職員の杉生慶値さんにご登場頂きました。というのも、shiba in carさんは杉生さんを介したご縁だったのです。shiba in carさんの好演に応えるかのような良い法話でした。
法話に続くのは、同じく誰そ彼仲間であるサーファーズオブロマンチカの宮原秀一さんによるDJです。『誰そ彼』の最も深い時間・空間が紡がれていきます。

そして、20時を迎え闇につつまれた光明寺、唯一眩い光を発する本堂にてニッカーボッカーのライブが始まります。ギター、パーカッション、チューバ、バイオリン、アコーディオンという編成に加え、男女混声ボーカルとなると楽しくないわけがありません。暖かみのある楽器の音が夜のお寺を充たし、お客さん達もにこにこと顔がゆるみます。情景豊かな歌詞はまるで物語を読んでいるかのようで、アンコールまであっという間に時が流れていきました。素敵な演奏をありがとうございました!

投稿者 tasogarecords : 15:39 | コメント (0)

2005年11月 1日

誰そ彼 Vol.07 レポート

デューク・エリントン楽団のレコードに針を落とし幕開けした第七回の『誰そ彼』。前回に引き続き天気予報は雨でしたが、まだそんなに寒くない空気とあまり激しくならない雨に一安心。段々と人が集まってきた堂内に、Prefab Sproutの「King of Rock'n'Roll」がかかると誰そ彼スタッフによる選曲時間は終了、いよいよ山口りえさんのライブが始まります。

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山口りえさんはTHE THRILLの看板娘としてトランペットを担当なさっていて、今回はソロでご出演頂きました。登場すると、そのカラフルな着物姿に堂内の雰囲気が一気に華やかになります。山口りえさんはモデルという肩書きももっていらっしゃるのです。クラブジャズといった印象のトラックに、トランペットの演奏を重ねます。明るく楽しいMCも交えながら和やかな雰囲気のLIVEです。後半はギターの方をゲストに招き、小西康晴さんプロデュースのシングル曲を披露。ギルバート・オサリバン「ALONE AGAIN」のカヴァーで、ハッピーでかわいらしいトラックに山口りえさんの個性がとてもマッチしていました。

続いては、光明寺執事を名乗る坊主・松本圭介による法話です。一旦華やかになった会場の雰囲気も、一旦お寺らしい姿に戻ります。しかしその後はまたがらりと空気を変えて、サーファーズ・オブ・ロマンチカの宮原秀一さんによるDJプレイです。毎回宮原さんのDJが楽しみという方も多いかもしれません。LIVEが終わり少し広くなった本堂でねっころがって聴けるというのはとても贅沢なひとときだと思います。

さて、会場を出たテラスではドリンクを飲みながらの楽しい時間が流れています。ケータリングとして今回二度目の登場であるドムカ・デザインさんのグリーン・カレーや、誰そ彼“彼岸バー”にてお坊さん手作りのおでんなどもでており、雨上がりのにおいがする空気の中でくつろいでいただけたかと思います。

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宮原さんのDJからバトンタッチするのはサワサキヨシヒロ!さんとToshifumi Tsuyamaさんによるユニット“サワサキ・ホット・スプリングス”です。サワサキさんは温泉と寺社仏閣が大好きな方で、とても有難い事に前々から光明寺でのライブを熱望して頂いていました。誰そ彼スタッフとしても念願叶っての今回のライブです。
ナント機材をお堂の床に拡げて、座布団に胡坐をかいたスタイルでの演奏。「(ライブ中に)寝ちゃってください」というMCに続き鳴らされたのは、正に“温泉的リラクゼーションラウンジアンビエント”というコンセプトに則したサウンドです。本当にみんなリラックスしてしまい、本堂にはたくさんの人影がゆらゆらと動いていて、なんとも不思議な光景でした。
そして、みんなが思わず目を覚ましたのは日本人なら誰しもが一度はお風呂で口ずさんだことのあるあの曲、ドリフターズ「いい湯だな」のカバーでした。VJ COTOBUKIさんによるスクリーンには大きな温泉マークが映し出され、サワサキ・ホット・スプリングスのお二人もマイク片手に♪ばばんばばんばんばん~。お客さんにもマイクを向けて♪ばばんばばんばんばん~。

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そんな感じですっかり温まった会場に、山口りえさんが再度ご登場です。ギタリストとフランス人の詩人の方も加わり、出演者総出の豪華なセッションとなりました。まさに大円団という言葉が相応しい“いい湯加減”な音の中、心地好く秋の夜が更けていきます。

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みなさまどうもありがとうございました!(文・遠藤卓也)

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投稿者 tasogarecords : 20:01 | コメント (0)

2005年6月 7日

誰そ彼 Vol.06 レポート

6/4に行なわれた2005年最初の『誰そ彼』。季節としてはやはり雨が心配された当日、開場してからぽつぽつと降り始めてきました。雨の中の誰そ彼というのは6回目にして初、段々と激しくなり肌寒くなってきて、お客さんがちゃんと辿り着けるのかどうか心配なほどでした。まだ人入りの少ない堂内で静かにかかるBen WattやBruce Cockburnのミニマルなギターとうたごえに微妙にかかるリヴァーブ…外は雨、ひんやりと心に染入ってきます。


そんなしっとりとした空気の中登場したのはmarasica。ボーカルの上机さくらさんとキーボードの白山詠美子さんのユニットです。うたと鍵盤の音色がとても優しく本堂を包み込みます。本日のコンディションにはまさにうってつけな "Rainy Day"。テラスで聴いていると雨の音も混じり、「もっとのんびり過ごしましょう」とうたわれる歌詞に半屋外の誰そ彼ならではの贅沢な楽しみを見つけたような気がしました。誰そ彼の当日に発売日を合わせてくださったというmarasicaのCDのタイトルは『akaneiro』です。黄昏時を表現する色。ラストにそのタイトル曲を演奏してくださり、空は茜色にこそならなかったものの雨足は段々と遠のいていきました。

誰そ彼時も近づく堂内ではサーファーズ・オブ・ロマンチカの宮原秀一さんによるDJタイム。水気の多い空気に広がるダビーな音像で会場に異界への入り口をこしらえます。


そして、6/4の日没予定時刻にジョン(犬)さんのライブが始まります。オオカミの着ぐるみを着たジョン(犬)さんが登場すると、堂内の空気は完全にジョン(犬)さんのものになっていました。足踏みオルガンで弾き語られる独特の歌詞でお客さんの顔がどんどんにこにこしていきます。対して表情の無いジョン(犬)さんの着ぐるみと、かわいらしい反復の動きのギャップで、会場は今までに味わったことのない気分になっていきます。お堂というロケーションの相乗効果もあり、なんともいえぬ怖さとあたたかさが同居するような、二律背反的な気持ちよさを味わうことが出来ました。

その頃には既にテラスもお堂も人で溢れていて、ドムカ・デザインさんのタイカレーや、お坊さん手作りのわらび餅を食べたり、楽しく賑やかな熱気が漂っています。あんなに激しい雨の中、ご来場頂いたお客様に感謝です。


そしていよいよラスト、菊地雅晃さんのライブが始まりました。お経をよむ時に使う”だいきん”をゴーンと鳴らしエフェクトをかけていきます。堂内の雰囲気がピリッと引き締まり、異界に突入した瞬間を伝えます。弦を叩くようにして発生する響きに電気的な変化を加えていくと、私達の耳に当たり前のように聴こえる音の仕組みが妙に気になってしまいました。かと思えば、その場に存在している音にただ身を委ねているだけでもとても気持ち良いという両岸を往きつ戻りつの彼岸アクトでした。
marasicaによる温かみのあるお堂、ジョン(犬)さんによる不思議なお堂、そして最後に菊地雅晃さんの荘厳なお堂、三者三様の「たそがれ」がどれもマッチしていて、とても楽しい一夜となりました。


皆様どうもありがとうございました。次回は8月頃に何かできればと思っています。是非またお付き合いくださいませ。 (文・遠藤卓也)

投稿者 tasogarecords : 02:32

2005年1月10日

誰そ彼 Vol.05 レポート

0001-420.jpg彼岸音楽会『誰そ彼 Vol.5』 レポート
(文・遠藤卓也)
日時:2004年12月25日土曜日 17:00~21:00
出演:あがた森魚、竹久圏ソロ(KIRIHITO / GROUP)、ccd

誰そ彼初の試みとなる冬季開催。夏のように雨の心配は無いものの、気温が兎に角心配でした。当日の日中は冬晴れ、太陽が少しだけ温度を残してくれたせいか、夕闇が降りてきた後も極寒という程にはならず、なんとかなりそうな予感です。開場前に既に誰そ彼はやってきていて、音楽が流れ出す頃にはすっかりと闇が光明寺を覆っていました。テラスの真下に深く闇を広げる墓地、そしてそれとは対照的に、煌々と光りを放ち聳え立つ東京タワーには2004年のネオン文字。その文字が2005年に変わるのも間近な師走の一夜です。世間はクリスマス故に、各所で狂騒が繰り広げられていましょうが、此処はお寺、輪郭をすっかり飛ばされた何物かを、漸く判別できる程度に届く柔らかな光と、黒い溝を走る針が奏でる暖かい音楽が堂内の陰影を創り出していきます。

0002-420.jpg(*写真はクリックで大きく表示されます
最初にライブアクトとして登場したのはccdさんです。広告代理店に勤められながらボランティア活動を積極的に行っておられ、更に古神道を研究し、それを活かした和的情緒溢れるリリックをキックなさるという多面的なアーティストです。堂内にHIPHOPのビートが鳴り響き、袴姿で登場したccdさんは椅子に座したままラップを披露。欧米のサンプリングビートに載るヤマトの言の葉、米国人司会者とのバイリンガルなかけあいMCとヒューマンビートボックス、エキゾチックな出で立ちのダンサー女性にパーカッション演奏と、正に国境も宗教も音楽ジャンルも越えたアンビバレントなライブアクトとなりました。そんな、エンターテインメント性の盛り込まれたステージングにお客さん達も終始笑顔が絶えませんでした。

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そんな古神道研究家のccdさんからマイクをパスされたのは、彼岸寺を運営している松本坊主。12月25日の開催となると坊主的にも流石に無視は出来ないクリスマスについて言及した親和性の高い法話で堂内を沸かせます。

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さて、ここでまた浄土真宗のお寺だという現在位置を再確認しつつも、誰そ彼は旅を続けます。今度はスペース・ジャーニーとでも表現できましょうか、サーファーズ・オブ・ロマンチカの宮原秀一氏によるDJが始まります。当サイトのヒガン・ディスクレビューのコーナーにて、氏ならではの視点でお寺にフィットしそうなCDを紹介してくれているだけあり、なんとも流麗なる選曲で誰そ彼を彩ります。うっとりするような闇を創り出し、次なるアクト・竹久圏さんへと美しい流れで繋ぎました。

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竹久圏さんはKIRIHITO、GROUPという二つのバンドで活躍しています。それぞれの音楽を聴けば明らかなのですが、二つのバンドで見せる竹久さんのギターの表情は大きく違うようでいて、でもやっぱり根っこは竹久さんであるという事を痛感させられるとても不思議な魅力を持ったギタリストです。今回はソロ演奏という事で、どんな顔を見せてくれるのかと期待していましたが、やはり竹久さんにしか成しえない演奏で会場内を弦の響き一点に惹きつけていました。歌っていないのにそこにうたがあるような、弦6本のストーリーテラー。これまでギターのみのインストゥルメンタルというアクトは登場した事がなかっただけに、お寺にあう音楽の定義をまた一歩押し広げて頂いた感があります。ラストに取り上げたジャズ・スタンダード「What a wonderful world」では、この不変のメロディーが今こうして私達に届くまでの時間を想い、ロマンを感じずにはいられませんでした。

そして、こんなロマンチックな気分を終わらせてたまるかと、誰そ彼スタッフによる入魂の選曲時間で繋ぎます。ヴァン・ダイク・パークス『ソング・サイクル』や、ビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』などのドリーミーな音楽が堂内を満たして、大トリをつとめて頂くあがた森魚さんの登場を待ちました。

0006-420.jpgあがた森魚さんのライブは普段はバンド編成が多いそうなのですが、今回はお寺でのライブという事でギター一本での弾き語りとなりました。あがたさんのとても優しい声が広がった瞬間、堂内にあたたかい空気が流れ出します。若いお客さんが多かったせいか、丁寧に解説を加えながらご本人曰く“ちょっと渋い選曲”で演奏してくださいました。あがたさんご自身が大変尊敬なさっているという、稲垣足穂さんの日記を引用した曲や、光明寺のアップライトピアノでの弾き語りで「いとしの第六惑星」、お馴染み「赤色エレジー」まで、みている者の熱をも喚起するような素晴しい熱演です。幻想的な歌詞と何処かノスタルジックで安心の出来る歌声で、その世界にどんどん引き込まれていきます。そして終盤に演奏されたのが「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」です。2001年にリリースされた同名アルバムの楽曲で、実際にあがたさんが小学生の時に出会い強烈な印象を受けた恩師に捧げられた歌です。惜しくも亡くなられてしまったそうですが、佐藤敬子先生へ対する想いがひしひしと伝わってきて、そのエモーションに思わず涙を浮かべる人も居ました。音で感情を揺さぶられるなんてとても素晴しい体験だと思います。そして終演後も拍手はなかなか鳴り止まず、なんと再度ご登場してくださって誰そ彼史上初のアンコール演奏となりました。有難うございました!

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投稿者 tasogarecords : 15:46 | コメント (0)

2004年11月28日

誰そ彼 Vol.04 レポート

【ライブダイジェスト】  (文・木原健)

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最初に登場いただいたのは「ボサノヴァ系?ソロユニット」ことcinnabomさん。スタンダードナンバーとオリジナル曲を取り混ぜてアコースティックギター一本で弾き語り。ボサノヴァの優しさと力強さを堪能。本堂の雰囲気を慈しむように演奏する姿と肩の力の抜けたMCが印象的でした。

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次の登場はvol.1にも出演していただいたギターの西出さんと、トロンボーンの古池さん・バイオリン木下さんのユニット。前回同様即興演奏です。何を聞くか何を感じるかはあなた次第。三者三様の演奏が重なるとき、思わずぞくりとするような瞬間が訪れます。

antifrost.jpg再びDJの後に登場したのはギリシャからの来訪者ilios + as11。ラップトップから出てくるデジタルなノイズは心地よいゆらぎの中に文化の出会いの可能性も漂わせていました。日本ツアー終了直後、お疲れのところに合流していただいてありがとうございました。


なお今回は開演から終演に渡り、第2回目の誰そ彼にも参加いただいた梶高慎輔[ROOM301]さんと、遠藤正典さんにVJをやっていただきました。本堂の壁一面を使ってのビジュアルワークは今回も素敵でした。うっとり。今回PAで参加いただいた福岡功訓さんにも感謝です。次回もどうぞよろしく!

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【会場の雰囲気】



2004年9月18日、第四回目となる誰そ彼は三組のミュージシャンと二人のDJをお招きし、延べ200名の参加者で賑わいました。一足早くお彼岸を迎えたお寺には夏の終わりの快適な空気が流れています。



さて、この誰そ彼。ライブ以外にもさまざまな楽しみ方をすることができます。薄暗い中に香が焚き染められた本堂では寝転がってくつろぐ方あり、ほんのり光る阿弥陀像に手を合わせる方あり。生の仏教美術をじっと眺める方もあり。テラスに出れば談笑の場。お酒を頂くことも、お花見のようにおやつを分け合うこともできます。今回初登場の「彼岸バー」でお坊さんからビールを注いでもらうのもまた楽し。

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日没後のひとときは法話タイム。「お坊さんにもアカウンタビリティはあります」「なるべくお酒を飲まない」など、若い僧侶ならではの普段着の法話を聞いていると聖職者の日常や仏の教えがずっと身近なものに思えてきます。



最後は読経。お坊さん三人のお経に一同唱和。大勢で声を出すこと、その声を聞くことは音楽そのものの喜びとも言えましょう。若い方のみならず外国から来られた方やご年配の参加者の声もあったのが印象に残りました。



終演後も会場は去りがたい雰囲気。笑顔とともにお寺の夜は穏やかに深まっていきました。

お越しくださった皆様、ご協力下さった皆様、有難うございました。このたびの誰そ彼時がどなたににとっても豊かなものでありますよう。

投稿者 tasogarecords : 19:13 | コメント (0)

誰そ彼 Vol.03 レポート

文・遠藤卓也

mukai01.jpg二〇〇三年十一月初日、半屋外のイベント「誰そ彼」には、少し遅いかなという気もありましたが第三回開催もお日様の助力を得られ、まずは一安心でした。
一回目の7月は19時だった日没時刻も17時半との予報、徐々に早まる誰そ彼刻がますます季節を実感させてくれます。
誰そ彼選曲陣による夕暮れ向きBGMで相変わらずのリラックスした空気が本堂に漂ってきます。

今回初登場となった"誰そ彼茶"や"チャイ"を飲みながらテラスで談笑する人達、堂内に座って音楽に身を委ねている人達、それぞれにゆったりと降りる秋の誰そ彼どき、その空間を縫うようにライブ演奏が始まりました。

sakura.jpgまず登場したのは上机さくらさん。今回は会場がお寺ということでギターとベースとのミニマムなトリオ編成での演奏となりました。上机さくらさんは10月に1stアルバムを出したばかりの23歳のシンガーで、都内のカフェやライブハウスを中心にライブ活動をなさっています。EBTGやPort of Notesに影響を受けたというボサノバを基調としたカフェ/ラウンジ・サウンドが特徴です。
そして、スケール感があるのに親和性に溢れている歌声は老若男女問わず皆から好かれそうな不思議な魅力をもっています。
会場がお寺だったとうのもあってか、演奏後に「こういうライブならお母さんと来ても良かったな」という声が
お客さんから聞こえてきたのがとても印象的でした。
繊細な弦の響きと、柔らかな上机さんの歌声が本堂を包み込み
爽やかに駆け抜けていき、秋の夜長へと私達をいざないました。

okyou.jpg再び誰そ彼選曲タイムを挟み、二人のお坊さんによる読経が始まります。
今回はシンセサイザーによるアンビエンスの上で
詩の朗読とお経を繋げるという新しい試み。
暗がりにぼおっと美しく浮かび上がる仏様を見ながら
朧げに感じる非日常的な空気と彼岸の気配によって、
「地下鉄あがってすぐ」の場所とはどうも思えなくなってきます。

そして様々な輪郭が曖昧になった頃に、向井秀徳さんが登場しました。
"法衣を着たツェッペリン"こと、ZAZEN BOYSで活躍中の向井秀徳さんは
「無戒秀徳エレクトリック&アコースティック」という名義で
ギター一本弾き語りの演奏をしてくださいました。
装飾の少ないギターサウンドは透明度が高く、
映像的な歌詞がダイレクトに迫ってきて胸が熱くなりました。
mukai02.jpg神谷町や六本木の界隈なんかは特に、向井秀徳さんの歌詞のイメージを重ね易い土地だと思います。そしてそれは朝方や夕暮れの境界が曖昧な時間帯だとより馴染ませ易いのです。
時折混じるファルセット・ボイスも、更に"うた"を近くに届けてくれる為の大事な役割をはたしているような気がしました。
お客さんとの距離が凄く近いので、参加型のコミュニケーションなどもとりつつお馴染みのナンバーも含めた多数の楽曲を披露してくださいました。
そして最後は「野に咲く花のように美しくなりたい~」と皆で合唱。
とても楽しい秋の夜はすっかり更けていきました。

投稿者 tasogarecords : 18:14 | コメント (0)

誰そ彼 Vol.02 レポート

(文・斉藤仁昭)

tasogare2_open[1].jpg2003年9月13日に開催された第2回目の誰そ彼は3組のミュージシャンと1組のVJをお迎えし、延べ200名ほどの参加者で賑わいました。当日はまさに残暑というにふさわしい日で日没後も汗がうっすら滲むほど暑かったのですが盛況のうちに閉幕することができました。参加者のみなさま、まことにありがとうございます。予定より30分ほど遅れましたが、前回同様2人のお坊さんによる読経で会はスタートしました。その後DJが音楽を流して徐々に空がたそがれていきます。

tasogare2_m.jpg日がほとんど落ちてしまった頃、空が夜の色になってしまう一歩手前の6時半からムースヒルさんとバンドの皆さんの演奏が始まりました。爪弾かれるギターとハープの音色や和音が日没時の曖昧な空の色と相まって胸が切ないような懐かしいような気分になりました。徐々に演奏のテンションが高まっていき、ドラムスとサンプラーと弦楽器の音が胸のどきどきするようなアンサンブルを奏でていました。

DJを挟んで二番手はティコムーンのお二人。ギターとハープでの演奏。たくさんの弦から紡がれる音に胸が躍ります。ギターの影山さんのマイクパフォーマンスも素敵で、「夏祭りのようだ」という言葉がまさに会場の雰囲気を言いえていたと思います。

tasogare2_t.jpgところで今回はイトウさんとハヤトさんのライブのときだけの予定だったはずが全編に渡りroom301のお二人に映像を担当していただきました。会場に華を添えた映像には慎ましさと力強さが感じられ、見とれていたお客さんも多かっただろうと思います。

ときに会場では、テラスでお酒を楽しむ方、持参した食事を召し上がる方、本堂で横になってくつろぐ方、演奏に聞き入る方、会話に花を咲かせる方、みなさんそれぞれの楽しみ方をしている模様。この場ではじめて出会った人とも気楽にお話のできる雰囲気があり、静かに人の輪が広がっている様子も見受けられました。そうして豊かな出会いがこの場で生まれればよいなと思いました。そして空には明るい月が出ていました。秋の気配。

tasogare2_n.jpg最後はイトウカナメさんとハヤトさんの演奏。淡々とした静謐なビートに徐々に音数が増えていき、それにギターの音が彩りを加える。身の引き締まるような研ぎ澄まされた音。ピアノのサンプル音が本堂に響き渡ります。曲の世界にじっと聞き入る人の姿が多く見られました。終演後は盛大な拍手。

全ての演奏のあとご住職に登場をお願いし「お経もまた音楽です」という言葉をいただき、最後にはやはり2人による読経。そしてみなさんでの唱和。誰そ彼では、禮拝聖典(お経の載った冊子)をお配りし、参加者の方々にもお経を読んでもらえるようにしています。読むか読まないかはもちろん自由ですがお経を声に出すのも歌っているみたいで案外気持ちの良いものです。次回ご来場の際には是非お経を口ずさんでみることをおすすめします。

tasogare2_rjpgお経も終わり会は閉幕。みなさんがそれぞれに音楽から、お寺の雰囲気から、お経から、出会いから、空模様から、そのほか様々なことから今日の誰そ彼で感じたことを日常に持ち帰ってくれたことと僭越ながら思っています。

参加者のみなさまどうもありがとうございました。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tasogarecords : 17:57 | コメント (0)

誰そ彼 Vol.01 レポート

(文・松本圭介)

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7/19(sat)に開催されたアンビエント音楽会『誰そ彼』、無事終了しました。
当日は天気が心配されましたが、なんとか雨も降らず、延べ100名ほどにご来場いただく大盛況の会となりました。

夕方から始まった会は、日暮れ時を迎えて人もいっぱいに。本堂でみんなごろごろしている光景はなにか異様です。mojaveとtwothousandandのライブでは、会場が静まりかえり、みなさん思い思いに演奏に耳を傾けていました。

最後はみなでお経を唱え、閉会。

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ライブに出演してくださったmojaveとtwothousandandの皆さん、遊びに来てくださったみなさん、お手伝いをしてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
どうぞ次回もお誘いあわせの上、みなさまのご参加をお待ちしております。

投稿者 tasogarecords : 17:40 | コメント (0)