黒澤明監督の映画『生きる』を見ました。半ば死んだように時間を無為にして淡々と生きてきた市役所の課長が、死を突然宣告されて、人生を見つめ直す。
課長を取り巻くお役人たちの有り様が、まるで既成仏教教団組織のイメージと重なってしまい、ちょっと複雑な気持ちになりました。組織にいるうちに人間が記号化されて、しまいには記号的にしか生きられなくなるという事態が、世の中にはありふれています。
望まなくとも知らず知らずのうちに自分自身が記号になっていく。ぼくにもその心当たりがあります。取り返しのつくうちに、人間性を取り戻したいものです。