少し風邪気味だったので、大事をとって丸一日、安静にしていました。寝ながら読んでいた本は、『犀の角たち(佐々木 閑)』です。この本は科学と仏教の関わりについて論じられたものですが、よくある「科学と仏教はこんなに似ているところがたくさんありますよ」という種類の議論ではなく、両者の成り立ちと論理的視点をひもとく作業から、より正確に関係性を論じようというもので、とても面白かったです。
ぼくはお坊さんになってから、これまでいろいろな研修にも参加してきましたが、いつも感じていたのは、科学(あるいは論理)に関して学ぶ機会が少ないということです。分かりやすい例としては、「浄土」について考えようといっても、それを考えるベースとなる論理についてしっかり押さえておかないと、「ある」とか「ない」とかの話になってしまい、それの意味する大事なところが何も理解できなくなってしまいます。お坊さんは、「自分はどういう論理でものを考えているのか」に敏感である必要があるのです。
この問題は仏教に限らないでしょう。日本の学校教育はゆとりから詰め込みへと逆戻りしつつあるようですが、詰め込むばかりでなく「よく、たくさん考える」ための授業も増やしてほしいですね。自分がどれほど曖昧な「常識」を無条件に前提してしまっているのかを問うことは、まともな民主主義を育てるためにも必要なことだと思います。(松本圭介)