2010年6月 5日

3年前に永平寺を降りて娑婆で生活を始めてから慎重になっていることがあります。

それは、先端技術を生活にとりいれる、ということに関してです。

テレビもオーディオもパソコンも携帯もないけれども文字通り「日々是好日」な暮らしをしていた永平寺での生活。それを原点に自分にとって本当に必要なものはなにかというのをよくよく吟味してから身の回りの所持物をそろえていこうと思っていました。

が、しかし。

下山して5ヶ月後には携帯電話、引き続きパソコンを導入し、iPodを購入し、昨年iPhoneを使い始めてこの「慎重に先端技術をとりいれる」生活は頓挫したといえるでしょう。
一度便利になれてしまうと底から離れるにはそれこそ永平寺に上山するくらいの覚悟が必要です。実は情報技術というのは非常に危険な側面を持ち合わせているのです。

例えば今、深夜にこれを書いているけれども、部屋の電気はどこから来ているのか。
その電気は誰がどのようにしてつくったものなのか。その電気の為に犠牲になっているものはないのか。

私は和尚として、そこまできちんと考える必要があると思うのです。

iPhoneを使っています。でも、モデルチェンジして今のが使えなくなりました。
じゃあこのスベスベのマンジュウみたいなカタマリはどのように処分するんでしょう。
ゴミ箱に捨てたらそれはどうなるんでしょう。どこへいくのでしょう。

あれが悪い、これが悪い、と否定しているわけではありません。
ただ新しいこと、わくわくすることをするときには常に一方で広い視野を保って取り組む必要があると思うのです。

道元禅師は国宝となっている普勧坐禅儀で
「須らく回光返照(えこうへんしょう)の退歩(たいほ)を学すべし」
と書いています。

そもそも「生きる」ってなんだろう。
こんなクサい問いかけも、新しい取り組みの中でなかなか意味を持ってくる。

a.jpg

彼岸寺ではiPhoneのアプリをウェブインパクトさんらと共同開発しています。世界中の仏教に触れる機会のなかったiPhoneユーザがこれをきっかけに仏教に興味をもってもらえることを願っています。

このサイトを読んで頂いているみなさんのお智慧も是非おかりしたい。

詳細とアンケートがこちらの特集記事にあります。是非とも記入して送って下さい!


どうぞよろしゅう

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.higan.net/apps/mt-tb.cgi/3752

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


彼岸寺周辺で起こっているさまざまな出来事を、彼岸寺の僧侶たちが輪番としてみなさんにご紹介します。
松本 紹圭(まつもと しょうけい)
神谷町光明寺、衆徒。浄土真宗本願寺派布教使。1979年、北海道生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。光明寺仏教青年会代表として、お寺の音楽会「誰そ彼」や、お寺カフェ「神谷町オープンテラス」を企画し、2008年には財団法人全国青少年教化協議会より第32回正力松太郎賞青年奨励賞受賞。 現在、超宗派仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」の運営に携わる。著書に『おぼうさん、はじめました。』(ダイヤモンド社/2005年12月刊行)。インド留学に付き、お休み中。Twitter
松下弓月(まつした ゆづき)
福生山宝善院 副住職。1980年生まれ。国際基督教大学(ICU)教養学部人文科学科卒業(学士)、青山学院大学大学院英米文学専攻卒業(修士)。東寺伝法学院にて加行・濯頂。TwitterFacebook
青江 覚峰(あおえ かくほう)
浄土真宗東本願寺派緑泉寺 副住職。1977年東京生まれ。カリフォルニア州立大学よりMBA取得。超宗派の僧侶達が集うウェブサイト「彼岸寺」を運営。料理僧として料理、食育に取り組む。お寺発のブラインドレストラン「暗闇ごはん」を主催。Twitter
樋口星覚(ひぐち せいがく)
雲水。1981年生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、大本山永平寺にて修行を積む。シンガポールに生まれ、イギリス、ポーランド、鳥取県で少年時代を過ごす。ウェブカフェ、雲水喫茶(http://www.unsui.net)のマスター。Twitter