2008年2月 7日

A. ひどいと言えばひどいですが…

ブッダは、出家する前にはゴータマ・シッダールタという名の、シャカ族の王子でした。出家されるのは29歳のころですが、16歳のころに、ヤショーダラーという女性と結婚され、ラゴラ(ラーフラとも)というお子さんもおりました。その妻子を捨てて、出家していかれたわけですから、妻子だけでなく両親にとっても、それは大きな悲しみだったと思いますし、一般的に考えても、ひどい行いであると思えなくもありません。

しかし、ブッダご自身にとってみれば、自分だけが王子として贅沢この上ない暮らしをしている事に葛藤を覚えたでしょうし、自分自身が、そして世の人々が「生老病死」という苦を抱えている現実に直面し、漫然と生きていく事に疑問を感じられ、悩み抜かれた上での決断が、出家という道だったのだと思います。

これはあくまで推測ですが、出家にあたり、家族の事をどうするかで葛藤もあったことでしょう。しかし、それを二の次にしても、求めるべき物があると決断され、地位も名誉も財産も全てを捨てていかれたわけです。

しかし、家族を捨てたとは言え、その後全く家族の事を無視したわけではありません。6年の修行の後、さとりを開いて仏(ブッダ)となられた後、故郷に立ち寄り、家族に会っていろいろな説法をし、それによって両親も、ヤショーダラーも、ラゴラも、ブッダに帰依したと言われています。

出家、そしてさとりを得て仏となった後、家族と家庭生活をしたり、特別視することはなかったかもしれませんが、多くの人の苦を解決し、家族にも苦悩を解決する道を示すことで、真の救いを与えたわけですから、ブッダの行いを一概にひどいと非難することはできないのではないかな、と思います。

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