2010年2月 9日

このコーナー、今週は自分の担当なので月曜日からしっかり更新しようと張り切っておりましたが、そういえばインドと日本は時差が3.5時間あるので、すでに日本は火曜日になってしまっているのですね。

さて、今月からインド留学生活を開始しまして、すでにこちらに来て一週間が経過しました。到着日まで自分たちがどこに住むのか学校の事務局からあいまいな返事しかもらっていなかったので不安ではありましたが、とりあえずキャンパス内のアパートメントに住むことができました。

こちらは今、非常に快適な気候の時期で、昼間は半袖を着て過ごし、夜は薄手の長袖を来て眠っています。少し不便なことといえば、当たり前ですが、食事がカレー(マサラ)ばかりということですね。学食で何を注文しても料理がことごとく辛いので、大人はいいとしても、子どもが食べられるものが少ないのです。やっと近くのスーパーで食材を買って、妻がマイルドな料理を自炊するというペースが出来てきて、ほっとしています。食は生活の基本ですね。(松本)

2010年2月 7日

 本日安藤さんの出版記念講演会が行われました。寒風の中おこしいただきました方、ありがとうございます。予報よりも暖かかったとはいえ、非常に冷たい強風の中での街歩きは体に堪えましたが、その後、実際に歩いた場所を思い浮かべながら聞いた江戸のお話は非常にリアルに楽しむことが出来ました。

 今回は江戸東京野菜普及推進連絡協議会に後援をいただき、また品川の大塚好雄氏(マルダイ大塚好雄商店)のご協力により、江戸野菜を使った精進料理を作ることができました。今回江戸野菜の料理を作るにあたり、江戸の食文化を調べて見ると大変面白かった事の一つは、関東ローム層の影響で江戸の水は大変硬い硬水であり、昆布の出汁がうまく取れなかったという話です。それに習い硬水のミネラルウォーターで出汁を取ったのですが、料理の最中はものすごく贅沢をしている気分でした。

 今回で出版記念講演会は一段落をしましたが、この先またこういった企画を続けていければ思っています。(青江覚峰)

2010年2月 6日

 松本が今月の頭、インド留学に旅立ちました。それ以降インドの情報をできるだけ拾っておくよう心がけております。日本やアメリカの情報と違い、情報の方から自然に入ってくるわけではないため、自分から能動的に情報を集めなくてはいけません。その点においてインターネットというツールは最大限生かされてきます。

 さて、そんな中で見つけたニュースがこちらのニュースでした。

インドで"ゼロ"ルピー紙幣が発行される

 インドで日常的に行われている公務員への贈賄に対し、不当なお金を求められた際に「賄賂を払わない」という意志を相手に伝えるためにこの紙幣を渡すのだといいます。インドでは賄賂がかなりまかり通っている社会であるといわれますが、贈賄を逆手にとってこういった動きが起こることがインドの懐の深さであり、松本が人生を賭ける場として選んだ魅力なんだと感じます。(青江覚峰)

*表現の一部を変更いたしました。

2010年2月 4日

 催し物で取り上げましたが、地域活性化やまちづくり支援事業を行う合同会社街オリとの共同で行っている「第3回 文化のココロ」が2月20日に開催されます。

 今回からはより多くの方に本企画に参加して頂ければと考え各セッションでの申込みも受付ける形となっております。また、私も精進料理で参加するほか、KNOMの樋口星覚による坐禅指導など、盛りだくさんの企画になっております。

 ご興味のある方はぜひ奮ってご参加ください。(青江覚峰)

2010年1月30日

1月も終わりに近づいてきましたね。近日開催予定のイベントのご案内です。

2月7日(日)には歴史家・江戸研究家の安藤優一郎さんが彼岸寺での連載を書籍化された『大江戸お寺繁昌記』の出版記念講演会「浅草街歩きワークショップ×江戸野菜精進料理」を開催します。江戸の街並みを今に残す浅草を見学したのち、彼岸寺料理僧青江のつくる江戸野菜を使った精進料理を召し上がっていただくという趣向です。

もう一つは、2月23日(火)に京都大学で開催される「文化とコンピューティング」国際会議です。こちらはわたし松下が「仏教文化とコンピューティング」というシンポジウムにパネリストとして参加させていただきます。仏教がネットをいかに使っているかというお話になるかと思います。1月31日までに参加申し込みをされると無料になるようです。

どちらもご参加お待ちしております!(松下)

2010年1月28日

何年も前から噂になっていたアップルのタブレットPC「iPad」が昨晩いよいよ発表となりました。わたしも少し仮眠をしてからライブ中継を見守っておりました。待ちに待った製品だけについに!という嬉しさとともに、想像していたものとの違いに残念に思った方も多かったのではないでしょうか。とはいえ、練りこまれたGUIの息を飲むような美しさに、はやくこの手で触れてみたいという気持ちで今はいっぱいです。

さて、このiPadの機能のなかでもとりわけ重要と言われているのが電子ブック機能「iBooks」です。アマゾンがKindleという電子ブックリーダーをすでに販売しておりますが、今回アップルはアメリカの有力出版社5社と提携してカラー大画面とiTunes Storeという非常に優れたコンテンツ販売路を生かして音楽業界に続き、出版業界の再編に乗り出しました。

日本ではまだあまり馴染みのない電子ブックですが、iPhoneでいくつか使ってみた経験では紙の本を読むのとはまた違った良さがあるものです。何冊持っていても重さに変わりの無いところ、新しい書籍を手に入れるのが瞬時にできるところ、そしてデータを配信するだけという手軽さから絶版になりにくく古書も簡単に買えるようになるところなどです。

近頃たくさん書店の店頭に並ぶことも多くなった仏教書ですが、本格的に学ぼうとするとまだまだ高価で手に入れにくいものが多いです。評価が高いシリーズでもすでに絶版でまとめて購入すると数万から数十万するということもあるのですが、こうした状況も電子ブックが一般化するにつれて変わっていくのではないでしょうか。

日本仏教史にも貴重なお経が少しでも多くの人々の手元に届くように血のにじむような努力をしてきたお坊さんたちがいます。そうして伝わってきた経典が、広く普及し読まれるようになるよう、iPadのようなデバイスを活用していきたいと思っています。(松下弓月)

2010年1月25日

もう間もなく北海道からインドへ引っ越しなので、荷造りをしたり知人へのご挨拶をしたりと忙しい日々を送っております。郵便局からインドへ段ボール箱を送ると一キログラムあたり約1000円くらいかかるので、なかなか費用もかかります。最低限のものだけ詰め込んで、現地にあるものは現地で買うようにしなくてはなりません。

日本での生活様式をどれだけ現地へ持ち込むかによっても荷物の量はずいぶん変わります。たとえば、ご飯食。現地にもお米はありますが、パサパサに炊いてカレーと一緒に食べる細長いお米の種類なので、純粋に日本的なお米を食べたければ日本から郵送しなければなりません。さらに、インドで炊飯器を買うとやはりインド式にパサパサに炊きあがるらしいので、もし日本米を炊くなら炊飯器も送らなければならなくなります。

というふうに、こだわりだすとだんだんキリがなくなってくるので、どこでバランスをとるかが難しいところです。(松本圭介)

2010年1月22日

それぞれの人には身体も意識もひとつしかないので、一人の人が一つの瞬間に複数のことを行うことはできませんし、いくつものことを同時に考えることはできません。そのうえ与えられた時間も増やすことはできませんから、人が振り分けられるアテンションの総量には決まった限度があります。向ける対象が増えればそれだけそれぞれに配分できるアテンションの量は減少します。

身の回りにメディアが濫立して情報があふれる今は、自分自身でアテンションをコントロールするように気をつけないと、どんどん向ける必要のない対象にアテンションが無駄遣いされて、できる仕事が減っていきます。しかし逆に、それさえしっかりできていれば、複雑化するように見える現代社会のありさまに惑わされず、けっこうシンプルにやっていけるのではないかという気がします。

人間が大事にすべき基本的な要素というのはずっと昔に出尽くしてしまっているのだと思います。どうでもいいことをどうでもいいと判断する力が今の私には必要なのだと、身の回りの情報を眺めていて思いました。(松本圭介)

2010年1月21日

 今年1月から突然インドのビザのルールが変わりました。これまでインドの観光ビザは最大6ヵ月の有効期間内であれば何度でも出入国できたため、デリーからインドへ入ってそのままネパールまで足を伸ばし、またインドへ戻ってくるというような気ままな旅ができました。しかし今年から、一度出国すると最低2ヶ月は再入国できないというルールに変更されたため、ずいぶん自由度が狭まったのです。

 これはバックパッカーにとっては大きな痛手ですし、周辺国の観光産業にとっても影響が大きいのではないかと思います。インド政府としては単純に、インドに出たり入ったりを繰り返す旅行者にはあまり行いのよろしくない人が多いというふうに考えているのかもしれませんが、インド経由で入ってくる旅行者の多いネパールなどは大変です。「せっかくブッダガヤ(インド)まで来たからルンビニ(ネパール)にも行ってみようか」という仏教徒の巡礼者が来なくなれば、ルンビニの復興にも大打撃です。せっかく最近建てられたカトマンズ本願寺にも参拝者が減ってしまいます。

インドはお役人の気分でころころルールが変わるので、またすぐに締め付けが緩和されることを期待します。(松本圭介)

2010年1月20日

「三衣一鉢(さんねいっぱつ)」といって、初期の仏教教団では僧侶の所持品は厳しく制限されていました。わずかな衣類の他に托鉢のための鉢を一つ持つことしか、僧侶の個人所有は許されていなかったのです。太陽が照りつける日も雨の日も、インドの大地で仏教僧侶は鉢を持って托鉢し、食べ物を得ていました。

先日、札幌へ用事を足しに行ったときに、雪の降る中、交差点で一人の僧侶が托鉢をしていました。さすがに南国のお坊さんみたいに肩を出してはいませんが、コートなども着ずにかなりの薄着で立っていました。目に力が入り、あまりの気迫のせいで鉢に小銭を入れたくても入れにくいほどの雰囲気を出していました。大勢の人が行き交う日常の中にそういう人が存在しているということ自体、大きな意義があるという気がしました。尊敬です。(松本圭介)

彼岸寺周辺で起こっているさまざまな出来事を、彼岸寺の僧侶たちが輪番としてみなさんにご紹介します。
松本 紹圭(まつもと しょうけい)
神谷町光明寺、衆徒。浄土真宗本願寺派布教使。1979年、北海道生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。光明寺仏教青年会代表として、お寺の音楽会「誰そ彼」や、お寺カフェ「神谷町オープンテラス」を企画し、2008年には財団法人全国青少年教化協議会より第32回正力松太郎賞青年奨励賞受賞。 現在、超宗派仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」の運営に携わる。著書に『おぼうさん、はじめました。』(ダイヤモンド社/2005年12月刊行)。
松下弓月(まつした ゆづき)
福生山宝善院 副住職。1980年生まれ。国際基督教大学(ICU)教養学部人文科学科卒業(学士)、青山学院大学大学院英米文学専攻卒業(修士)。東寺伝法学院にて加行・濯頂。TwitterFacebook
青江 覚峰(あおえ かくほう)
浄土真宗東本願寺派緑泉寺 副住職。1977年東京生まれ。カリフォルニア州立大学よりMBA取得。超宗派の僧侶達が集うウェブサイト「彼岸寺」を運営。料理僧として料理、食育に取り組む。お寺発のブラインドレストラン「暗闇ごはん」を主催。