2005年4月 1日
Mercury Rev / The Secret Migration
● 今年の夏にはフジ・ロック・フェスティバルでの来日も決定しているMERCURY REV、3年ぶりの新作は、幽玄壮美な装飾音の霧と樹々に見え隠れする引き締まったバンド・サウンドに注目です。
95年発表のアルバム"See You On The Other Side"「向こう側で逢いましょう」なんてヒガンじみたタイトルで夜明けの来ない世紀末的狂騒音楽を鳴らした彼らは、続く4作目"Deserter's Songs"「見捨てられた者の歌」にてアメリカン・ゴシックの闇の中で妖しげに光を放つサイケデリアを垣間見せました。5作目のタイトルでは"All Is Dream"、つまり「全ては夢」宣言をし、ストリングスを多用した夢心地過多なサウンドを展開。一躍現代のヒガン・ロック・バンドの王座に君臨しました。その楽園志向がファンタジーを超え、もはや居心地の悪さまでを感じさせるが故に、6作目となる今作での展開には期待がかかっていました。結果、肩透かしをくらってしまった人も多そうなある意味でのスケールダウン路線が一筋縄ではいかぬ彼らの奥深さを感じさせます。
"See You On The Other Side"を入り口の作品と捉えるならば、この作品は出口のようなイメージです。一時は仙人になりかけた彼らが柔軟性に優れたしなやかな実体を得て還って来たような感じがします。マジカルなパワーは残しつつもロックバンドならではの肉体性を活かしたアンサンブルを中枢に据え、その絶妙なバランス感覚が今の空気と非常にマッチしています。"往って、返ってきた"というにおいが音全体から放たれていて、正に両岸の味があるヒガン・オンガクと称すべき一枚です。(遠藤卓也)
投稿者 tasogarecords : 2005年4月 1日 09:00
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