2008年6月 1日

shoyo01.gif  信田(しのだ)巻き。 面白い響きです。 語源を知らない人には、なぜこの食べ物が「信田」と呼ばれるのか、想像がつかないでしょう。 答えを言ってしまえば、「信田」とは現在の大阪府和泉市にある地名から来ていて、もともと「信太」と呼ばれていました。 その地に「葛の葉(くずのは)」という女狐の有名な伝説がありまして、そこから連想的に【 信太 → 葛の葉(狐) → 狐の好物が油揚げ 】 となったのです。

 そこからさらに連想すると、狐を使役する神に稲荷大明神がいますが、油揚げの中に酢飯を入れた食べ物を「いなり寿司」と呼ぶこともとても興味深いですね。

 さて、そんな信田巻きですが、今回は今がまさに旬の「新牛蒡(しんごぼう)」と「アスパラガス」を巻き、そこへ葛ペーストを加えて煮るという新発想でお送り致します。


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【 レシピ 】 <2人分>
・新牛蒡(ゴボウ)・・・1/2本
・アスパラガス・・・1本
・薄揚げ・・・1枚
・新生姜・・・適量

<新牛蒡下ごしらえ用>
・ごま油・・・小さじ1
・薄口醤油・・・小さじ1

<葛ペースト>
・吉野本葛・・・10g
・昆布だし・・・120g
・薄口醤油・・・小さじ2
・酒・・・小さじ2

<合わせだし>
・昆布だし・・・300cc
・薄口醤油・・・大さじ1
・酒・・・大さじ1
・塩・・・小さじ1


【 作り方 】 出来上がりTIME 60分(冷蔵庫での冷却時間は含まない)
 <下準備>
・ 薄揚げは、剥がれやすくするためにすりこぎ棒で軽く叩いておく。 その後、長い一辺を残す形で三方の端を切り、1枚に開いたら数秒ゆでて油抜きをし、ザルに上げておく。
・ 新牛蒡は、皮を剥かず、良く水洗いをしたら薄揚げの長い辺よりも少し短めに切り、太さも合わせるように切っておく。 切り終えたら、フライパンにごま油をひき、弱火で10分ほど炒めて火を通し、薄口醤油を回し入れてさっとからめたら皿に取る。
・ アスパラガスは、新牛蒡の長さ・太さに合わせて切る。
・ 昆布だしは、あらかじめ用意しておく。 → 昆布だしの取り方

shinngobou-shinodamaki.gif(1) <葛ペースト>から薄口醤油を抜いた材料を鍋に入れ、弱火にかける。 固まってきたら手早くまんべんなく混ぜ、焦げ付かないようにする。 粉っぽさが取れたら薄口醤油を加え、混ぜ合わせてから火を止める。

(2) 広げた薄揚げに、炒めた新牛蒡、アスパラガスをのせ、そこに(1)をかけ、強めに巻いて竹串を刺す。 それを冷蔵庫で1時間冷やして葛を固める。

(3) <合わせだし>を入れた鍋に(2)を入れ、落としぶたをして30分ほど弱火で煮る。

(4) 時間が来たら取り出し、粗熱をとってから切り分け、盛りつけて新生姜を散らせば完成。


作り方のポイント
・ 牛蒡は食用油との相性が良いので、一度炒めるなり揚げるなりすると、一段と美味しくなります。
・ 巻くときは、しっかりと強めに巻きましょう。 盛りつけ前に切り崩れた時は、慌てずに巻き直して整形すると良いです。
・ 竹串ではなく「かんぴょう」を使うときは、かんぴょうを水でもどして細めに切り、3カ所ほど強めに巻いてください。


ひとこと
shoyo01.gif 薄揚げを開く際には、冷凍した油揚げを解凍したものだと簡単に広げられます。 また、一度固めた葛を再加熱すると良い感じにゲル化して、何とも素敵な食感になりました。 是非お試しあれ!!


生活そのものが修行であるとする曹洞宗の大本山永平寺では、修行僧が料理を作ります。料理を作ることも、食べることも、坐禅をすることと同様に仏道修行そのものなのです。 その永平寺で本場の精進料理と出会った吉村昇洋が、分かりやすく且ついい感じに、精進料理とその背景を紹介していきます。 見やすく分かりやすいレシピ付き!
吉村昇洋
広島の曹洞宗寺院副住職。 1977年生まれ。駒沢大学大学院仏教学専攻修士課程修了後、学問の世界から飛び出して実践の場を求め、曹洞宗大本山永平寺にて2年2ヶ月間の修行生活を送り、現在に至る。