2008年2月 6日
いっきゅー わーホラッ!ヤッコ、見てよ!! ホラ!十一面観音さまだよ、ホラッ!!
sugimoto3_3.jpg 本堂でまず最初に私たちを迎えてくれるのは、お前立ちの十一面観音。 「お前立ち」っていうのは、ご本尊の前に置かれて、ご本尊によく似せて作られた仏像のこと。

私よりも少し大きいくらいの人間サイズ。
この十一面観音は、本当にきれいで、美男子のような顔つきをされている。

一番手前にあるわけだから、本堂の中では一番たくさんの人に会っているお方なんだと思う。
その歴史がうかがえるように、金色の肌はちょっと黒ずんでいた。



「パシャッパシャッ」




sugimoto2_9.jpg

いっきゅーえ??

ヤッコキレイダネー


音がするから横を見てみると、ヤッコがカメラで観音さまを写している!!

いっきゅーヤッコ!ダメだよ!!ほら、堂内撮影禁止って書いてあるじゃん!!
ヤッコイーノイーノ
sugimoto2_10.jpg ちっとも言うことを聞いてくれないヤッコにあきらめムード。。


おばちゃん「あ!本堂はカメラダメよ!!怒」


私がしつこく言うまでもなく、早速おばちゃんに怒られた。
そりゃそうだ。

杉本寺だけでなく、いろんなお寺で言われる仏さまを参拝するときのルールがある。

ひとつは、脱帽
そして、もうひとつは写真撮影禁止


sugimoto2_11.jpg


脱帽は、仏さまは信仰の対象であり、敬意を払いなさいということ。
撮影禁止も同じく、作品の対象物ではなく、信仰でむけるのはカメラではなく、自身のココロだ、ということなんだろうな。


おばちゃんに怒られてすっかり落ち込んだヤッコ。

いっきゅーほら、次いくよ!
sugimoto3_1.jpg

すぐ横に目をうつすと、もう一体十一面観音さまがある。

こちらは、さっきまでの美少年十一面とは全く逆で、寸胴でむっくりして、なんだかノソーーッとした感じの男らしい像。

いっきゅーこっちはさ、先代のご住職が作ったんだよね
sugimoto3_2-2.jpg

仏像の足元に置かれてあった説明書きの内容を読んだ。

決して美人ではないけど、デーンとしたその存在感はすごく力強くて、やさしいイメージがある「観音さま」をまたちょっと違う感覚で拝むことができるのだ。

これもまた、ヨシ!

そして、その左に置かれたのが、お地蔵さま。


いっきゅー運慶作って書いてあるよ!東大寺南大門の仁王さま作った人だよ!


本当かどうかわからないけど、確かに「運慶作」と書かれている。
鎌倉時代に大フィーバーした仏師さんだ。

sugimoto2_8.jpg

その運慶が作った仏像は、今はもうあんまり残っていないんだとか。
だから、このお地蔵さまも結構レアなはず・・なんだけど、今にも触れちゃいそうなくらいの距離に私たちはいる。

近い。

とにかく近いのだ。

いっきゅーふーー。近いねぇー

私がいろいろ話しかけるのに、ヤッコはまるで無視。

ヤッコシャシントレナイ!!

きっと今までキレイなものを見たら写真に保存して、それを元に絵を描いて・・とやってきたヤッコにとってはやっぱりガッカリしたんだろうな。

そうだよなぁ。。
そう思っている人ってすごくいっぱいいると思う。

写真撮れたら、もっとたくさんの人にも知ってもらえるだろうし。。

いっきゅーしようがないよね。残念だけどさ。

ヤッコをいなすようにそういってヤッコを見ると、ジーーーッと目を凝らして、お地蔵さまを見ていた。

運慶作のお地蔵さまを、脳にインプットしようとしてるんだろうな。
エライぞ、ヤッコ!



御前立ちのすぐ脇には小さな階段がある。
そこをあがると、奥にご本尊がいるのだ。

私は、この階段をあがるのが大好き。
一番御前立ちに近づける瞬間だから!

人だったら、毛穴まで見えるくらい近くに顔を寄せることができる。

コレコレ。
杉本寺の魅力って、コレなんだ。

お地蔵さまに引き続き、この近さ

あらためて美しさに「はぁーー」ってため息がでちゃう。

いっきゅーはぁ~シアワセ!

この余韻を残して、奥に進んでいく。
杉本寺の本尊さまは、平安時代前後につくられた3体の十一面観音さま。
それはそれは美しいお方・・なんだろうけど・・

sugimoto3_4.jpg
ヤッコミエナーイ

そう。ご本尊さまのお姿は見えない。
「見えない」というか、正確に言うと「見えそうで見えない」。

3体の観音さまとわたしたちの間には、格子のついたガラス戸が閉まっているのだ。

いっきゅーんーーーどんなお顔をしてるんだろうねぇ

どれだけ目をこらしても、シルエットくらいしかわからないのがはがゆくて、今まで見た十一面観音さまのお顔を想像してみたりして、もんもん。

お厨子にカチッと入っていて、全く見えない状態ならまだしも、こんなチラッとだけ見せてくれてるなんて、んーーニクイッッ!!
いつかお会いできるであろう(と願っている)そのお顔を想像しながら、手をあわせよう。

いっきゅー&ヤッコナムー


次回の更新をお楽しみに。

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コメント (2)

kenyou:

どもども、彼岸僧ケンユウです。
俺も先日、初めて鎌倉行って来ました。
杉本寺へは行ってないですが、いっきゅーさんオススメの覚園寺に行きました。
ここも、仏像との距離が近くて、
しかも薬師三尊に、十二神将、お地蔵さんと、
たくさんの仏様がおられて、すごく良かったです。
他にも大仏に長谷観音と、鎌倉見仏楽しみました!
でも、これ読むとまた行きたくなりますねぇ(笑)

ひろみ:

はじめまして。私も鎌倉大好き!です。
こちらの杉本寺の観音様は鎌倉三十三観音の一番目の観音様ですよね。
去年観音様めぐりをして三十三ヶ所でご朱印をいただきました。
杉本寺の観音様の前で号泣したのを今でも忘れられません。

こちらを読ませていただいてたら、久しぶりに観音様にお会いしたくなりました。今度の休みに行ってこよっと♪

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寝ても覚めても仏像大好きなオカッパ娘「いっきゅー」と、仏像よりも動物と絵を描くのが大好きなニワトリ「ヤッコ」との仏像珍道中レポート。一生懸命だったり、ちょっとヌケてたり、大笑いしたり、しんみりしたり。喜怒哀楽たっぷりな1人と1羽のやりとりをお楽しみください!
廣瀬 郁実 / 文
仏像コラムニスト / 仏像ガール主宰。1979年横浜生まれ。上智大学比較文化学部 日本語・日本文化学科卒業。父の死がきっかけで、仏教に興味を持ち早13年、仏像に惚れて早10年。「仏像をポップに伝えていきたい!」という一心で、日本全国仏像行脚中。コラム執筆の他にも、般若心経をモチーフにしたアート作品の制作にも励む。
→公式サイト「仏像ガール」
飛鳥 柳 / イラスト
1981年富山県の浄土真宗のお寺に生まれる。祖父、父、兄、親戚中が僧侶という環境で育ったものの仏教についてはあまり知らない。武蔵野美術大学で工業デザインを学び、現在は絵本やイラストの制作に取り組んでいる。鳥が好き。