私が大学卒業と同時にお坊さんとなろうと思ったとき、「社会に出て仕事をするにあたり、特にグローバル時代と言われる今だからこそ、たまたま日本人に生まれた自分なのだから、日本人としてやるべき仕事がしたい」という気持ちがありました。
日本という国はまだまだ外国人の受け入れに対して極めて消極的な方針をとっていますが、このまま行くと50年後には人口が今の3分の2程度に減少するだろうという予測もある中で、世界の流れも考えあわせると、そのままの方針を貫き通せるとは到底思えません。国境の敷居は低くなる一方で、これから世界の人種の混交はどんどん進んでいくことでしょう。
日本の仏教界もこれまでは常に内向きで海外に対しての展開を本気で考えているような動きは出てきていませんが、そのような流れのなかでは今のあり方を劇的に考え直さなければいけない局面も出てくるはずです。というか、チベット仏教などを見ていると、すでにそういう局面に来ているのだということが分かります。
日本仏教の良さ、ひいては日本文化の良さというものを守ろうと思ったら、日本人が日本の中で日本文化を守る、という発想ではなく、世界の中で心ある人たちが国を超えて力を合わせて日本的なものを守る、という方向で考えていかなければいけないのではないかと思います。