2008年4月 7日


 4月5日放送の関西テレビ『ぶったま』に西の比叡山と呼ばれるほどの大寺院である圓教寺(えんぎょうじ)の執事長大樹玄承(おおきげんじょう)僧正が出演され、チベットでの信仰の自由と日本の仏教徒へこれが「仏教者であるための最後の機会」と訴えられました。

 批判やなんらかの処罰を受ける危険性もあるなか、勇気をもって仏教界からはじめて生の声を発せられたことに、大きな反響が寄せられています。youtubeアップロードされた動画から、読み上げられたメッセージが書き起こされ様々なブログに掲載されたり、また英語、フランス語字幕が付けられた動画が作成されるなど、世界的な注目が集まっています。

 4月10日にはダライラマ法王の日本立ち寄り、5月6〜11日には胡錦濤国家主席が来日が予定されており、あらためて日本人の姿勢が問われることになりそうです。

■大樹玄承僧正のメッセージ

今、私達日本の仏教者の真価が問われています。
チベットでの中国の武力行動によって、宗教の自由が失われることに
心から悲しみと、やむにやまれぬ抗議を表明せずにはいられません。
私たちは、あくまでも宗教者、仏教者として、僧侶を始めとする
チベット人の苦しみをもはや、黙って見過ごす事が出来ません。

チベット仏教の宗教的伝統を、
チベット人の自由な意思で護ると言うことが、大切な基本です。
皆さんは、日本の全国のお坊さんどうしているのかとお思いでしょう。
日本の各宗派、教団は日中国交回復のあと、
中国各地でご縁のある寺院の復興に力を注いで来ました。
私も中国の寺院の復興に携わりました。
しかし、中国の寺院との交流は、全て北京を通さないと出来ません。
殆ど自由は無かった。 これからもそうだと全国の殆どの僧侶は知っています。

そして日本の仏教教団が、ダライラマ法王と交流することを、
北京は不快に思うこともよく知られています。
あくまでも宗教の自由の問題こそ重大であると、私は考えています。
しかし、チベットの事件以来、3週間以上が過ぎて尚、
日本の仏教会に目立った行動は見られません。
中国仏教会が大切な友人であるなら、
どうして何も言わない、しないで良いのでしょうか。

ダライラマ法王中心に仏教国の歴史を重ねてきたチベットが、
今無くなろうとしています。
私たちは宗教者、仏教者として草の根から
声を挙げていかなければなりません。
しかし、私の所属する宗派が、
中国の仏教界関係者から抗議を受けて、
私はお叱りを受ける可能性が高いでしょう。

このように申し上げるのは、
私達と行動を共にしましょうということではないのです。
それぞれの御住職、檀信徒の皆さんが、
これをきっかけに自ら考えて戴きたいのです。
オリンピックにあわせて、
中国の交流のある寺院に参拝予定の僧侶もいらっしゃるでしょう。
この情勢の中、中国でどんなお話をされるのでしょう。
もしも、宗教者として毅然とした態度で臨めないならば、
私たちは、これから、信者さん、檀家さんに、
どのようなことを、説いていけるのでしょうか。
私たちにとって、これが宗教者、
仏教者であるための最後の機会かも知れません。

書寫山圓教寺 執事長 大樹玄承 
平成20年4月5日

■関連ページ
天台宗トップの住職がチベット問題について涙ながらに語る:関西テレビ『ぶったま』の映像。
書寫山圓教寺:大樹僧正のお寺。
Japanese Buddhist talks about the Tibet problem(english sub):英語字幕バージョン。
Déclaration d'un moine japonais sur le Tibet (sous titre fr):フランス語字幕バージョン。
「ぶったま! 青山解説チベット実情(1/2)」「ぶったま! 青山解説チベット実情(2/2)」:コーナー全体の動画はこちら。中国がチベット僧侶にダライラマ法王の踏み絵を行ったとの情報。
「急ぎ、お答えします」「勇気」:ジャーナリスト青山繁晴さんのブログ。大樹僧正が出演に至るまでの経緯や裏話が書かれています。

■情報提供
nerumamaさん山口峰隆さん、情報提供ありがとうございます!

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