2006年7月 8日

日本で初めてのブラインドレストランの試み「暗やミール」が、浅草緑泉寺で始まった。

賑やかな浅草の町並みを抜け、緑泉寺に入るとそこはもうひっそりとした別世界。お寺の門をくぐり玄関で受け付けをすませると、スタッフに案内され一人ずつ真っ暗な会場へ。「暗やミール」を企画した国際協力ネットワークSIENの代表・島田亮司さんによる歓迎の言葉と共にスタート。どこにあるかわからないお皿を求めて、暗闇のなか手を伸ばす。

真っ暗なレストラン!?

「ブラインドレストラン」とは、完全な暗闇の中で食事をするというヨーロッパで始められた全く新しい形のレストランである。自分の手も見えない真っ暗闇の中で、視覚に頼らず純粋に料理の味や香り、舌触りを楽しんで欲しいという気持ちから生まれた。

料理の見た目でどんな味がするのか想像して食べることを、ちょっとだけやめてみる。それだけで、食事という日常的な行為が、あっという間に非日常的な体験に変わる。

驚きに満ちた料理

「暗やミール」の料理を作るのは、神谷町オープンテラスでもデザートを担当する彼岸寺の料理僧KAKUさん。当日の朝に築地市場で仕入れた新鮮な素材で丹念に作り上げた料理は、野菜を中心としたヘルシーなもの。サクサク、しっとりなど同じ野菜でもいくつもの食感を組み合わせたり、香りから想像するものと口にしたものでは全く違うなど暗闇というシチュエーションを利用した驚きと発見に満ちた料理となっている。

特に驚いたのが一品目に出てきたスープだ。すっきりとした鮮烈な香りはよく知っている野菜の味のはずなのに、それがなんなのかわからない。会場では何のスープなのかをめぐって話に花が咲いた。すべての料理を食べ終えてからの解説では、話し合った通りに誰もがよく知っている野菜のスープだったことがわかったが、その野菜の特徴的な色を出さない特別な作り方をしていたために見た目からはその野菜とは全くわからず、さらに驚くこととなった。

暗闇の中で視覚を閉ざし、純粋に料理の味や香りを楽しむ「暗やミール」。お寺という非日常の空間での非日常の食事体験には、新鮮な驚きが満ちていた。

今後は月一回程度のペースで行われる予定。詳しくはウェブサイト(http://www.higan.net/blog/kurayami/kurayami.htm)で。

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