クリスチャンの方にはバイブルという存在がありますが、私たちお坊さんにもバイブルがあります。何を持って聖典とするかは宗派によって違うのですが、僕は浄土真宗の僧侶なので、「真宗聖典」というものを持ち歩いております。聖典の中には浄土三部経といわれるお経や、親鸞聖人や過去の高僧の書いたもろもろの文章が収まっております。
同時に料理僧として僕が料理をする時のバイブルというものも存在します。典座教訓という禅宗(曹洞宗)の開祖、道元禅師が書いた本です。禅宗では、修行僧の食事を作り整える役職のことを典座(てんぞ)と呼びますが、道元は典座のあり方を厳しく細かくこの本の中で説いております。料理をする時の心構えを忘れないように定期的に目を通す本です。
こうやってみると、古典といわれるものには現代人である私たちに必要なエッセンスがたくさん詰まっています。日々新しく面白い本が出ていますが、たまには立ち止まって古典を読んではいかがでしょうか。