9月20日昼、表参道からほど近い、洒落たお店のテラス席に20名程の男女が集まった。年齢にはばらつきがあるが、若干年配の方が多いようだ。夜は炭火焼きダイニングとして賑わう「炭火ダイニング・豊和」で、これから始まるのは「ZenCafe」と呼ばれる坐禅会。臨済宗妙心寺派・東京禅センターが主催している「ZenCafe」は、2009年4月から月1度のペースで行われている。
「『日常の中に、"静かに坐(すわ)る"という時間をいかに組み込んでもらうか。』という思いからZenCafeが始まりました。」と語るのは、東京禅センター副主任の羽賀浩規さん。臨済宗妙心寺派の生活信条の中に「一日一度は静かに坐って身と呼吸と心を調えましょう」とあるが、そのままでは実践につながりにいと感じ、まずは体験をしてもらいやすい環境を作りたかったという。
坐禅はお寺で行うものというイメージが強いが、たしかにお寺の外、とりわけカフェという日常的な空間で行うとなると参加もしやすい。夫婦で参加していた方は、「日本人として一度くらい坐禅を体験したいと思っていました。そして先日京都の両足院での坐禅体験を話した友人から『ZenCafe』の事を聞き、伺ってみました」と話した。
さて、この「Zen Cafe」はイス坐禅の形で行われる。始めに坐禅の簡単な説明があり、その後、椅子に座ったまま坐禅を行う。坐禅の時間はおよそ15分だが、時間のはかり方が魅力的だ。元々時計のない時代にはお線香を時計代わりに使っていたところから、短めのお線香を時間の目安としている。このお線香は月ごとに変えており、季節の香りを楽しむこともできる。坐禅をしている間には実に様々なことに気がつく。表参道の大通りから一本入ったところだけあって、往来の喧噪はほとんど聞こえないが、遠くを飛ぶヘリコプターの音や、テラス脇を歩く猫の足音など、様々な音を楽しむことができた。
気がつくと坐禅が終わる合図。「人によって長いか短いかは違うと思いますが」という羽賀さんの言葉の通り、周りからは「思ったよりも短かった」「いや、結構たっぷり(時間が)あった気がする」という声が漏れ聞こえる。その後お茶とお菓子を頂きながら、羽賀さんから禅語についてのお話があり、最後にもう一度短めの坐禅を行った。今度はほんの5分程度ということだが、ほんの数回呼吸をするだけで5分という時間が過ぎてしまったことに驚きを感じた。ゆっくり呼吸をする。そんな当たり前のことを久しく忘れていたことに気づかされた。
Zen Cafeの次回開催予定は10月18日、詳細は臨済宗妙心寺派 東京禅センターウェブサイトにて
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