「禅と念仏」星覚さんへ

「禅と念仏」星覚さんへ


星覚さん


お返事が遅くなりました。思いつきでお誘いした企画ですが、彼岸寺上山以来密かに私淑しておりました星覚さんと「禅と念仏」企画が動き出して感無量です。


さて、早速頂いた質問(http://www.higan.net/unsui/2015/01/post-67.html)に僕もお答えしたいと思います。


1、お坊さんから見たビジネスマン、お坊さんになって靖朗さんが変わったこと(変わらなかったこと)


お坊さんもビジネスマンも志や求めるところは同じだなと感じることが多いです。お坊さんは仏になるための道を説き、ビジネスマンはより良い未来を事業を通じて実現します。どちらも今は見えないものをプレゼンテーションし、賛同者をつのる。まきこんでいく。そういった意味ではとても良く似ているなと。


お坊さんになって変わったことは、今まで以上に自分に厳しく、人に厳しくなったことでしょうか。
人にも厳しいというのがポイントです(笑)


逆に変わらなかったことは、相変わらず煩悩まみれの自分であるということですね。
だからこそ仏教のありがたさがわかるとも言えるのですが。



2、インターネット寺院(彼岸寺)というプロジェクトについて(住職の必要性やサイトの役割)


どんな活動もそうですが、10年を過ぎると「もっとこうしていこう」という意見と「昔のほうが良かった」という意見がぶつかり合うものですね。それはとても健全な姿だと思いますが、僕は常に前者のほうでありたいと思っています。


彼岸寺も、マツケイのブログから成長し今日に至るわけですが、いろいろありましたね。


お便りを拝読して少し驚いたのですが、星覚さんは彼岸寺に住職が必要というお考えと思っておりました。僕はというと、いてもいいしいなくてもいいし、いまでも答えは出ません。でも仮に住職がおられたとしたら、晋山式のような儀礼儀式を通じて醸成されるような覚悟が必要と考えています。


彼岸寺は超宗派と言われて久しいですが、超宗派という言葉も改めて考えてみると面白そうですね。今回の「禅と念仏」企画に一つの答えがあると楽しみにしております。



3、浄土宗のお坊さんという生活の家計(どのように生活しているのか?)


僕の場合は住職としてお寺を預かっていますので、お寺からの給与所得と兼業している仕事からのお給料を頂いて生活しています。


東京で働いていたときに頂いていた給料と比べると半分以下で当初はかなり不安でした。今のところ、なんとかやっていけています。田舎の物価であることやお米やお野菜の御供を頂戴できるなどの条件が整っていることもあり、ありがたい環境におかせてもらっていますね。


4、曹洞宗と浄土宗(禅と念仏)


日本仏教の特徴というか、魅力は行のシンプルさにあると感じます。只管打坐も称名念仏も余計なものが削ぎ落とされた行。行じることもありがたいですが、その裏にある理論や人々が共感するロジックなど是非お話したいですね。



5、お布施について


仏教では悪い行いをせず、善い行いをせよといいます。善い行いとはすなわちお布施のことではないかと考えています。


御布施経済の記事、拝読しました。そうそう、そうなんです。「お布施」を「もらう」ことは決してお坊さんの専売特許腕はないんだけど、だれもが「お布施」をやりとりできる、というのがなかなか見えにくい世界ですね。


具体的な実践方法、ぜひいっしょに考えていきましょう。


技術革新でベルリンと奈良もずいぶん近くなりました。禅と念仏にはどのような距離感や関係性があるのか、これからはじまる探索の日々がほんとうに楽しみです。


松島靖朗拝 合掌 南無阿弥陀佛



松島靖朗 (まつしま せいろう)
>>プロフィールを読む 浄土宗法性山専求院安養寺副住職。1975年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、9年間のITビジネスマン生活を経て奈良県にある実家のお寺に戻り浄土宗僧侶として修行の日々を送る。旅行・登山・サーフィン・温泉・美味しい物が好きで毎朝読経のあとの日経新聞が欠かせません。