
- 企画に携わったお二人(中央:浅野執持さん、中央右:佐藤知水さん)
11月も終わりに近づき、クリスマスの赤と緑が町に彩りを添える季節。なぜ日本人がキリスト教ののイベントでお祝いするのかと町の浮ついた空気に乗り切れずなんとなく寂しい気持ちになった経験、彼岸寺読者のみなさんもあるのでは?
今年は違います。「法話 meets MUSIC.」をコンセプトにした仏教系フェス「メリシャカLIVE 2009」が12月26日に京都西本願寺の聞法会館で開催されるからです。「メリシャカLIVE」は向井秀徳アコースティック&エレクトリック、AKIRA-sunriseといった実力派ミュージシャンを、浄土真宗本願寺派の若手僧侶たちが法話と法要で迎え撃つイベント。
今回はこの京都の寒い冬を熱く過ごせる一夜を企画された、メリシャカの佐藤知水[ちすい]さんに「メリシャカLIVE」のもととなった仏教系トークイベント「メリシャカナイツ」をはじめたきっかけから、そこにどんな想いがあったのかまで伺いました。知水さんの熱い思いに触れて、26日からスタートするチケット追加予約にぜひお申し込みください!
メリシャカナイツをはじめたきっかけ

- メリシャカナイツの舞台となった音楽とうどんカリーの店VoNN。
メリシャカナイツは浅野執持[あさのしゅうじ]さんと一緒にはじめた企画です。彼とは西本願寺で若手僧侶を育成する布教使の同期なんです。12人のお坊さんが月の半分くらい京都に出てきて、お参りに来られた方々に法話をするんですね。京都にいるあいだは西本願寺の宿坊に間借りしていて、同世代の仲間が集まっていつも喧々諤々と議論をしています。浅野さんとは同部屋なんですが、来年三月で任期が終わるので帰るまでになにか一つ試しておきたいという話になって。
それで同じように西本願寺に勤めていた布教使の先輩がメリシャカナイツをさせていただいたVoNNというお店でやっていた、「仏教ナイツ」というイベントに浅野さんと一緒に行ったんです。その先輩は教戒師(刑務所や拘置所で法話をしたり悩みを聞いたりされる)もされているような方で、一人でその場に立って仏教について語るワンマンライブのようなイベントをされていました。その先輩はお店のマスターとも仲が良くて、コアなお客さんが多いお店なので若い方がたくさん来られてとても盛り上がっていました。その姿を見てすごいなぁと思う反面、僕らだったらもっとすごいことができるんじゃないかという話になって(笑)。
それで実験的にメリシャカナイツというイベントをはじめることにしました。成功にしろ、失敗にしろ行動することで見えてくるものがあって、それが若い人に仏教を伝えるための糧になるんじゃないかと思ったんです。はじめてのことで参加者が集まるか不安だったのですが、ぼくが所属するメリシャカというウェブサイトの一環としてやったら、参加者も集まるんじゃないかとやってみました。
本音で語り合える場を目指して

- イベントを主催したメリシャカのウェブサイト。
僕たちは今まで仏教に関心がなくてお寺に足を運んだこともないような若い方人と、対話をできる場を作りたいと思ったんです。布教使なのでお寺に呼んでいただいて法話をさせていただく機会はありますが、今は高齢化が進んでそれもだんだん少なくなってきているんですね。親鸞聖人の御法事、報恩講が浄土真宗では一番大きな場ですが、それでも法話の時間がだんだん短縮されてきていて、お参りに来られる方の数自体も減ってきている。そうやってどんどん少なくなってきている法話の場をもっと作って、伝統ある法話の場を開拓したいと思ったんです。
お寺で待ってたらダメだと思うんですね。待っていたらこういう状況に追いつけないですから。バーでお坊さんとお酒を飲みながら仏教の話を楽しんで欲しかったんです。お寺には儀礼空間としての良さもあって、日常から出て非日常の空間を味わえますが、仏教ってそれだけじゃないと思うんです。お酒を飲みながら仏教のイベントをするとは思い切ってるねと言われたりしましたが、お酒があると若い人たちとも本音で語り合えるようになってすごくおもしろいんですね。
法話って一つの問題提起になると思っていて、仏教はこういうことだと語ることで聞いて下さっている方々も自分の経験や考えかたと合わせて生まれてくるものがあるんです。だからお客さんの反応によって話す内容もすごく変わるし、ぜんぜん分野の違う人が仏教について聴いてどう思ったかで法話の内容も深まっていったのが新鮮でした。僧侶は語り聞き手は聞くだけになってしまうのが法話の昔からの問題でしたが、メリシャカナイツではお坊さんと聞き手で化学的な反応が起こったんだと思います。
「法話」への想い

- 対話を重視したメリシャカナイツでは、参加者とお坊さんが多く意見を交わした。
メリシャカナイツでは、毎回最初に法話があるのですが、僕は司会担当だったので、基本的にまわりの法話を担当する僧侶が苦しんでいるのを見て楽しんでいました(笑)。第2夜の「お坊さんレッドカーペット」という企画では僕も「孤独」というテーマについて話しました。自分の抱えている苦しみと、仏教に関心がなくても若い方が抱えている苦しみをリンクさせたかったんです。
僕たちは布教使なので講師としてお寺で法話をさせていただくことがあります。一回30~45分くらいの話×2回というのを一日に何回もします。それが2、3日とか長いときには一週間毎日するんです。浄土真宗で法話は「お取り次ぎ」と言って、自分の説を説くのではなく、お釈迦様、親鸞さまのおっしゃった仏教をそのまま伝えるということです。しかし自分のフィルターを通さないと伝わりませんので自分の人生経験を元に、ご本尊の阿弥陀さまの本願、お釈迦様、親鸞さまのおっしゃっていることをそのまま伝えます。
聴聞に慣れてられるご門徒さんは、法話を毎回毎回うなずきながら自分のこととして聞いてくださるんです。ご聴聞の習慣の歴史のなかで育てられてきたんでしょうね。その歴史のなかに自分たちもいて、未熟でちゃんとした話はできないんですが、きちんと聞いて下さる。今はそういうご門徒さんが少なくなり、若い人のあいだではお寺や仏教離れが進んでいます。今までそうやって聴いて下さってきたおじいちゃんおばあちゃんに申し訳ないんですね。ちゃんと伝えられずきちんと聞いて下さる方に甘えてしまっていたと思うので。そういう方に育てられたことを無駄にせずに、若い人とも触れあえるようになりたいと思っています。甘えていたらいけないと思います。本当に。
プロフィール

浅野執持[あさのしゅうじ](1971年生)
愛媛県万福寺、衆徒 西本願寺布教研究専従職員。龍谷大学哲学科修士課程修了。メリシャカナイツでは主に企画を担当。

佐藤知水[さとうちすい](1978年生)
岡山県光栄寺、衆徒 西本願寺布教研究専従職員。龍谷大学日本語日本文学科修了。メリシャカナイツでは主に司会を担当。
イベント情報
| 名称 | メリシャカLIVE2009【イベント特設サイト】 |
| 日時 | 2009年12月26日(土)15:30〜 (受付14:30、開場15:00) |
| 会場 | 西本願寺 聞法会館 (京都市下京区堀川花屋町上柿本600-1) |
| 出演 |
<MUSIC>
<読経・法話>
浄土真宗本願寺派 若手僧侶
<パネルディスカッション>
- MC 木下明水(熊本 勝明寺副住職・布教使)
- パネリスト 福間義朝(広島 教専寺住職・布教使)
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| チケット | 完売。 (イベント特設サイトにて11/26より若干枚追加受付を再開する予定) |
| 主催 | メリシャカ(http://www.merry-shaka.com/) |
| 問い合せ | merryshakalive@gmail.com |