
今年3月にニューヨークでオークションに出品され真言宗系宗教団体の真如苑によって落札された、運慶作と見られる大日如来座像の一般公開が上野・東京国立博物館ではじまった。同館で6月10日(火)〜7月6日(日)と7月10日(木)〜9月21日(日)まで一般公開される。
大日如来とは、仏教のなかでも密教の本尊で、弘法大師空海が開いた金剛峯寺(高野山)、東寺(京都)といったお寺に代表される真言宗でもっとも大切にされている仏。わたしたちが生きるこの宇宙そのものの象徴で、この世界に生き存在するものはすべて大日如来であるというのが真言宗の教え。左手人差し指を、右手で握る「智拳印(ちけんいん)」を結んでいることから、仏の智慧をあらわす金剛界の大日如来ということがわかる。
今回公開された大日如来像は平安〜鎌倉時代に造られた木造仏で、非常に高い髻(モトドリ・頭上に束ねた髪のこと)や衣のねじれ、いくぶん出た顎といった特徴を備えていることから、決定的な証拠はないが運慶作の仏像に間違いないと考えられている。X線検査では、内部に五輪塔形の木札(もくさつ)、金属製の蓮花と茎のついた水晶珠、仏舎利(お釈迦様の遺骨)が納められているらしいことがわかった。水晶珠は、「心月輪(しんがちりん)」と呼ばれ仏像の魂を象徴している。
また9日に開催された内覧会で、真如苑の西川勢二・総合企画部長はオークションに参入することを決めた理由を、「仏縁を感じたから」と語った。同氏によれば、真如苑の開祖・伊藤真乗師(いとうしんじょう)は同じく運慶作の不動明王をご本尊として修行に入っており、同じ仏師による大日如来の存在には強い縁を感じたという。「ぜひお祀りさせていただきたいと思った」というこの大日如来坐像は、将来的には東京都立川市に建設予定の真如苑本部に祀られ、一般参拝も可能になる予定となっている。同施設には、真如苑のご本尊・釈迦牟尼仏、運慶作不動明王も祀られる。
9月の一般公開終了後は、今年度の一般公開は予定しておらず、来年度以降の公開も未定となっているので、この機会をお見逃し無く。
■関連情報
・東京国立博物館
・真如苑
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・日時:2008年6月10日(火)〜7月6日(日)本館11室、7月10日(木)〜9月21(日)本館12室
・開館時間:9:30〜17:00(土日祝日18:00)
・休館日:毎週月曜日
・場所:東京国立博物館(東京都台東区上野公園13−9)
・観覧料:一般:600円、大学生:400円、高校生以下と満70歳以上:無料
・お問い合わせ:03−5777−8600(ハローダイヤル)